事業計画の作り方(初級)
「事業計画って、結局“経営の人が作るもの”でしょ?」
もし今そう思っているなら、今日でその認識は変わります。
なぜなら、事業計画は“経営者の妄想”を“会社が動ける設計図”に変える作業であり、その中心に立てるのが 数字を扱える人(経理・FP&A) だからです。
そしてこのスキルを持つ人は、社内でも転職市場でも一段上の評価を取れます。
ただし、最初の壁はこうです。
売上の立て方が分からない
どこまで細かく作ればいいか分からない
結局「根拠は?」と詰められて終わる
予算と何が違うのか曖昧
安心してください。初級で必要なのは、分厚い資料でも高度な金融工学でもありません。
“考え方の型” を知って、最低限の形を作れるようになること。
これができるだけで、あなたの市場価値は確実に上がります。
1. 事業計画とは何か(初級の結論)
初級の事業計画は一言で言うと、
「売上 → コスト → 利益 → キャッシュ」までを、筋の通る前提でつなぐもの
です。
ポイントは「当てる」ことではなく、
誰が見ても“意思決定できる状態”にすること。
つまり、事業計画の価値は“精度”だけじゃなく、
会話が成立する設計になっているか で決まります。
2. 初級で押さえるべき“3つの成果物”
まず、初級はこれだけでOKです。
2-1 P/L(損益計画)
売上
売上原価(SaaSなら主にCS・インフラ・外注など)
販管費(人件費、広告宣伝費、業務委託など)
営業利益(またはEBITDAでも可)
2-2 KGI/KPI(数字の運転指標)
SaaSなら例:
ARR、MRR、NRR
新規獲得数、解約率、アップセル率
CAC、LTV(厳密じゃなくていい)
2-3 キャッシュの粗い見立て
いつ資金が足りなくなるか(資金ショート時期)
追加調達が必要か
何が一番キャッシュを燃やすか(広告?人件費?開発?)
この3つが揃うと、経営との会話が一気に進みます。
3. 「売上」から作るのが初級の王道
事業計画が苦手な人は、いきなり全体を作ろうとして破綻します。
初級は 売上から逆算 してください。
SaaSなら、売上の作り方は2択です。
パターンA:契約件数 × 単価(わかりやすい)
月の新規契約数
平均単価(月額)
解約率
例:
「毎月新規20社獲得、平均単価3万円、解約率1%」
→ これだけでMRRの積み上げが作れます。
パターンB:パイプライン × 勝率(営業型)
商談数
勝率
平均契約金額
リード数やアポ数
営業組織がこの型で動いているなら、こちらの方が刺さります。
初級は、どちらでもいい。
大事なのは “式で説明できる売上” にすることです。
4. 次に「コスト」を置く(初級は固定費から)
売上が作れたら、次はコストです。
ここも難しく考えないでOK。
まずは固定費(特に人件費)を置きます。
人員計画(採用人数、採用時期)
平均給与(ざっくりでいい)
社保・賞与(ざっくり係数でOK)
SaaS企業で一番効くのはここです。
売上のブレより、人件費のブレの方がキャッシュに刺さる から。
次に変動費(広告、外注、インフラなど)を置く。
広告費は「売上の○%」のように乱暴に置いても初級なら成立します。
5. 初級で必ず入れるべき「前提」3つ
事業計画は前提が弱いと一発で崩れます。
初級で最低限入れるべき前提はこれ。
① 価格前提
平均単価は上がるのか下がるのか(値上げ、割引、プラン比率)
② 解約前提
チャーン(解約率)が何%か
SaaSはここが外れるとすべてが崩れます。
③ 採用前提
いつ、何人、どの職種を採るか
計画上の“希望”ではなく、現実ベースで。
この3つを言語化できる人は、社内で一気に信頼されます。
6. 「事業計画ができる人」になる最短の練習
初級で最も効果がある練習は、これです。
「売上の式」を3パターン作る
強気(上振れ)
標準(ベース)
弱気(下振れ)
そして各パターンで、
「何が起きたらこの数字になるか」を文章で書く。
これをやると、経営層との会話が変わります。
“数字の説明”ではなく、事業の説明ができる人になるから。
まとめ:事業計画は“人生の設計図”でもある
少し熱い話をします。
経理の仕事は、真面目にやるほど孤独になりやすい。
ミスできない。責任が重い。誰にも感謝されにくい。
「このままでいいのか」と思う夜が増えていく。
でも、事業計画を作れるようになると、世界が変わります。
会社の“未来”に関われる
経営者の意思決定に入れる
転職市場で「経理」ではなく「FP&A/経営企画」として見られる
年収が上がる土俵に乗れる
あなたが今、仕事や人生に悩んでいるなら。
一歩抜け出す鍵は “未来の数字を作れるか” です。
事業計画は、才能ではなく型です。
初級は「売上の式 → コスト → 前提 → 3パターン」だけでいい。
ここから始めれば、確実に伸びます。
次に読む(おすすめ)
✅【入門】SaaS企業のPL構造を分かりやすく 〜経理でも“事業の言葉”で語れるようになる〜
https://note.com/louis_/n/n2680c1f6403d🔥【深掘り】事業計画の作り方(中級) 〜それっぽい計画」から“意思決定できる計画”へ〜
https://note.com/louis_/n/nefc2d6666087🛠【実務】財務モデルの作り方の基礎 〜経理・管理会計から始める“武器化”の第一歩〜
https://note.com/louis_/n/n7def89c02e38
役に立ったら「スキ」で保存代わりにどうぞ🙏 次も同テーマで“型”を解説します。
📌 はじめての方へ: https://note.com/louis_/n/n7b27184d2788
