つれていって、と言われるうちが花
うちの子どもたちの休みの朝が、とにかく早い…。
平日はあれだけ起こしても起きないのに、
休みの日だけは
なんで目覚まし時計より正確なんだ(笑)
僕は習慣で、まだ外が薄暗いうちから起きている。
だから早起き自体は、そこまで気にならない。
問題は、そのあと。
子どもたちは朝ごはんを食べ、
着替えも済ませ、
朝のうちにYouTubeまでひと通り見終わる。
スタートが早すぎるから、すぐ暇になるらしい。
そして、こちらを見ながら聞いてくる。
「父ちゃん、今日どこ行く?」
いやいや、ちょっと待ってほしい。
君たちは休日かもしれないが、
お父さんの朝にはまだ予定がある。
副業を進めて、掃除をして、洗濯もする。
できれば、そのあとコーヒーでも飲みながら
一息つきたいのが本音。
40代半ばの体は、
そんなに簡単に次の予定へ切り替えられないんよ。
昔は少しくらい寝なくても平気だった。
遊びに行った翌日でも、普通に動けた。
でも...今は違う。
一度ソファに座ると、
立ち上がるまでに小さな決意が必要になる。
そんな僕の事情など、
子どもたちには関係ない。
小学校二年生と年長。
この二人が、まあ元気なこと。
公園へ行けば走り回り、
自転車に乗ればどこまでも進み、
家に帰ってもなぜかまだ動いている。
言うたら、体力おばけである。
僕は公園のベンチに座りたい。
子どもたちは鬼ごっこをしたい。
僕は休憩したい。
子どもたちは「次、父ちゃんが鬼ね!」と言う。
その笑顔を見ると断れない。
走り出してはみるものの、数分後には息が上がる。
鬼なのに、誰にも追いつけない。
ただのおじさんが、
公園を一人で走っている状態になる。
「父ちゃん、遅っ!」
笑いながら逃げていく二人。
くやしい。
でも、足が動かない。
このままだと、
近いうちに本当についていけなくなるかもしれない。
それがちょっと怖くて、僕は朝ランもしている。
健康のため?
体力づくりのため?
いろいろ理由はあるけれど、
本音を言えば、
もう少しだけ子どもたちと一緒に
遊べる父ちゃんでいたいのだと思う。
そんな子どもたちは、家の中でも容赦がない。
僕が床に寝転がれば、すぐに背中へ乗ってくる。
一人が乗ると、もう一人も乗る。
「うっ……重い」
苦しそうな声を出しても、降りる気配はない。
むしろ楽しそうだ。
昔は小さくて軽かったはずなのに、
今では二人合わせると、なかなかの重量になる。
僕の背中は遊具ではない。
そう言いたいけれど、
背中の上で笑っている声を聞くと、
まあいいかと思ってしまう。
最近は二人とも、少しずつ生意気になってきた。
僕が何か言えば言い返してくるし、
注意をすれば「分かってる」と返ってくる。
いや、分かっている人は、
たぶん同じことを三回も注意されない。
長男は少しずつ自分の世界を持ち始め、
次男も負けないように口が達者になってきた。
腹が立つこともある。
「誰に似たんだ」と思うこともある。
たぶん僕なのだが(笑)
そこは一度置いておく。
生意気なのに、まだ背中には乗ってくる。
一人でできると言った直後に、
「父ちゃん、やって」
と頼んでくる。
その矛盾が、なんだか愛しいんよね。
休日くらい、ゆっくりしたい。
自分の時間もほしいし、副業も進めたい。
何も考えず、ソファで昼寝をしてみたい。
そう思う日は何度もある。
それでも、
「父ちゃんも一緒に行こう」
と言われると、結局は重い腰を上げてしまう。
出かければ出かけたで、
帰る頃には僕が一番疲れている。
「休みなのに、全然休めなかった...」
そんなことを思いながら車を運転していると、
後ろの席から寝息が聞こえてくる。
さっきまであんなに騒いでいた二人が、
気持ちよさそうに眠っている。
バックミラー越しにその顔を見ると、
自然とほほ笑む僕がいた。
考えてみれば、
「父ちゃんも一緒に」
と言ってもらえるのは、いつまでだろう。
そのうち友達との予定が増えて、父ちゃんが誘っても、
「今日はいいや」
と言われる日が来る。
背中に乗られなくなり、
生意気な口もきいてもらえなくなる。
今は一人になりたいと思うのに、
本当に一人にされたら、きっと寂しい。
親というのは、ずいぶん勝手な生き物だ。
だから最近は、こう思う。
「つれていって」と言われるうちが花。
疲れていても、予定が崩れても、
今しかできない寄り道なのかもしれない。
まあ、それでも次の休みくらいは、
少しゆっくりしたいなって。
そう思っている僕の背中に、今日も二人が乗ってくる。
「父ちゃん、次の休みはどこ行く?」
僕はつぶされそうになりながら答える。
「とりあえず……降りてから考えようか」
今回は「#エッセイしりとり」という企画で、
いつもとは少し違う感じで書いてみました。
こういう書き方をすると、
普段は言葉にしない本音が意外とスラスラと出てくるんで
書いていて、とても楽しかったです😊
太田貴之さんから「つ」のバトンを引き継ぎました。
ありがとうございました!
主催はマイキーさんという方の、面白いコンテストです!
もう少しで企画の期間も終わってしまいますが、
せっかくなので、
次は「な」から始まる記事を書いていただけたらうれしいです。
いつも刺激を受けているクリエーターの、ひなたさんです!
お時間の許す範囲で、
もしよかったらよろしくお願いします😊
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