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第3回:介護施設のSNS「毎回ゼロから考えない」|投稿を続けるための「型」と仕組みづくり

SNSの目的を決めた。
誰に届けるかも整理した。
投稿テーマもいくつか決まった。

ここまでできれば、SNS運用はかなり進めやすくなります。

それでも実際に始めると、またやってくるのが、

「今週は何を投稿しよう?」

という悩みです。

介護施設では、SNS専任の担当者がいるとは限りません。

本来の業務をしながら、写真を集め、文章を考え、掲載してよいか確認し、投稿する。

だからSNSを続けるためには、ネタを増やすだけではなく、毎回考えなくても回る仕組みをつくることも大切です。

今回は、介護施設のSNS運用を「個人の頑張り」だけに頼らず続けるための、投稿の型と仕組みづくりについて考えてみます。


このシリーズでは、SNSを「選ぶ→設計する→回す」の順で考えています

「そもそもInstagram・Facebook・Xのどれから始める?」という方は、第1回からどうぞ。

第1回:介護施設のSNS「何から始める?」
Instagram・Facebook・Xを「目的」から考える

「媒体は決まったけれど、何を投稿するかで迷っている」という方は、第2回でアカウント設計について整理しています。

第2回:介護施設のSNS「何を投稿しよう」から始めない
目的・ターゲット・KPIから考えるアカウント設計

今回はその続きとして、決めた方針をどうすれば無理なく続けられるかを考えます。


「ネタがない」だけが、SNSが止まる理由ではない

SNS担当者が一つの投稿を出すまでには、意外とたくさんの判断があります。

「何を投稿する?」

「使える写真はある?」

「この写真は掲載して大丈夫?」

「文章はどうする?」

「誰に確認する?」

「いつ投稿する?」

一つひとつは小さなことでも、毎回ゼロから考えていると負担は積み重なります。

すると、

「投稿ネタがない」

ように感じていても、実際には、

考えることが多すぎて、投稿までたどり着けない

ということもあります。

だから、最初に考えたいのは「ネタをもっと増やそう」ではありません。

毎回判断しなくてよい部分を、どこまで先に決めておけるか。

ここが、運用を続けるための一つのポイントになります。


介護施設のSNSは、「投稿する人」だけでは完結しにくい

介護施設の日常をSNSで紹介しようと思ったとき、投稿担当者だけですべてが完結するとは限りません。

たとえば、

現場スタッフが写真を撮る。

SNS担当者が素材を集める。

必要に応じて、ご入居者さまやご利用者さま、職員の掲載可否を確認する。

文章を作る。

責任者が内容を確認する。

そして投稿する。

このように、ひとつの投稿にも複数の人が関わる場合があります。

そのため、SNS担当者の「投稿を作るスキル」だけを上げても、運用全体が楽になるとは限りません。

むしろ重要なのは、

どうすれば現場から自然に情報が集まり、迷わず投稿まで進められるか。

という流れそのものを考えることです。


まずは、投稿テーマを3〜5個くらいに絞る

毎回「何か投稿できるものはないかな」と探すのは大変です。

そこで、第2回で整理したSNSの目的をもとに、あらかじめ投稿テーマをいくつか決めておきます。

たとえば、ご家族や入居を検討している方に施設の日常を伝えることが中心なら、

  • 施設の日常

  • 食事

  • 行事

  • スタッフ

  • 施設の取り組み

といったテーマが考えられます。

大切なのは、投稿ネタを100個用意することではありません。

「このアカウントでは、基本的にこのテーマを発信する」

と決めることです。

そうすると、

「何か投稿できるものないかな?」

から、

「今週は“施設の日常”の投稿だから、使えそうな出来事はあるかな?」

に変わります。

考える範囲が絞られるだけでも、運用の負担は変わります。


「型」は、文章を全部同じにすることではない

投稿テーマを決めたら、次はテーマごとに「何を伝えるかの順番」を決めておきます。

たとえばスタッフ紹介なら、

どんな仕事をしている人か

仕事で大切にしていること

日々の仕事の様子

読者に知ってほしいこと

施設の日常なら、

今日は何をしていたか

どんな様子だったか

そこから見える施設の日常

施設として大切にしていること

といった形です。

ここでいう「型」は、文章を毎回コピペすることではありません。

決めておくのは、

何を、どんな順番で伝えるか。

くらいで十分です。

内容まで全部同じにしてしまうと、かえって施設らしさが見えにくくなります。

型をつくる目的は、投稿を均一にすることではなく、毎回迷う部分を減らすことです。


写真を集める前に、「撮る側」と「撮られる側」を考える

ここで、介護施設だからこそ考えておきたいことがあります。

SNSを続けるために、

「現場スタッフに写真を撮ってもらおう」

「共有フォルダに入れてもらおう」

という仕組みをつくることは大切です。

ただ、介護施設の写真はスタッフだけで完結するものではありません。

その先には、写真に写るご入居者さまやご利用者さまがいます。

だから、「SNSの素材を集める」ことだけを目的にしないほうが、現場では自然に続きやすいように思います。

たとえば、写真撮影に抵抗のない方に、

「今月も写真のモデルさん、募集しています(笑)」

と声をかけてみる。

もちろん、ご本人やご家族の意向、施設内の掲載ルールなどを確認したうえでの話です。

そして、撮った写真をSNSに載せて終わりにしない。

施設内にも飾ってみる。

後日、ご本人やスタッフ、ご家族と一緒に、

「このとき、いい表情でしたね」

「この日は楽しかったですね」

と写真を眺めながら話をする。

そうすると写真撮影が、単なる「SNSの素材づくり」ではなく、日々の出来事を振り返るコミュニケーションのきっかけにもなります。

大切なのは、

SNSのために現場を動かすのではなく、現場にある良い時間の中から、発信できるものを見つけること。

だと思います。


「素材が集まる型」は、現場の日常の中につくる

撮る人と撮られる人の双方が、写真撮影を特別な作業として構えすぎない状態ができると、発信する素材も少しずつ生まれやすくなります。

そのうえで、素材を集める仕組みを考えます。

たとえば、

月初
今月の投稿テーマを共有する

日常
スタッフが撮影した写真を決められた場所に保存する

行事後
担当者が写真を数枚共有する

週1回
SNS担当者が素材を確認する

投稿前
掲載可否や内容を確認する

といった流れです。

もっと簡単でも構いません。

「行事担当者は終了後に写真を3枚共有する」

「スタッフ紹介は採用担当から情報をもらう」

など、施設に合った形で十分です。

ポイントは、

SNS担当者が毎回「写真ありませんか?」と探し回らなくてもよい状態をつくること。

投稿を作る型だけではなく、投稿材料が自然に届く型まで考えておくと、運用はかなり変わります。


月間カレンダーには、「投稿日」より先にテーマを置く

次に、投稿テーマを月間カレンダーに割り振ります。

たとえば月8回投稿するなら、

1週目
施設の日常/スタッフ

2週目
行事/施設の取り組み

3週目
施設の日常/採用

4週目
スタッフ/施設の日常

というように、先に大まかな枠をつくります。

すると、

「9月8日に何を投稿しよう?」

ではなく、

「第2週は行事だから、使える素材を確認しよう」

と考えられます。

投稿内容を完全に固定する必要はありません。

予定外の出来事があれば変更してもいい。

カレンダーは縛るためではなく、毎回ゼロから考えなくて済むようにするための下書きくらいに考えると使いやすくなります。


「誰が、どこまでやるか」も決めておく

もう一つ、決めておきたいのが役割です。

たとえば、

写真を撮る
現場スタッフ

素材を集める
SNS担当者

文章を作る
SNS担当者

掲載可否を確認する
施設内で決めた担当者

最終確認をする
必要な投稿のみ責任者

というように整理します。

SNS担当者が全部を担当する必要はありません。

かといって、すべての投稿に複雑な承認フローをつくる必要もないでしょう。

大切なのは、

「この場合、誰に聞けばいいのか分からない」

を減らすことです。

ここが決まっているだけでも、投稿する直前になって止まることは少なくなります。


型をつくる目的は、投稿数を増やすことではない

SNSの仕組み化というと、

「効率化して、もっとたくさん投稿しよう」

という話に見えるかもしれません。

でも、介護施設ではSNSより優先すべき仕事が当然たくさんあります。

だから、

毎日投稿できる仕組み

を目指す必要はありません。

むしろ、

忙しい中でも、月4回、月8回を無理なく続けられる仕組み

のほうが現実的な場合もあります。

そしてもう一つ。

型をつくることで減らしたいのは、投稿に必要な「作業」だけではありません。

毎回、

「何を投稿しよう」

「写真はどこだろう」

「誰に確認すればいいだろう」

と迷う時間を減らす。

その分、この写真から何を伝えたいか、本当に施設らしい発信になっているかを考える時間を残す。

そこに、型をつくる意味があるのだと思います。


まず、一つだけ型にしてみる

最初から全部を仕組みにする必要はありません。

たとえば、

「毎月スタッフ紹介を1本出す」

と決めて、

写真1枚。

仕事内容。

仕事で大切にしていること。

最後に一言。

まずは、この一つだけ型にしてみる。

それで運用してみて、

「これなら続けられそう」

と思えたら、次のテーマも整えていけばいい。

SNS運用を続けるために、毎回新しいアイデアを出し続ける必要はありません。

投稿テーマ。
伝える順番。
素材の集め方。
確認する人。

決められるところは、あらかじめ決めておく。

そして介護施設では、もう一つ。

写真や発信の先には、ご入居者さまやご利用者さまの日常がある。

そこを忘れずに、SNSを現場に「追加する」のではなく、日々のコミュニケーションの中から自然に発信が生まれる状態をつくる。

そんな仕組みなら、担当者だけが頑張り続けなくても、少しずつ続けやすくなるのではないでしょうか。


介護施設のSNSを、最初から整理したい方へ

このシリーズでは、介護施設のSNS運用を順番に考えてきました。

第1回|選ぶ
介護施設のSNS、何から始める?
Instagram・Facebook・Xを「目的」から考える

第2回|設計する
介護施設のSNSは、「何を投稿しよう」から始めない
目的・ターゲット・KPIから考えるアカウント設計

第3回|回す
この記事

第4回|つくる
介護施設の写真は「うまく撮る」より、「何を伝えるか」で変わる

第5回| 振り返る
介護施設のSNS「フォロワーが増えたか」だけで判断しない
数字と現場の反応から、発信を振り返る

選ぶ → 設計する → 回す → つくる → 振り返る。

全部を一度に整える必要はありません。

今のSNS運用で気になっているところから、必要な記事を参考にしてもらえればと思います。

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