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血管は、生きている。

時々、

自分の手の甲を見てみてほしい。


血管が浮き出ているからといって、

それを単純に老化と考える必要はない。


身体が、

今この瞬間も環境に応答している、

証拠の一つだからだ。



夏になると、

皮膚の血管は広がり、

体表への血流を増やす。

余分な熱を、

外へ逃がすためだ。

だから、

いつもより浮き出て見える。


冬になると、

今度は皮膚の血管が縮まる。

大切な体温を守るために。

血管は、

固定された配管ではない。


季節に合わせて広がり、縮まり、

脈打ちながら、

環境に応答し続けている。



さらに面白いことがある。

血管は、

ただ枝分かれしているわけではない。

大動脈から動脈へ。

動脈から細動脈へ。

そして毛細血管へ。

枝分かれするたびに、

同じような形が繰り返される。

このような構造を、

フラクタル構造という。

最小のエネルギーで、

最大の面積を支える。

自然界が何億年もかけて磨いてきた、

とても美しい設計だ。

肺の気管支も。

神経も。

ファシアも。

どこか同じ景色を見せてくれる。



東洋医学では、

気血の流れや経絡という言葉で、

身体全体のつながりを表現してきた。

西洋医学とは、

言葉が違う。

けれど、

身体を全体として見ようとする視点には、

どこか共通するものを感じる。

僕は、

そんなところにも面白さを感じている。



身体は、

今日も静かに働いている。

血管は、

季節に応答しながら、

熱を運び、

命を巡らせ続けている。

私たちは普段、

その姿を見ることはない。

でも、

ふと手の甲を眺めたとき、

そこには、

「生きている」

という事実が、

静かに脈々と浮かび上がっている。



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