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因縁の対決は凡戦?されど「勝利」こそが全てという現実|The Ultimate Fighter Season 33|EP8の感想

👉はじめに

水曜日の11:15から配信のThe Ultimate Fighter Season 33。

今回は、シーズンを通して続いた因縁の対決、ブラジル人同士のウェルター級準々決勝の感想です。

裕福な家庭で育ったエリートと、ファベーラ出身のハングリーな苦労人。あまりにも対照的な二人の背景は、現代のMMAが置かれた状況や、ファイターが戦う動機について、我々に深く問いかけてきます。ゲストコーチには華麗な打撃の使い手ヤイール・ロドリゲスが登場。大きな注目を集めた因因縁の対決は、果たしてどのような結末を迎えたのでしょうか。

よければご覧ください。


前回の感想はこちら。

TUFとはなんぞや?ということについても述べていますのでよければご覧ください。


✔️エピソード8のあらすじ

今回は1回戦最後の試合、ウェルター級の一戦です。 チーム・コーミエには、この日不在だったコーミエの代役として、TUFラテンアメリカの優勝者であり元UFC暫定王者、"エル・パンテラ"ことヤイール・ロドリゲスがゲストコーチとして登場。華麗な蹴り技の印象が強い彼ですが、レスリングと組み合わせた実践的な肘打ちのレッスンは非常に興味深く、彼の引き出しの多さを見せつけました。

対照的な二人のファイター:富める者と飢える者

今回の主役は、シーズンを通して激しく対立してきた二人のブラジル人ファイター。その背景はあまりにも対照的です。

チーム・ソネンのディエゴ・ビアンキーニは、サンパウロの裕福な家庭出身。プール付きの豪邸には複数の外車が並び、自身を「甘やかされて育った」と語ります。今をときめく名門ジム「ファイティング・ナーズ」でトレーニングを積むエリートであり、その環境は現代MMAが、ある程度の経済力がなければ最高のトレーニングを積むことが難しい現実を突きつけているようにも見えます。

一方、チーム・コーミエのロドリゴ・セジナンドは、リオデジャネイロのファベーラ出身で、母子家庭で育ちました。彼の戦う動機は、女手一つで育ててくれた「母により良い人生を送らせるため」。わずか200ドルを手に、ファイターとしてのキャリアを求めてカナダへ渡ったという彼の物語は、まさにハングリー精神の塊です。

バックグラウンドも性格も水と油の二人は、フェイスオフでも激しいトラッシュトークを展開。ビアンキーニは挑発を繰り返し、セジナンドは家族を侮辱されたことに静かな怒りを燃やします。チームメイトが「感情をコントロールできるか」と心配する中、コーチのコーミエは「何のために戦うのか思い出せ」と熱い言葉で彼を鼓舞しました。


ウェルター級
 🟡チーム・コーミエ:🇧🇷ロドリゴ・セジナンド(指名3位)
   vs
 🔵チーム・ソネン:
🇧🇷ディエゴ・ビアンキーニ(指名4位)

入場時、コーチのコビントンもファイティングナードメガネで入場。いずれ本戦でファイティングナード陣営の選手とコビントンが戦う可能性があると思うとちょっと貴重な光景かもです。

因縁の対決は、1R開始早々から動きます。ビアンキーニが派手な回転蹴りを放ちますが、セジナンドは冷静に対処し、組みついてテイクダウンを奪います。スタンドに戻ると、今度は激しいパンチの交換。ここでセジナンドの左フックがビアンキーニを捉え、ぐらつかせます。ダメージを負ったビアンキーニは、組みついてなんとか凌ごうとします。

2R、大技を多用しスタミナが切れてきたビアンキーニに対し、セジナンドは再びテイクダウンに成功。ここからは一方的な展開となります。柔術黒帯の腕前を存分に発揮し、グラウンド&パウンドでビアンキーニをコントロール。「パスではなく肘とパウンドを!」というコーナーの指示通り、強烈な肘打ちでビアンキーニを流血させ、抵抗の気力を奪います。ビアンキーニは下から仕掛けようとしますが、もはや万事休す。試合はそのまま終了のゴングを迎え、セジナンドがユナニマス判定で勝利を収めました。

試合後、あれだけ憎み合っていた二人は静かに抱擁を交わし、因縁の対決は幕を閉じました。


準決勝の組み合わせが決定

これで1回戦の全試合が終了し、準決勝の組み合わせが決定しました。

フライ級
アリビ・イディリス (チーム・コーミエ)
   vs. ロイバート・エチェベリア (チーム・ソネン)

イマノル・ロドリゲス (チーム・コーミエ)
   vs. ジョセフ・モラレス (チーム・ソネン)

ウェルター級
マット・ディクソン (チーム・ソネン)
   vs. ダニール・ドンチェンコ (チーム・コーミエ)

ロドリゴ・セジナンド (チーム・コーミエ)
   vs. ジェフ・クレイトン (チーム・コーミエ)


✔️全体的な感想

試合後、デイナ・ホワイトは「歴史的に見て、大きな緊張感を持って迎えられた試合は、その期待に応えられないことが多い」とコメントしました。確かに、背景にあった物語の熱量に比べれば、試合内容自体は一方的なものだったかもしれません。ハイレベルな技術の応酬というよりは、感情のぶつかり合いが先行した印象です。因縁や物語というのは、それを受け止めるだけの高いレベルがあってこそ、最高の試合として昇華されるのかもしれません。

しかし、勝利したセジナンドが「気持ちが軽くなった」と語ったように、戦う者にとって「勝利」こそが全てを解決する唯一の答えなのでしょう。どんなに泥臭くても、どんなに不格好でも、勝てば官軍。その過程や勝ち方を問われるのは、勝利を手にした後からついてくる贅沢な評価であり、渦中にいる選手にとって最も重要なのは、ただ結果を出すこと。

いかにして勝利という結果に価値を見出し、そこに集中できるか。そして、それ以外のノイズをいかに排除できるか。これは対人競技であるMMAに限らず、私自身に置き換えても非常に重要なことだと、改めて考えさせられました。向き合うべきは挑発してくる相手ではなく、常に自分自身の感情とパフォーマンス。そうやって全てを乗り越えた先にある「勝利」という結果の尊さを、改めて見つめ直す良い機会となりました。


そんなこんなで今週のエピソード8の感想は以上です。ここまで読んでいただきありがとうございます。

さて、次回はコーチ同士のピックルボール対決も行われるようです。こちらも見逃せませんね。

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