「不登校・ひきこもりに“なる”」ということ(後編)
ふたつの心理過程と共通点
ところで「いや、本人は学校が嫌で/学校で嫌なことがあって不登校になるのだから “不登校は本人の選択” と言っていいのでは?」という疑問を持たれる方もいらっしゃると思います。
そこで、不登校状態になる心理過程をふたパターンお示しします(おとなひきこもり状態の場合も同様です)。
今のお話のように、学校が合わなかったりいじめられていたり、生徒や教員との関係で苦しんだりして、通学することに恐怖感や嫌悪感を抱くようになった子の場合「行きたくないけど行かなければ」と考えて休まないようがんばろうとし、ますます疲弊していきます。
確かに、不登校が増えるにつれてこのパターンが多数派になっている印象があります。
他方、私の場合もそうでしたが、学校生活にとりたてて不満があるわけではなくても、学業不振や何らかの無理の積み重ねなどが限界を超えた結果、自己像を作り替えたり価値観を変えたりしないと生きていけなくなる子もいます。そういう子の場合、がんばって行こうとしても行けなくなり「行きたいのに行けない」と考えて疲弊していきます。
かつてはこのようなパターンが多かったように記憶しています。
不登校状態にはこのふたとおりの違う心理過程があると考えられます。
ただ、このふたつには決定的な共通点があります。それは、本人が意識レベルで持っている「常識」「規範意識」です。「子どもは通学するのが当たり前」「通学していないのは普通じゃない」という、現代では誰もが固く信じている価値観ですね。
ところが、前述のような違和感や不安がわいてきて、無意識レベルで「このままでは潰れる」といった予知が働き、意識レベルの価値観にブレーキがかかる。それなのに、前述のとおりどちらのタイプの子も常識や規範意識に従って通学し続けようとするわけです。
以上の点は、おとなのひきこもりでも同様で「おとなは社会に出ているのが当たり前」「無職は普通じゃない」という、現代では誰もが固く信じている価値観によって、不登校と同じような心理過程をたどるのだと考えられます。
私が昔から「不登校/ひきこもり状態のきっかけは無意識からの指令」と言っている(今月のひきこもり相談会への参加者特典で差し上げたカードにも書いた)のは、このような心理過程が共通していると認識しているからです。
初出:
『「不登校・ひきこもりに “なる” 」ということ』<メールマガジン『ごかいの部屋~不登校・ひきこもりから社会へ~』第286号(2024年6月23日)
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※最近も違う動機で同じようなことをメルマガに書いていましたが、そのベースとなっているのがこの文章です。不登校/おとなひきこもり状態の本人を理解する参考になれば幸いです。
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