㉓母親の認知症(母娘の確執)
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よかったね。お母さん。
心から、そう思う。
穏やかな顔を見て安心したし、記憶が抜け落ちていく中で、1人で不安で、怖くて寂しかったんだろうなとも理解できた。
姉も妹もその家族もホントに大変だったろう…
みんなのためにも、母が落ち着いて良かった。本当に、そう思う。
……だけど。
母には、もともと理不尽なことを言われてきたけれど、父が亡くなってからは余計に酷くなった。
「ここはお前の家じゃない」
「住まわせてやってる」
「住まわせてもらってるんだから、お前は私に土下座したっていいくらいだ」
「顔を見るだけで腹が立つ」
「私に逆らうな、なんでも「はい」って言え!口答えするな!」
「あいつにやらせればいい」
突然「うちにはもうお金ないからな!わかったか!」と怒鳴り散らされたこともあった。後になってみれば、自分が何か高い買い物をした後は不安になり、度々その焦りを私にぶつけていただけだったと分かった。
そして認知症になってからは、そこに「泥棒」という罵声まで加わるようになった。
母が穏やかになったからといって、今までのことが無かったことになるのか?
あの頃の私は、罵られ続ける、情けない自分の事が、大嫌いだった。
「自分の血は絶対に残さない」と頑なに思っていた。
涙が出てきても、「自分なんかが泣くと気持ち悪い」と思うと、すぐに涙が止まった。
けど、父が亡くなった時は、泣けた。
父が亡くなると困る人がいる。だから父ではなく、役にも立たない自分が生きてることが申し訳なくてたまらなかった。
母はすべてを忘れて、穏やかな世界へ行った。
恨んでいるわけではない。
けど、わからない…
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㉔母親の認知症(最も身近な人を壊す「物取られ妄想」)
