信州田沢温泉 山あいに聳える高楼の宿 その2~「ますや旅館」 歴泊記 2026.4.2-3 ~「文化財に泊まりたい。」ファイルNo.19
「ますや旅館」は圧巻の木造3階建て入母屋と島崎藤村で有名な宿だ。今回は「その1」のつづき。
その1はこちら⇩
一通り「藤村の間」の鑑賞を楽しみ終え、浴衣に着替えて家族風呂へ。家族風呂は本館1階ロビーの脇の戸から入って階段を下りる。
ってことで1階の下なんだけど、完全に地下って訳でもない。そういえば、この宿の建物はしばしば木造4階建てとしてSNSなどで紹介されてる。でも宿のHPや文化財データベース(その1参照)では公式には3建て。
なんでそういう誤解⁉が生まれるかと言えば、敷地に高低差があって、本館や新館の低い側はいわゆる懸け造り(高床)みたいになっているから(多分)。
その高床(半地下)のスペースが倉庫や貸切風呂になっているのだ。だから低い方から見ると4階建てに見える。
ちなみに「藤村の間」のある東館は本館より一段低い土地に純粋に3階建て。なので同じ3階建てでも高さは1階分低く見える。
このあたりのことは「その1」でも触れたからクドクなるけど、一応検証的に写真で確認すると以下のような感じ。
次の⇩4枚の写真を見ると敷地の傾斜をうまく利用しているのがわかりやすい。
まず玄関(本館1階)と土蔵の石(ブロック)壁の高さはほぼ面一(水平)レベル。

この⇩写真の通り、土蔵の石(ブロック)壁と東館の1階の庇が同じ高さ。なので本館と東館ではちょうど1階分の高低差があるってことだ。

さらに東館の下手の小径から敷地奥に入ってみる。この白い部分⇩は本館と新館の各1階を結ぶ渡り廊下。1階なのに、ここから見ると2階を見上げるような高さにある。下を覗くと、土台は懸け造り(高床)のようになっているのがよくわかる。

これ⇩は本館に近づいて見上げた図。ちょっと見にくいが、植栽の間から白っぽく見えるのが貸切風呂。なので本館1階のロビーから階段を下りたところがココ。ちなみに貸切風呂の真上(屋根の上)は1階屋外の喫煙所(デッキ)だ。

ということで、本館や新館が4階建てだと思うのも分かる気がする。
さて、風呂の話に戻る。ロビーから階段下りると貸切風呂の扉が2つ並んでいる(さっきのここ⇧の中)。
まずは手前の貸切風呂。こっちは2番目にヌルイらしい。

覗いてみる。

もう一つの奥側の方も覗いてみる。

では、今日のひとっぷろ目は「一番のヌル湯」から。

身体を洗ってソーっと湯船へ。

確かにヌルイ。って言うか「水風呂」に近い。寒くて我には無理ゲーだ(泣)。
早々に退散して隣の2番目のヌル湯へ。一応だれもいないことを確認して裸(タオルでちゃんと拭いたよ)で移動。

こっちは普通にちょっとヌルイかなって感じ。我はどちらかといえば、やや熱めの湯が好み。10分くらい浸かっていたけど、やっぱ物足りない。
ならば大浴場に期待だ(笑)。そそくさと浴衣を羽織って、今度は大移動だ 。ロビーから廊下に出て目に入った電灯盤。なんでもないんだけどついパシャリしてしまう。

この⇩ガラス戸を開けて、ここから大浴場へ続く廊下へを進む。


「ますや旅館」を紹介した記事

さっき同じ構図を撮ったけどね(笑)
到着。男湯の暖簾をくぐる。



窓越しに露天風呂も見える
内風呂はナイスな湯加減
やっぱりちょっと熱めって言うのがイイ
湯口にカップがあったので一口飲んでみた。玉子(硫黄)の風味。胃腸に効果あるかも(期待)。
ポカポカになったところで露天風呂に行ってみる。

露天は雰囲気がいいけど日も陰っていて、ちょっと寒い。お湯も内湯よりヌルい。やっぱ内風呂だ。独泉だからステップのところで寝そべってプカプカできるしね。

内風呂でしばらく寝湯を堪能。独泉満喫! イイお湯でした‼
部屋に戻り、ポカポカの勢いで、駐車場側の広縁の窓を開けてみる。見下ろすと一応3階だから高い。ちょっと(コワゴワ)身を乗り出して斜向かいの蔵をパシャリ。


ほぼ同じ写真を2枚(笑)

遠くに浅間の山並みが霞んで見える

部屋に視線を戻す。柱の鋲(釘隠し)が目に入る。概ねこの意匠で統一されているようだ。



一応ズームでも撮っておく
部屋に置かれていた綴りをめくってみる。


時刻は18時15分。そろそろかなと思っていたところ部屋の電話が鳴る。夕食の連絡だ。その前にトイレを済ましておこう。

ウォシュレットだからアリガタイ(嬉)
手前にある洗面台は撮り忘れた(笑)
食事会場は新館の階段の手前のこの暖簾⇩を入った部屋。


スタート時のセットはこんな感じ
お品書きはなく、女将さんが一品一品説明
その時は分かったつもりが
お酒を飲んだらうろ覚え 恐縮

これはラベル付きだから銘柄は正しい
まずは地酒「和田龍」の飲み比べ



これは小さいから食べやすいですよとのこと。
なるほど、「プチュッ」とかの食感はなく
普通に食べれた(笑)。



これだけでごはんイケる
どなたかがSNSの記事で、ますや旅館の料理のことを「田舎料理だと思って侮るなかれ」といった趣旨で書かれていたのを思いだした。
確かにいずれの皿も凝っていて頷ける逸品。ちなみにご主人が料理人らしい。

実はアユの塩焼きも出してくれたけど、お腹いっぱいで明日の朝食に持ち越し。デザートもしばしペンディング。女将さんが後から部屋に運んでくれるそう。恐縮です。
いつになく食べきれなかった原因は明らかに昼が遅かったせいだ。特に天ぷらが効いた(笑)。
まぁ、「未必の故意⁉」みたいなもんだからシャアナイ。こうなることは予想していた。でも、美味しかった。
「ごちそうさまでした」
時刻は19時半。腹ごなしを兼て夜の館内探索と屋外で夕景撮影会だーッ!
まずは廊下の窓から夜景を撮りたい。ってことで、食事の部屋を出て、大浴場の方へ。

この階段手前の右側のガラス戸を開けて
大浴場への渡り廊下を進んでいく。




廊下から新館・本館側の夜景
これが見たかった(嬉)

どうしても東館に枝が掛ってしまう

少し戻ってパシャリ
ここは枝は掛からないけど
今度は本館に新館が被ってしまう
廊下からだと3棟を並べて撮るのは難しいようだ。ならば屋外から撮影だ。

「守る会」の提灯がイイ感じ




写真右手前の通路に入って裏に行ってみる

右が東館

新館・本館側をパシャリ


左の建屋の上にチラリと
見える明かりが「藤村の間」
これが限界っぽい シャアナイ

さっきも書いたけど、ここ(低いところ)から見ると1階の渡り廊下が2階の高さに見える。敷地に高低差があるから階数がよくわからん状態だ。


宿の前の坂を共同浴場「有乳湯(うちゆ)」の手前まで少し歩いてみる。


西館の裏側へ回ってみる
写真が大分ブレてしまった(笑)


この宿の門もイイ感じだ






夜の部屋回りもちょっとパシャリ
本間から見た次の間

右側に次の間がチラリ



こっちの東館は3階で向こうの本館は2階
ここでも高低差がよくわかる

広縁から見える月がイイ感じ

そう言えば、藤村は「千曲川のスケッチ」のなかで「・・・こういう場所の月夜の感じを味わった。高い手すりにもたれかかって、、、」と記している。(「その1」の付録参照)
彼が泊ったのは夏だからね。湯治客も多かったみたいだ。今は4月になったばかり。まだ寒いし、外は話し声などなく、とっても静か。
それに、この手すりにもたれかかったら、手すりもろとも落下なんてことになりかねない。ということで我は窓越しに雰囲気だけ味わった(笑)。

これ⇧は女将さんが持って来てくれたデザート。散歩したので少しお腹に空きができた。
広縁で月を見ながらと洒落込みたいところだけど、寒かったので炬燵に入って美味しくいただいた。
時刻は21時 まだ早いけど
「おやすみなさい」
翌朝は気分よく朝日で目覚め

時刻は6時 ちょっと寒いけど
今日も天気がよさそうだ


大分明るくなってきた



ちなみに、就寝中はガスファンヒーターと炬燵はオフにしてくださいと言われていたので、暖房はエアコンのみにしていた。
でも、この⇩布団(特に掛布団)がフカフカ毛布、その上に重厚な綿布団、さらに薄手の綿布団という絶妙の3段構成で、朝まで寒さ知らずのグッスリだった。
朝食の時に女将さんにそのことを伝えたら、「そうでしょ。わかってもらえて嬉しい」って、笑顔でとっても喜んでいた。



淹れたてコーヒーを一杯 シアワセ
身体も暖まってきた。
散策欲求がウズウズ。
ならば朝のお散歩だーッ!
その3につづく
※画像の引用は本文に記載の通り
その他の画像は滞在時に撮影
