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誰かに渡そうとして、もらっていた言葉に気づいた

「この人の作品を、もっと読んでほしい」

そんな気持ちで、三人を選ぶ。

一見、とてもシンプルなことのように思えました。

でも、いざ考え始めてみると。

……全然、決められない。

この人も浮かぶ。

あの人も浮かぶ。

あの記事も好きだった。

あの言葉にも、何度も心を動かされた。

気がつけば私は、三人を選ぶだけのはずなのに、ずいぶん長いことnoteの中を行ったり来たりしていました。


先日、「ペイフォワードプロジェクト」のバトンをいただきました。

今回、私にバトンを渡してくださったのは、たび.さん。

娘の「裏方って、カッコよくない?」という言葉を受け取って、ご自身の記事を書いてくださいました。

そして、今回バトンを渡してくださった記事では、私の文章について、

「誰かの言葉を、そのまま通り過ぎさせない」

そんなふうに書いてくださいました。

自分では気づいていなかった、自分の文章の中にあるものを、誰かにそっとすくい上げてもらったような気がして。

光栄で、少しむず痒くて。
でも、何より嬉しかったです。

たび.さんが私へバトンを渡してくださった記事はこちらです🌿

この企画は、LaLaLaさんから始まったもの。

自分が「この人の作品をもっと誰かに読んでほしい」と思う三人へ、次のバトンを渡していきます。

企画についてはこちらです🌿

https://note.com/lalala7720/n/ndf0803b7afae


DMをいただいたとき、たび.さんは、

「三人を選ぶだけのはずが、すっかり文芸賞の選考会みたいになっています(笑)」

と書いていました。

そのときは笑っていた私も、今ではすっかり選考委員会の一員です。

本当に、三人って難しい。

でも。

迷いながらいろいろな人のnoteを思い浮かべているうちに、ふと気づいたことがありました。

私は、思っていた以上にたくさんの言葉をもらっていたんだな、と。

誰かがコメント欄に残してくれた言葉。

DMでそっと届けてくれた言葉。

自分にはなかった視点を教えてくれた文章。

「分かるよ」と寄り添ってくれた言葉。

時には、笑わせてくれた言葉。

書くのをやめそうになったときに、もう少し書いてみようかなと思わせてくれた言葉。

どれも、そのときはひとつひとつ受け取っていたはずなのに。

こうして改めて振り返ってみると、
それらは思っていたよりずっと深く、私の中に残っていました

少し前、娘が言いました。

「裏方で、人を支える仕事って、すごくカッコよくない?」

家の中で交わした、本当に何気ないひと言でした。

私はその言葉が心に残って、記事を書きました。

すると、その言葉を読んだたび.さんが、また自分の文章を書いてくださった。

そして今度は、Ali Itoさんの中にもその言葉が残り、また別の景色を見せてくれました。

私の家で生まれた小さなひと言が、

私の中を通り、

誰かのところへ歩いていって、

そこでまた違う形になる。

そして、またこちらへ帰ってくる。

たび.さんがコメント欄で、

「言葉、けっこう忙しいですね」

と書いてくださって。

思わず笑ってしまったのですが、本当にその通りだと思いました。

言葉って、思っているよりずっと忙しい。

人から人へ渡って、

その人の経験や記憶と混ざって、

少し姿を変えて、

また誰かのところへ歩いていく。

もしかしたら、私たちは知らないうちに、ずっとそんなふうに言葉を渡し合っているのかもしれません。

今回、三人を選ぶことが難しかったのも、

「選びたい人がいない」からではありませんでした。

反対に。

大切にしたい人が、たくさんいたから。

だから今回の三人は、

「私が好きな人ベスト3」でも、

「素敵なnoterさんランキング」でもありません。

今、このタイミングで。

私が「この人の世界を、まだ知らない誰かにも届けたい」と思った三人です。

眠りの世界を、丁寧に育て続ける人――すやさん


すやさんとは、noteだけでなくThreadsやInstagramでもつながっています。

長く交流していることも、もちろん大切なご縁です。

でも今回、バトンを渡したいと思った理由は、それだけではありません。

すやさんの発信には、どこを訪れても同じ空気が流れています。

眠り守りのたぬき「すや」と仲間たち。

山里の古民家。

静かな夜。

眠りへ向かうための音。

noteも、SNSも、YouTubeも。

ひとつひとつ別の投稿なのに、全部が一冊の絵本の続きを読んでいるように感じます。

私は、その一貫した世界を、丁寧に育て続けていることが、ずっとすごいなと思っていました。

そして何より、

「自分が発信したいもの」だけではなく、

「どうしたら誰かに届くのか」

を、とても大切にしている人だと思っています。

誰かの夜を少しだけやわらかくするために、今日も静かに世界を育て続けている。

そんなhiroさんの言葉を、もっとたくさんの人に届けたいと思いました。

そう思って、今回バトンを渡したいと思いました。

心の中にあるものを、白い風にのせる人――siroi_kaze.hiroさん

hiroさんの詩を読むと、ときどき不思議な気持ちになります。

私も同じように「心」や「想い」について書くことがあります。

でも、hiroさんのところへ行くと、それが私には思いつかない形で言葉になっている。

言葉の置き方も、

景色の見え方も、

余韻の残し方も。

hiroさんにしかない世界があります。

プロフィールにある、

「心のメッセージを白い風にのせて」

という言葉。

私は、hiroさんの文章を読むたびに、本当にそんな風が吹いてくるように感じています。

hiroさんとは、作品を迎えていただいたことをきっかけに、またひとつご縁が深くなりました。

でも、今回お渡ししたいと思ったのは、そのご縁へのお返しではありません。

ひとりの読者として。

「この人にしか書けない言葉がある」

と感じているからです。

静かだけれど、ちゃんと心に残る。

そんなhiroさんの言葉を、もう少したくさんの人に届けたいと思いました。

遠い国の夕暮れから、自分の暮らしを思い出させてくれる人――Ali Itoさん

Aliさんは、イスタンブールでの暮らしや、ご家族との時間、人と人との関係について書いています。

遠い国のお話です。

私が見たことのない景色も、たくさん登場します。

なのに。

Aliさんの記事を読んでいると、ときどき自分の家の夕方を思い出します。

台所から聞こえる音。

家族の声。

窓の外の空。

何気なく交わしたひと言。

場所も文化も違うはずなのに、

「ああ、人が暮らす時間って、どこか似ているのかもしれない」

と思わせてくれる。

そしてAliさんは、ときどき私にはなかった角度から物事を見せてくれます。

先日、娘の

「裏方って、カッコよくない?」

という言葉について書いてくださった記事も、そうでした。

私がその言葉から見た景色とは違うところまで、Aliさんは連れていってくれました。

競争すること。

目立つこと。

支えること。

時代によって変わっていく価値観。

同じひとつの言葉なのに、受け取る人によって、こんなにも新しい景色になるんだ。

そう思いました。

そんなAliさんの文章を、まだ知らない人にも読んでみてほしい。

遠い国の夕暮れを眺めながら、

もしかしたら、自分のすぐそばにあるものを思い出すかもしれません。


こうして三人のことを書いてみて、またひとつ気づきました。

私は今回、

「この人にバトンを渡そう」

と思って三人を探していたはずでした。

でも本当はその前に、

私自身が、いろいろな人からずっとバトンを受け取っていたのかもしれません。

言葉だったり。

優しさだったり。

新しい視点だったり。

「また書いてみよう」と思える小さな力だったり。

それらをたくさん受け取ってきたから、

今度は私が、誰かに渡したいと思った。

ペイフォワードって、

もしかしたら特別な企画の中だけで起こるものではないのかもしれません。

誰かからもらったものを、

そのまま返すのではなく、

また別の誰かへ渡していく。

それはきっと、普段の何気ないやり取りの中でも、ずっと起きている。

今回、バトンをくださったたび.さん。

そして、これまで私に言葉を届けてくださった皆さん。

本当にありがとうございます。

三人を選ぼうとして、

私は初めて、

自分がこんなにもたくさんのものを受け取っていたことに気づきました。

さて。

文芸賞選考委員会のお仕事は、ここまで。

ここからは、

すやさん。

siroi_kaze.hiroさん。

Ali Itoさん。

三人へ、そっとバトンをお渡しします🌿

もちろん、受け取るかどうかは、それぞれのペースで。

言葉はきっと、

急がせなくても、

必要なところへ歩いていくから。




🌿 ペイフォワードプロジェクトの記事はこちらのマガジンからも読むことができます。


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