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すれ違えない小さな書店|2分で読める読書日記

いったことのない本屋、というのはなにか楽しい響きがある。京都はしばらく住んでいたことがあり、大きな書店や当時住んでいた近所の書店はなんども行ったことがあるので、なんとなく「京都の本屋のことは、もうわかってるよ」みたいな気分になっていた。

ところが、一時帰国でホテルの近くにあった本屋にたまたま行ってみたらちょっと新鮮だったのだ。これは楽しい。まだ行ったことのない本屋に行ってみたい。

京都滞在3日目、夕方少し時間ができたのでGoogleマップで検索して近くに本屋がないか探してみる。あった。ほとんど五条まで下ったところにある、大喜書店。行ってみると、外観からしてこだわりのありそうな書店だった。

大喜書店の外観。雰囲気がとてもいい。

店内はかなり狭い。入ったらキャッシャーも棚も一目で確認できる。ぐるりと回っている本棚と中央の平台のあいだもそんなに広くなくて、二人がすれ違うことはできない広さ。先にいたお客さんと譲り合いながら本棚をじっくり確かめた。

平台には絵本が並んでいて、アートが好きな人に向けた選書なのだなという雰囲気。後から調べたところ、家業の本屋を建築事務所が引き継いで運営している書店で、「建築家のための本屋さん」がテーマらしい。なるほど。建築・デザイン系がたしかにたくさん並んでいた。

さて、建築・デザインの書店に来たわけだが、意外にフードエッセイなども置いてあって、気づけばカゴの中は食の本ばかりになっていた。

細川亜衣『食記帖』。見たことのない本だった。紫の表紙が美しくて手に取り、そのまま買った。まだ読めていないのだが、積読の一番上に鎮座している。紫が美しいので。

くどうれいん『わたしを空腹にしないほうがいい』。以前『湯気を食べる』を読んで、この人の他の本も読みたいと思っていたところに見つけたので、喜んで買った。装丁からして大手出版社じゃなさそうだなと思ったら案の定で、独立書店で小さな出版社の本を買うのもオツだなと思った。

唯一デザインらしい本だったのは、ブルーノ・ムナーリ『モノからモノが生まれる』。名前を聞いたことがあるなと思って手に取って、ぱらぱら読んだら面白そうだったので買った。

3冊中2冊が食の本。建築・デザインの書店に来て何をしているんだという感じだが、これが本屋の楽しさだと思う。目当てのジャンルじゃないところで、思ってもみなかった本に出会う。

食の本を抱えて店を出たら、夕方で、お腹が空いていた


2分で読める読書日記」は、これまで読んだ本や読みかけの本、読んでいる途中で気を取られたことについて書き散らすマガジンです。
では、また次回。

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