「お風呂ごっこだったの…」──前後ろシャツと、斜め上の夜。日常は、予想の斜め上からやってくる|#4
前回、靴下で脱走した次女は、びしょ濡れの頭でこう言った。「お風呂ごっこだったの…」
そして、ちゃんと入浴したあとも、シャツもズボンも前後ろ。
ルールと自由の境界線が、今日も曖昧になる第4話。
次女が、びしょびしょの髪で現れた。
そして言った。
「お風呂ごっこだったの……」
……え?
⸻
その日は外出禁止中。
お風呂も「ママがいないときは禁止」と何度も言ってあった。
なのに髪は濡れてる。服はパジャマのまま。
しかも、靴下のままで、外にも出ていたらしい。
「勝手にお風呂入ったの!?」と問い詰めると──
泣きながらこう返された。
「ちがうもん、お風呂“ごっこ”だったの。
だって、頭だけでも…気持ちいいでしょ?」
……なるほど。
それで寝癖直しスプレーで、びしょびしょになっていたのか。
⸻
その後、長女が帰宅。
ふたりでちゃんとお風呂に入り、今度こそ服に着替えた。
だけど──
シャツもズボンも、前後ろが反対。
もう、母は何も言えず。
⸻
「なんでその服なの?」と聞いたら、次女は言った。
「だって、朝着替えなくていいでしょ?」
その合理性、なぜ今出してきた。
⸻
彼女は、すべてを自由に生きている。
ルールを破る自由も、
ごっこで乗り切る自由も、
シャツを逆に着る自由も。
そして今──外出禁止、3週目目前。
⸻
子どもって、大人が「ここまではしないだろう」と思ってるラインの、
もう少し斜め上を、靴下で走り抜けていく。
still.
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