ミスした時「自分責め」から抜け出す、いちばんやさしい方法
ミスをしたとき、胸の奥がきゅっとなる。
──気づけば口にしている。
「なんでこうなったの?」
仕事でも、人とのあいだでも。
そして夜、自分に向けても。
あまりにも自然で、疑うことすらない問い。でも、その言葉が来た瞬間、わずかに空気が変わる。
何が起きたかを見にいく前に、視線が、自分のほうへ向く。
「自分のせいかもしれない」
そのまま、どこがいけなかったのかを探しはじめる。何が足りなかったのか。どこで間違えたのか。
「自分がダメだった」
「ちゃんとできていなかった」
そう言葉にした瞬間、出来事から少しずつ遠ざかる。ひとつの失敗のはずなのに、いつの間にか、人格の話にすり替わっていく。
本当は、ただの出来事にすぎないのに、自分はダメな人間なんじゃないか、と感じはじめる。
そうなると、何が起きていたのかは、見えなくなっていく。
そこで、問いをひとつ変える。
「なんでこうなったの?」ではなく、
「何が、そうさせた?」
すると、向いていた視線が、少し外に開く。
時間が足りなかったのかもしれない。
順番が違っていたのかもしれない。
必要な情報が届いていなかったのかもしれない。
問いを変えた瞬間、胸のあたりにかかっていた重さが、すこしだけ緩む。「自分が悪い」と握りしめていた拳が、ふっと開くように。
出来事と自分のあいだに、少しだけ空気が入る。
それだけで、固まっていた思考が動き出す。
どこでズレが生じたのか。
そこから、何が見えてくるのか。
自分を責めているあいだ、思考はどこかで止まってしまう。出来事に近づきすぎてしまうから。少し離れたときに、ようやく全体像が浮かび上がる。
もし今日、何かひとつ引っかかっていることがあるなら。
これから、何か苦しさを感じた時には。
どんな問いかけをしているかを、静かに見つめてほしい。
そして、閉じ込めている質問に気づいたら
「なんで私は、こうなんだろう」を
「何が、そうさせた?」に変えてみよう。
その小さな問いの向きの変化が、自分を責め続ける流れから抜け出すきっかけになる。
金魚鉢の中で泳いでいた魚が、海に戻れたときのように。それまで見えていたものだけが、すべてじゃなかったと気づける。
問いは、今ここで、自分に手渡せるもの。
ささやかで、やさしい贈り物。
それひとつで、閉じていた視界が、広がっていく。
もし今日の文章が、少しでも心の重さをゆるめるきっかけになっていたら。 同じように「自分を責めてしまう瞬間」からそっと抜け出すヒントを、Kindle本にもまとめています。
↓こちらの投稿から読めるので、気が向いたときにのぞいてみてくださいね。
もっと深く、自分の感情や心の動きを知りたい方には、noteマガジンも用意しています。 その時のあなたに合うテーマが見つかりますように。
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「私が悪い」と握りしめていた拳を、ふっと開くように。 強すぎる視線を自分の内側からすこしだけ外へ広げ、 張り詰めた心を包み込んでいく3編です。
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