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2. 継続は力なり ー 初めてのライブ演奏に向けて ー


ギター習得への道を歩み始めたものの、当初のモチベーションを継続して維持するのは容易ではない。
いかに日常生活にストレスなく「練習」を組み込み、無理なく続けられるか。私は、自分なりの方法を模索していくことにした。

「週単位」のアウトプット型スケジュール


私は、毎週末のギターレッスンを単なる「インプット」ではなく、「アウトプット」の場と位置づけた
レッスンまでに課題曲を自力で弾けるように仕上げることを目標とし、たとえレッスン内で完結しなくても、自宅でコード譜を見ながら曲を完成させるよう努めた。

幸いにも、講師はブルースのみならず、私が好みそうなポップスの楽曲も積極的に取り入れてくれた。これにより、ストレスを感じることなく自然に取り組むことができた。

「レッスン=アウトプットの締切」とすることで、1週間の練習スケジュールにリズムが生まれ、週ごとに成果を積み重ねていくスタイルが定着していったのである。

毎日“少しでも”ギターに触れる


平日の練習時間の確保は難しかったが、「10分でもいいからギターに触れる」という習慣を徹底した。
ミュージシャン山崎まさよしが「テレビを見るときにもギターを抱えている」と語っていたのを思い出し、それを真似してみたのである。

ギターを抱えながらテレビを見ていると、自然とコードやフレーズに指が向かい、耳が無意識に音を探すようになる。
その結果、音の位置を耳で覚えると同時に、指も滑らかに動くようになり、弦を押さえる感覚が次第に身体に馴染んでいった。

休日には、朝のチューニング後、ギターをスタンドに立ててデスクのすぐ脇に常備し、気が向いた瞬間にすぐ手が届くように配置。
日々少しずつでも触れ続けることで、ギターの音色が徐々にクリアになっていくのを実感した。
また、ある日、表面がざらついたサテンフィニッシュの000-28のネック裏が、ふとツルツルになっていたことに気づいた。「弾けば弾くほど音が育つ」という言葉の意味を体感した瞬間であった。

心に刺激を与える工夫


どれほど楽しくても、日々同じことの繰り返しでは飽きがくる。
私は休日に楽器店を巡り、さまざまなギターを試奏することで、意識的に「新しい刺激」を得るようにした。

その頃、私はスライドギターに挑戦しており、通常とは異なるチューニングが必要であった。1本のギターでの対応は煩雑で、「スライド専用としてもう1本欲しい」と考えるようになった。

加えて、所有していたMartin 000-28は煌びやかな音色が魅力ではあるが、ブルースや弾き語りにはやや明るすぎると感じ始めていた。

そうした中で出会ったのが、Martin 00-15Mである。
オールマホガニー仕様のこのモデルは、000-28とは対照的に、温かみと渋みのある少しざらついた音が特徴的で、ブルースに非常によく合うと感じた。
ネックの薄さにやや不安はあったが、当時10万円台という価格も後押しし、思い切って購入に踏み切った。

2本のギターを使い分けるようになってからは、同じ楽曲でも音の印象が変わり、曲に合わせたギター選びそのものが楽しみとなった。練習へのモチベーションも自然と高まっていった。


Martin 00-15M(Martin Club Japan)


初ライブへの挑戦


ギターを始めて1年ほど経過した頃、講師から2件の「出演依頼」をいただいた。
ひとつは、船橋のバーで行われる「対バン形式のライブイベント」。もうひとつは教室主催の「コンサート(発表会)」である。

対バンイベントは、初心者から経験豊富なバンドメンバーまで幅広い参加者が出演するとのことで、当初は躊躇もあった。
しかし、「度胸をつけるには絶好の機会」と考え、出演を決意した。

2つの本番は約1ヶ月の間隔があり、演奏曲は同じ2曲に絞って徹底的に仕上げる方針をとった。

録音しながら練習を磨く


本番が決まってからは、一定の完成度に達した段階で演奏を録音し、自身の演奏を客観的に確認するという手法を取り入れた。

当時はスマートフォンがまだ一般的でなかったため、ZOOMの録音機材を購入し、自宅で弾き語りを録音した。
自分の演奏を初めて聴いたときは、恥ずかしさが先に立ったが、現状のレベルや課題が明確に浮き彫りになった。
リズムの乱れ、歌のキーのズレ。とりわけ歌のキーは何度やってもフィットしなかった。

試行錯誤の末、「ギターを半音下げてみては?」と思いつき、実行してみたところ、自分の声のキーにぴたりと合致した。
以来、弾き語りでは基本的に「半音下げチューニング」が自分の定番となった。

演奏は“体で”覚える


弾き語りにおいて「上手い」と感じさせるかどうかは、ギター演奏の技巧ではなく、むしろ歌の印象に大きく依存している。
極論すれば、ギターは最低限コードストロークさえ成立していれば、演奏の細かなミスには気づかれにくい。
だが、それを支えるのは「リズムの安定」であり、これが欠けては全体が崩れる。

リズムを崩さず、歌に集中するためにはどうすべきか?
私は「ギターを体に覚え込ませ、無意識で弾けるレベルにまで落とし込む」ことで解決を図った。

徹底して繰り返し練習を行い、最初の一音を出せば自然と指が動き、曲を最後まで導いてくれる状態を目指した。
足でリズムを刻み、全身でリズムを覚え込み、同時に歌詞の意味を理解し、感情を込めて歌うことを意識した。

歌詞の暗記には通勤電車の時間を活用し、Walkmanにダウンロードした音源を聴きながら、頭の中で歌詞を繰り返し暗誦して記憶の定着を図った。


こうして、2曲にすべての集中力を注ぎ込み、ついに初ライブの本番の日を迎えることとなる。
(続く)


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