【じーじは見た!】前編:太陽光発電事業等の環境影響評価に関する検討会(第4回)参考資料集を見てみた!
Z世代応援団、未来世代応援のじーじです。
さて、今回は、太陽光発電事業等の環境影響評価に関する検討会がテーマです。
この検討会の資料を見ていると、鴨川メガソーラーの自然破壊は、起こるべくして起こった問題だなと思いました。
再エネ待望論の中で、再エネだから自然に優しいエネルギーであるかのような決めつけの愚かさを鴨川のメガソーラー問題が示してくれました。
自然災害リスク等の懸念が顕在化し、多くのメディアで大規模メガソーラーに対して厳しい目が向けられるきっかけとなり、政治を動かしました。
この鴨川の森林破壊の報道直後の令和7年12月23日、木原内閣官房長官が、総理大臣官邸で大規模太陽光発電事業に関する関係閣僚会議を開催したことを公表したことが契機となり、その後の「太陽光発電事業等の環境影響評価に関する検討会」に繋がりました。
今回は、その第4回会議で示された参考資料集を一緒に見ていきましょう。

1️⃣ 経緯
太陽光発電は、導入が急速に拡大した一方、様々な懸念が発生。地域との共生が図られた望ましい事業は促進する一方で、不適切な事業に対しては厳 格に対応する必要がある。関係省庁連携の下、速やかに施策の実行を進める。
「大規模太陽光発電事業(メガソーラー)に関する対策パッケージ(案)」より引用
完全に鴨川メガソーラーや釧路湿原でのメガソーラー問題が引き金になっていますよね。

ご覧のとおり、環境影響評価法(国のアセス法)では、太陽光発電事業の第一種(4万kW以上)、第二種(3~4万kW)については、環境アセスが義務付けられてきました。(第二種は事前判定結果に応じてアセス義務)

対象事業の一部を抜粋
ちなみに環境影響評価法に太陽光発電事業と風力発電事業が「発電所」のカテゴリに加えられたのは2012年のことでした。
2011年3月11日の東日本大震災による福島第1原発事故を受けて、2012年7月施行の再エネ特措法(FIT制度)開始に合わせて2012年4月に環境影響評価法の「発電所」カテゴリに太陽光発電事業と風力発電事業が追加されたのです。
では、何が問題で鴨川メガソーラーのような問題が起こったのでしょうか?
2️⃣ 日本の行政共通の課題感
どういうことかというと、国のアセス法があっても実施するのは地方自治体の現場なのです。国はアセス法に太陽光発電事業を加えればお終い、後は地方に「やっとけー」と丸投げといういつもの課題があったわけです。
もうみなさんならお分かりのように、鴨川のメガソーラー事業は、千葉県が太陽光発電を条例アセスの対象に追加する “2019年改正よりも前” に、すでに認可・計画段階に入っていたのです。
国のアセス法であっても、実務では自治体条例や森林法によって審査が行われるため、国のアセス対象外であっても自治体によっては小規模であっても森林伐採計画を“完全な無審査” とはしていないケースもあります。
知事の問題意識の高さによっては、早くから太陽光発電事業や風力発電事業による環境破壊を気にしていた自治体もありました。
例えば、長野県。長野では国よりも8年早く、2004年頃から風力発電を条例アセスの対象に追加していました。※田中康夫元知事、いいことやってたじゃん!
北海道では、風車の乱立が問題化したため、国より早く2000年代半ばから風力を条例アセスの対象にしていました。
静岡県は、大規模メガソーラーの森林伐採問題を背景に2014年に太陽光発電を条例アセスの対象に追加しました。
兵庫県でも2015年に太陽光発電を条例アセス対象に追加しました。
鴨川メガソーラーは、2013〜2014年頃に事業計画が公表され具体化が始まると、2015~2016年頃には、地元での反対運動が本格化しています。
森林伐採による土砂災害リスクや景観破壊問題が表面化したもので、住民説明会は紛糾したそうです。しかし、それだけ住民が騒いでも法的には事業者にアセス義務はなく、千葉県が太陽光を条例アセス対象に追加したのは、2019年と環境問題に熱心だった上記の道・県に比べると遅れてしまいました。
そのため、鴨川メガソーラーは、既に手続きが進んでいた案件の「経過措置」として自治体の条例アセスの※適用除外としてプロジェクトが進みました。
今回、千葉県は60回もの行政指導を行っていたものの、森林法違反の行為がなければ強欲事業者の工事を止めることができなかったのです。
※行政法では、制度改正を“遡って適用”することが原則できないからです。
まさしく、国が司令塔機能を果たすどころか、法令決めて地方に「後はよろしく」の丸投げ行政の弊害が顕著に出た事例になってしまいました。
しかし、この検討会を経て出てくる結論は、第一種、第二種の基準を引き下げるというもになるのでしょうが、そんなことよりも地方分権のあり方の方が余程問題は根深いと私は思っています。
3️⃣ 地域紛争の状況
太陽光発電事業等の環境影響評価に関する検討会事務局が、2020年4月1日~2025年11月27日までの新聞報道を分析した ところ、環境紛争を生じている太陽光発電事業の出力及び敷地面積を公表情報から特定できた36事業について規模別に分析したグラフがありました。

このグラフを見る限り、敷地面積の規模によって紛争の有無を見てみると、相関はないように見えます。一方、出力別で見るとメガソーラーでは問題が多いのかなとの印象ですが、規模だけが要因ではないようにも見えます、つまり、基準の引き下げだけの問題ではないように思うのです。

そりゃあ、住民は土砂災害リスクが高まる森林の乱開発を問題視しますよ。当事者になれば当然、森林を破壊した太陽光パネルの敷設には反対します。

そのことは、紛争事例において「森林」を利用する事業が21件と半数以上を占めたことからも明らかです。土砂災害リスクを増大させる森林伐採を伴う太陽光発電事業を問題視していることが分ります。
森林:事業区域の75%程度以上が森林でおおわれている土地
森林・農地混在:森林と農地等が混在し、どちらかが75%程度以上になることのない土地
農地:事業区域の75%程度以上が農地等(水田、畑地、緑の多い住宅地など)である土地
湿地・荒地:事業区域の半分以上が湿地、草地、荒地
ゴルフ場跡地:事業区域がゴルフ場跡である土地
その他事業地:他の用途などに用いられていた土地
こういった現状を踏まえて、検討会はどのように規制を強化していく結論をだしていったのか、大体想像はついているのですが、後編で確認していきましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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