「アルプススタンドのはしの方」を観たかめちゃん 〜"端っこ"にいるすべての人を肯定する物語〜 【感想】
どうも、かめちゃんと申します🐢
三連休最終日。
皆様はいかがお過ごしだったでしょうか。
私は大掃除...まではいかないけれど
某ストアから毎週のように送られてくるダンボールをまとめたり、1200円くらいでラックを買って模様替えしたりしました。
そうこうしていると時刻は21時を回り、身体もバキバキ。せっかくの三連休。もう少し娯楽に費やしたい...と思うのですが、明日は仕事だしなぁと考えていたところ。
本日は「アルプススタンドのはしの方」という邦画を観ることにしました。
▼過去の感想noteはこちら▼
本作を観た理由は3つ。
1つはおすすめされたから。「映画大好きポンポさん」や「コーダあいのうた」をお勧めしてくれたFFさんからだったので、間違い無いだろうという安心感がありました。
2つ目はAmazonプライムの見放題期間が残りわずかだから。こういうのって後から見たくても見放題じゃなかったらなかなか手が伸びないですからねぇ。
3つ目は1時間30分以内に終わる映画だったから。やはり翌日に仕事があったので、そうした夜にはうってつけというわけでした。
ということで、映画を観ていきます。
よろしくお願いします🙇
概要
本作は2020年公開の邦画です。
タイトルからわかるかもですが、野球が扱われている作品です。
舞台は高校野球 夏の甲子園大会の1回戦。
地方の公立高校に在学する演劇部の安田と田宮は、高校総出で応援しているアルプススタンドの端で試合を眺めていました。
野球に全く明るく無い2人は、犠牲フライのことなんか全然わからないくらいだし
そもそも応援に関しても熱が入らない。
そんなアルプススタンドの端には、元野球部の投手であった藤野や、成績優秀だが社交的とは言えない宮下の姿も。
アルプススタンドの端。
部長の久住率いる吹奏楽部や、熱血教師の厚木が応援に熱を入れるのとは反対に、
安田たちは冷めた様子で今一つのめり込めないでいました。
試合展開が進むにつれ、地方の公立校である安田たちの東入間高校は、圧倒的スターを要する相手校にリードを広げられていきます。
「しょうがない」と言って、厚木に応援を求められても、"どうせ"と諦めている安田。
アルプススタンドの人々の想いが交錯しながら、先の読めない試合展開と共に端にいた4人の心はどう動いていくのか...というお話です。
感想
この映画は、グラウンドでスポットライトを浴びる「主役」たちではなく、タイトルの通り「端っこ」にいる、何者でもない人々の物語です。
そんな主役にも端っこにも、等しく流れる時間の中で、「青春」とは何なのかを考えさせてくれているように感じます。
青春
《五行説で青は春の色であるところから》
1 夢や希望に満ち活力のみなぎる若い時代を、人生の春にたとえたもの。青年時代。「青春を謳歌おうかする」「青春時代」
一応、辞書を引いてみます。
青春を説明するために、夢や希望、そして若さがキーワードのように挙がっていますね。
その意味では、本作の登場人物たちはまさしく若さ溢れる時代の中にいるわけです。
でも、夢や希望に蓋をしてしまっているんですよね。だから、この辞書に倣うと、本作開始時点の4人は「青春」ではない、あるいは謳歌できていないということになろうかと思います。
高校生という時期は、万能感にあふれていた幼少期から、少しずつ頑張っても報われない経験を重ねてしまう時期でもあります。
受験などの学業や、部活、友人や恋愛関係。周りが眩しく見えて、一方で自分がちっぽけに見えることもあろう時期ですね。
ましてや、高校3年生。
まさしく人生の岐路に立つ彼ら彼女らには、失敗を恐れてリスクを回避するような、現実的でドライな思考も芽生えてきます。
だから、せめて「しょうがない」という言葉で自分を守るんですよね。ただでさえ多感な時期、そうやって防衛しないと保っていけないから。
でも。
そうやって、熱くなっている人をどこか冷めた目で見てしまう一方で、実は心のどこかで何かに熱中したいと願う自分もいる。
そういうアンビバレントな心模様の中で、揺れ動く葛藤もまた「青春」なのかもしれません。
本作は高校野球を扱う作品ではありますが、グラウンドは一切描写されません。
具体的な場面は描かれないけれど、試合展開やそこに出場する選手(園田や矢野)が"端の方"にいる人々の心とリンクしていくというのが特徴的です。
厚木先生曰く、人生は空振り三振の連続だし、送りバントらしい。
その意味自体は安田たちにしっくり刺さっていなかったけれど、本作は"野球"をメタファーとして自分にとっての「青春」を再定義する側面があるのではないかなと思います。
直近で、アイデンティティとメタファーに関する話を書いたからそう思うのかもしれません。
まぁ、正直メタファーの対象物が野球だったのはたまたまであって、
結局熱中できること、没頭できることに触れること。そこに本気で夢や希望をかけようと思えることが大切だったのだろうなと感じました。
その意味では、最近青春に触れた瞬間があったことを思い出しました。
僕が好きなコンテンツの運動会イベント。そこにかける声優さんたちの"本気"を浴びたことで、自然と身体が動いて、声を出して応援したこと。
声優さんたちの中には、今こそが青春であるたいう旨の発言をされておられる方がいらっしゃいました。
そうか、青春って何度でもあって良いんだって、改めて感じたのですよね。
それでは、僕にとっての「青春」はいつだったのか。1つ明確に思い返されるのは本作と同じ高校時代でした。
僕は三年間、部活にずっと入っていたわけではなかったのですが、生徒会役員や弁論という活動を頑張ってきた自負があります。
そういえば弁論も、演劇と同じで全国大会は翌年だったっけ。文化部の大会あるあるなんかな。部活じゃ無いからその辺はわからんけど。
せっかく弁論の話をしたので。
弁論って、いわゆるスピーチ大会なんですよ。自分の書いた文章をスピーチするんですけど、当然暗唱だし、時間制限があるのに自分では計れないから7分間という感覚を叩き込むんです。
大事なのは、何を伝えたいのか。
文章の内容や、時間の取り方、もちろん発声や表現力みたいなところも採点されるらしい。
僕がいた高校の地域は弁論が盛んで、僕の同級生には中学時代に全国大会に進んだ女の子がいました。
僕は、中学まで大阪にいたけれど、高校でその県に行ったので弁論は初体験でした。そんな中で、僕は親から言わせて"口から生まれた"と評されていたこともあってか、1年生の時、学校選抜をその子に次ぐ形で勝ち抜けることになりました。でも、地区大会でボロ負け。暗唱が弱すぎた...その子は県大会に出場し、好成績でした。
まぁその時点では僕の中で弁論はそこまで没頭するものではなかったのですが、
翌年も学校選抜を勝ち抜けたことで気合いを入れて練習。そしたら運良く地区大会で1位をとってその子に勝ったんですよ。...勝ってしまった、とも言える。
そう、この流れ。
圧倒的に強かった同級生と、持たない者だったから必死に取り組んだ結果1位になった私が、宮下と久住の関係みたいだなって(性別は違うけど)。
だからか、すんごい久住に感情移入するところもあって。
そうなんですよね、辛いんですよね、そこも。もうまさしく宮下みたいに無視もかまされたし、自分の努力なんて気づいてもらえない、奪いし者みたいな感覚に陥る。
まぁ、僕と弁論の話はこのくらいにして(また別の機会に)。
結局、僕は高校3年間を後から振り返った時にこの体験は辛かったところも多分にあったけれど、自分なりに必死にやって、それを応援してもらえて。だから10年以上経っても輝かしい「青春」だったなと思えています。
大学時代の方がお金や自由も上がった分、楽しかったし、好き勝手できたなと思うけれど、
全力で輝いていたのは間違いなく高校時代だったなと思えるのだから、その"没頭"や"葛藤"こそが「青春」なのだなと改めて感じました。
そして今。
僕は、改めて他者の青春に触れる中で、自分なりに頑張ろうと思えることに出会えて、それを成し遂げようとしています。
世界の中で、スポットライトも当たらないかもしれないちっぽけなことかもしれないし、もちろんその先もあるのだけれど、この日々もまた「青春」だったなと振り返られる日が来ると良いな、とそう感じられる映画だったように思いました。
さいごに
こういう映画を見ると、アツい気持ちが沸々と湧いてくるのを感じます。
決して、世界の中心にいるような人でなくても、その人たちにはその人たちなりの青春があって、それを肯定してくれる作品だったなと思います。
まぁ、阪神ファン的に"甲子園"と言いながら違う球場で撮っているところは気になったけど。笑
あとは少し説明的だし、短い中でまぁ心が動きすぎだし、そういう意味ではリアリティはないところも多分にあるけれど。
そんなことよりも本作の伝えたいメッセージや、勝手に感じ取っているテーマから考えられることもしっかりある、短い中で詰め込まれている映画でした。
さて、そろそろ日も変わります。
このnoteシリーズも18個目の投稿を完了するということで、今月中にあと2つ観れたら良いなぁ...(ギリギリか...??)
Amazonプライムで観れるオススメあったら教えてください!
それでは!
