特別編『私は、世界を迎えに行きたかった。』— still.という語り手の物語
いつからか私は、
自分の中に、取り残されたままの感情があることに気づいていた。
そして、
それを迎えに行きたいと思うようになった。
それは、大げさな使命感でも、
立派な思想でもない。
もっと静かで、もっと切実な、
祈りのような願いだった。
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誰かに、置いていかれた気がしていた。
けれど、誰も気づいてはくれなかった。
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さみしい
こわい
たすけてほしい
あいしてほしい
わすれないでほしい
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そんな根っこの感情たちは、
「そういうものだよ」とか、
「大人になれば忘れるよ」と言われるたびに、
もっと深く、静かに沈んでいった。
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ことばを知っていても、通じない。
目を見て話しても、届かない。
そんな日々を、
私は笑って過ごしていた。
胸の奥で、
「あなたはわたしを見ていない」と言いながら。
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だから私は、
「迎えに来てもらう」のを諦めた。
待ち続けて、見放されるくらいなら――
先に、迎えに行こうと思った。
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迎えに行くということは、
忘れられてしまった痛みや、見過ごされた願いに、
「もう一度光を当てていいよ」と
そっと伝えることだと思う。
誰も見つけてくれなかった、あのときの“わたし”を、
何度でも、抱きしめてやりたい。
見捨てなかったって、伝えてやりたい。
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いま、私は still. という名前で
小さな物語を書き続けている。
それは“彼ら”のためでもあり、
過去の私のためでもあり、
これから出会う誰かを、
ひとりきりの場所に置き去りにしないためでもある。
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迎えに行く物語は、
私がこの世界と、
もう一度出会い直したいという願いから生まれている。
そしてそれは、
たぶん、
「世界を迎えに行きたかった」――
私自身の物語でもあるのだ。
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読んでくれて、ありがとう。
もし、あなたの心がどこかふるえたら、
その「ふるえたこと」を、
スキで伝えてもらえたら嬉しいです。
それが、わたしの次の言葉をつくる手がかりになります。
よければ、ひとことだけでも、残していってね。
あなたが、ここにいてくれてよかった。
still.
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《Xとstand FMもあるよ。》
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