「名探偵ポアロ ベネチアの亡霊」を観たかめちゃん 〜アンフェアな"How?"はミステリーたり得るか〜【感想】
どうも、かめちゃんと申します🐢
例の如く、オタク的趣味とは違う系統のnoteです。3日連続ですね〜
今回はケネス・ブラナー版の名探偵ポアロシリーズ3作目にあたる「名探偵ポアロ ベネチアの亡霊」をAmazonプライムで観てみました。
▼シリーズ1作目▼
▼シリーズ2作目▼
とりあえず現状はシリーズ最新作。
ちょっくら書いてみます。
ベネチアの亡霊とは?
https://www.20thcenturystudios.jp/movies/poirot-movie3
本作は1969年に発表されたアガサ・クリスティーの「ハロウィン・パーティ」という作品が元となっています。
3作目にして選ばれた原作はこれまでとは違ってマイナーという評価らしい。確かにこれまでの2作は元がクリスティーの中でも名作と名高いですもんね、対して本作は僕のようなにわかでは名前すら知りませんでした。
本作と原作のタイトルからもわかりますが、
イタリアのベネチアを舞台に、ハロウィンの夜の事件という設定。ちなみに原作はベネチアではないらしい。
ベネチアの古い館で行われるハロウィン・パーティ。その館にはかつての流行病に苛まれ、取り残された子どもの霊がいるとされていました。子どもたちは自分たちを取り残した医者や看護師を祟るとも。
この館に住むロウィーナは、娘のアリシアをこの"祟り"によって失い、その声を再び聞きたいと降霊術を行うレイノルズ夫人に依頼をします。
ハロウィン・パーティの夜、館では降霊式が行われます。
旧友の推理作家オリヴァに誘われた引退済みのエルキュール・ポアロは、非科学的な降霊術に挑み、そのタネを暴こうとします。
しかし、その夜。ポアロは何者かに襲われて死にかけることとなります。そして、彼が朦朧とする中、事件が起きてしまう...というものでした。
本作の特徴は、ポアロが「怪奇」とどう向き合うのかという点であり、
ミステリ作品でありながらホラー要素が強調されているという点です。
降霊術、過去のアリシアを含む事件。
そして襲われたポアロ自身が体験することとなる霊的現象。
夜の洋館の中というクローズド・サークルの中で、彼はそれらをどのように解決するのかが見どころです。
観てどうだったか
ホラー要素、というふうに紹介しましたが
個人的にはホラー>ミステリという配分かなと思うくらい、ホラーの方が強調して描かれているように感じました。
夜の館ということもあって終始画面が暗かったり、音で驚かすジャンプスケアの演出が多かったりなど...ただ、ホラー全振りかというとそうでもない、というか。
対するミステリについては、霊の仕業の可能性をどのように実証的に暴いていくかということになります。
つまり、「How done it?」(どのように殺したのか)に着目させるような設定です。
が、結論からいうとこの点は個人的に釈然としていないところがあります。
それは視聴者に対しての情報の提示がアンフェアだからです。
この傾向はブラナー版ポアロシリーズに共通していますが、これまでを許容できたのは"Who?"や"Why?"に重きを置いていたから。
"How?"を強調するような本作において、そのアンフェアさは謎解きの爽快感を損なっているように感じるのです。
あと、ポアロが傲慢で迂闊です。
これは過去作のネタバレですが、彼はこれまでの作品の中の事件において完全な勝利を果たしていない気がします。
例えばですが、私たちに馴染みの深い名探偵コナンでは、とある事件でコナンは真犯人にたどり着くものの、その人物を死なせてしまいます。それは彼にとってセンセーショナルな出来事であり、彼のその後の事件への向き合い方に影響を与えていました。
ポアロも過去2作、特に前作「ナイル殺人事件」において苦い体験をしているはず。
にも関わらず、彼は本作において同じような過ちを犯すのです。学習しないのか、こいつ。
...と思ったものの、よくよく考えたら
ポアロは戦地での経験を持つ人間で、殺人事件の解決も秩序と方法に基づく正義の執行という側面なので、倫理で動く人間ではないんですよね。
そう考えると、彼の動きの一部は理解できるように思えます。全ての人間に疑いを向けて脅迫的にカマをかけるスタイルは、あくまで彼の正義の一貫なので、そこに倫理はないんですよね。
...と、作品の中での人間の動きは分からんでもない状況まで落とし込めました。
とはいえそれを魅せるミステリ作品としては納得ができないというのが僕の感想です。
ポアロをどう怪奇に怯えさせ、それを魅せるということに終始していたのが好きになれなかったという感じです。
せめてその怪奇についても納得できる説明があれば良かったものの、結局その部分も伏線はあったのですが雑な感じがあったように思えてしまって。
これまでの2作品ほど視聴者に訴えるテーマがないように感じたという話でした。
とはいえ、本作に流れる不気味さとポアロの困惑は見せたかった部分なのだろうなという意味でわからんでもなかったですね。最後のシーンに残る変な後味は、本作独自の読後感みたいなものだったように思います。
また、"why?"を考えた時の本作の動機は、人間の心の一面を捉えると言う点では、示し方はともかく納得できる部分でした。
不満みたいなことを書き連ねていきましたが、好みに合わなかったという感じです。
さいごに
調べてみると、原作とは言うものの「ハロウィン・パーティ」からはかなり大きな改変が加わっているようです。
原作とてマイナーだという評価なので、名作と名高い過去2作に比べて見劣りもするかな...とは思いますが、ホラーが好きなら好みという可能性もあります。
前作2作と本作とでは毛色が違うので、期待してたどり着いたら拍子抜けてしまう懸念はありますが。
何はともあれ、名作や好みの作品ばかりに出会えるわけではないので
その道の中の一つだったと思っておきます。
次は何を見ようか...Amazonプライムって思いの外、見たいのがなかったんですが
それはそれとしても他のサブスク入ってないからなぁ...おすすめがあったら教えてください〜
それでは、また次のnoteで。
ほんじゃ!
