#2 資産をどう持つべきか?まずは現金と株式
前回の記事:
今回の問い
現金は額面が変わらなくても、その価値(購買力)は変動しており、資産を日本円だけで持つこともリスクであると言える。
では、現金以外にどのような種類の資産を持てばよいのか。
今回の結論
初心者が最初に考える資産は、いったん現金と株式の二つで十分
当面使うお金と生活防衛資金は、現金で持つ
長期間使う予定のないお金は、幅広い企業に分散された株式で運用する
ただし、現金と株式の割合に一律の正解はない。年齢だけでなく、そのお金をいつ使うか、収入の安定性、家族構成、どの程度の値下がりに耐えられるかによって、取れるリスクは変わる
その他の代表的な資産である、債券、不動産、金などは、値動きを抑えたりするために、必要に応じて後から検討すればよい
理由は以下。
株式は、企業が生み出した利益を再投資し、事業を拡大していく成果を取り込める「成長資産」である
個々の企業は衰退することもあるが、株式市場全体では企業の新陳代謝が続き、経済活動と企業利益の成長を広く取り込むことを狙える
ここからは、それぞれの役割を見ていく。
現金|生活と近い将来を守る
現金や銀行預金の特徴は、以下の通り。
額面が安定している
必要なときにすぐ使える
短期間で大きく値下がりすることは通常ない
銀行預金であれば、商品に応じた利息を受け取れる
一方、前回説明したように、インフレになると現金の購買力は下がる。
逆に、物価が下がるデフレでは購買力が上がる。
現金は、大きく増やすためではなく、生活を守り、予定している支出に備えるための資産である。
当面使うお金、急な出費に備える生活防衛資金、数年以内に使う予定のあるお金は、現金で持つ。<注1>
十分な現金があれば、株式市場が大きく下落したときにも、生活費のために株式を慌てて売らずに済む。<注2>
株式|企業の利益と成長を取り込む
株式を買うことは、その会社の一部を持つことである。
株式から得られる主なリターンは、以下の二つ。
会社の利益の一部を受け取る「配当(インカムゲイン)」
買ったときより株価が上昇した場合の「値上がり益(キャピタルゲイン)」
企業は、人を雇い、商品やサービスを作り、顧客に販売して利益を得る。
得られた利益の一部は、配当として株主へ還元される。
残りは社内に残し、新しい商品、設備、人材などへ再投資される。
例えば、ある会社が100の利益を上げ、そのうち30を配当として株主へ還元し、残る70を事業へ再投資したとする。
その投資がうまくいき、将来の利益が100から110、120へ増えていけば、将来の配当や会社の価値も大きくなる可能性がある。
株式を持つことで、企業が現在生み出している利益だけでなく、その利益を再投資して事業を拡大する成果も取り込むことができる。
これが、株式が「成長資産」と呼ばれる理由。
ただし、当然すべての企業が成長するわけではない。なので、分散投資が重要。
一社だけに投資した場合、その会社が失敗すると、資産全体が大きな影響を受ける。これは、株式市場全体の値動きとは別に存在する「個別企業のリスク」。
一方、株式市場全体では、新しい企業が生まれ、成長する企業の存在感が大きくなり、衰退する企業の存在感は小さくなるという新陳代謝が続く。
幅広い企業の株式を分散して保有すれば、特定の一社の成功だけに賭けるのではなく、企業全体が生み出す利益と経済活動の成長を取り込むことを狙える。
(ただし、広く分散していても、市場全体が大きく値下がりすることはある。このリスクについては、シリーズ後半で扱う)
債券、不動産、金|後回しでOK
現金と株式以外にも、以下のような代表的な資産がある。
上述の通り、後々追加を検討すればよい。
債券:国や企業にお金を貸し、利息を受け取る。株式より値動きが小さいものも多く、資産全体の値動きを抑えるために使われる
不動産:建物や土地を保有し、家賃収入や値上がり益を狙う。空室、修繕、税金、災害、売却のしにくさなどがある
金:利息や配当は生まないが、通貨や金融市場への不安が強いときなどに、資産の一部を守る目的で使われることがある。「有事の金」と呼ばれる
株式を分散してもつ方法
株式で長期的な成長を取り込むには、一社の成功を当てることより、幅広い企業をまとめて保有することが大事だと上で述べた。
とはいえ、自分で何十社、何百社もの企業を調べ、一社ずつ株式を買うのは簡単ではない。
そこで使われるのが、投資信託やETFであり、これらを使えば、1本の商品を買うだけで、多数の企業へまとめて投資できる。
いわば、株の寄せ集めパック。
ただし、投資信託やETFにも多くの種類がある。
どのような基準で選べばよいのか。次回見ていく。
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注釈
注1:生活防衛資金:さまざまな考え方があるが、生活費の3-6ヶ月が目安と言われる
注2:「Cash is King(現金は王様)」とは、現金の価値が比較的安定しており、必要なときにすぐ使え、相場の下落時には投資機会にも備えられるという強みを表す格言。ただし、現金もインフレによって購買力が下がるため、万能という意味ではない。
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