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身体は小さな宇宙


呼吸は、あまりにも当たり前すぎて、
ふだんは意識にものぼりません。

けれど、静かに見つめると、
そこには不思議な秩序があります。

膨らみ、しぼみ。
開き、閉じる。
満ちて、ほどける。

まるで波のように、
身体の中をうねりながら行き来しています。

呼吸は小さな潮の満ち引き


呼吸は、
胸だけの動きではありません。

肋骨は前後左右に広がり、
背中もゆるやかにふくらみ、
骨盤の内側も静かに動きます。

身体全体が
ゆっくりと膨らみ、ひとつの間を挟んで、
また静かに収縮していく。

まるで
海の満ち引きのようです。

潮が満ちて、
潮が引く。

そのリズムは、
自然の営みによく似ています。

体の内側のリズム


身体の内側には、
いくつものビートやリズムがあります。

心臓の鼓動。
呼吸の波。
背骨のゆらぎ。
神経の働き。
体温の変化。

それぞれが
異なる周期を持ちながら、
互いに影響し合い、響き合いながら、
ひとつのバランスを保っています。

そこは小さな世界ですが、
たしかに
ひとつの秩序があります。

宇宙もまた、リズムで動いている


空を見上げると、天体があり、
星々は互いに影響し合いながら
静かに動いています。

地球は回り、
月は満ち欠けをくり返し、
季節は巡る。

目には見えない力もまた、
周期を持ちながら
世界に影響を与えています。

宇宙もまた、
さまざまなリズムの重なりによって
成り立っています。

とても大きなスケールの世界と、
身体の中のミクロな世界。

大きな宇宙と、
小さな身体。

スケールは違う。

けれど、

どちらも無数のリズムが重なり合いながら、
ひとつの秩序を保っている。

小さな宇宙


長年、身体を観察していると、
ときどきこう思うことがあります。

身体は
とても小さな空間なのに、

その中には
たくさんの動きとリズムがあり、
それぞれが関係し合いながら成り立っている。

呼吸が流れ、
血液が巡り、
神経が働く。

それぞれが影響し合いながら、
静かな秩序を保っている。

それはまるで、
小さな宇宙のようにも見えます。

整うということ


身体が整うとき、
体内では何が起きているのでしょうか。

それは、
何かを作り直すことではありません。

もともとある
身体のリズムが、

少しずつ
自然な状態へ戻っていくこと。

呼吸が深くなり、
力みがほどけ、
動きが滑らかになる。

そうすると、
身体の中の秩序が
静かに整い始めます。

見失っていた
本来の帯域へ、
そっと戻っていくように。

整うとは、
新しい何かになることではなく、
もともと備わっていた秩序を思い出すことなのかもしれません。

呼吸という導入口


もし身体という宇宙に
入口があるとすれば、

それは
呼吸なのかもしれません。

静かに意識を向けて
呼吸を感じていくと、
身体の中の動きが見えてきます。

どこが固いのか。
どこが動いていないのか。
どこに余白があるのか。

呼吸は、
そんな身体の状態を
静かに教えてくれます。

私たちはつい、
外の世界ばかりを見ています。

けれど、
身体の中にも
広がりと、秩序と、リズムがあります。

そこに丁寧に意識を向けると、
身体は少しずつ整っていきます。

身体は
単なる器ではなく、

呼吸とともに動き続ける
小さな宇宙なのかもしれません。


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