スピッツ歌詞考察(第110回)ただ春を待つ
【基本情報】
ただ春を待つ
作詞:草野正宗 作曲:草野正宗 編曲:スピッツ&棚谷祐一
3分42秒
<リリース日>
1998年3月25日(8thオリジナルアルバム「フェイクファー」)
<収録アルバム>
フェイクファー(1998年3月25日リリース 8thオリジナルアルバム)
【MUSIC VIDEO】
【歌詞】
歌詞は下記のサイトでご確認いただけます。
【考察①「人生の春を待つ」 】
遠い明日につながってる心
こらえ切れず飛び起きるほどの
願いが叶うのは遠い日のことかもしれないが、気持ちは途切れていない。
我慢できずに飛び起きちゃうくらい、諦めてない。
一度だけで終わるかもしれぬ
網をくぐり幼な子に戻る
もう後戻りできないかもしれない網をくぐり、幼な子のように純粋な心を取り戻す。
ただ春を待つのは哀しくも楽しく
強がりで ワガママな
あなたにも届いたなら
ただただ春の訪れを待つのは、哀しくもあり、楽しくもる。
強がりでワガママなこの願いが、“あなた”にも届けばいいのに。
居場所求めさまよった生き物
足を踏まれ ビル風に流され
居場所を求めて、さまよう生き物。
足を踏まれたり、ビル風に流されてよろけたり、冴えない日々を過ごしている。
ただ春を待つのは哀しくも楽しく
見え隠れ 夢の夢
あなたにも届いたなら
ただただ春の訪れを待つのは、哀しくもあり、楽しくもる。
見え隠れしている夢のまた夢が、“あなた”にも届けばいいのに。
雪溶けの上で
黄色い鈴の音が
密やかに響く
冬の時代が終わり、雪が溶ける頃には、幸福の黄色い鈴の音が鳴り響くことを密かにイメージしている。
ただ春を待つのは哀しくも楽しく
強がりで ワガママな
あなたにも届いたなら
ただただ春の訪れを待つのは、哀しくもあり、楽しくもる。
強がりでワガママなこの願いが、“あなた”にも届けばいいのに。
ただ春を ただ春を
いつまでも待ち続けて
遠い明日につながってる心
ただただ春の訪れを待つ。
いつまでも待ち続ける。
願いが叶うのは遠い日のことかもしれないが、気持ちは途切れていない。
登場人物は、主人公と“あなた”です。
主人公は“あなた”に想いを寄せていて、黄色い鈴の音が響くことを密かにイメージしています。
つまり主人公は、“あなた”と結ばれることを願っているのでしょう。
しかし主人公は現在、人生における冬の時代にいて、その願いは「遠い明日」であり「夢の夢」です。
もしその願いが実現するときは、主人公にも春が訪れたことを意味します。
なかなかやってこない春を待ち続けることは、辛くて哀しくもあり、希望なので楽しみでもあります。
ただただ人生の春を待ち続ける主人公の「生」がテーマの曲でした。
【考察②「ホークスの優勝を待つ」 】
遠い明日につながってる心
こらえ切れず飛び起きるほどの
いつか優勝する日まで、希望を捨てずにいる。
我慢できずに飛び起きちゃうくらい、諦めていない。
一度だけで終わるかもしれぬ
網をくぐり幼な子に戻る
一度だけでもいいから、ホークスが優勝するところみ見たい。
そんな純真無垢な願いは、まるで幼な子に戻ったかのようだ。
ただ春を待つのは哀しくも楽しく
強がりで ワガママな
あなたにも届いたなら
プロ野球の開幕を待つのは、弱いチームを応援する身にとっては哀しくもあるけど、やっぱり楽しみ。
「今年こそ優勝だ!」というのは強がりでワガママな願いだけど、実現すればいいのに。
居場所求めさまよった生き物
足を踏まれ ビル風に流され
万年Bクラスの定位置をさまよっているチーム。
小馬鹿にされて、ファンをやめようかと心が揺らいだりもした。
ただ春を待つのは哀しくも楽しく
見え隠れ 夢の夢
あなたにも届いたなら
プロ野球の開幕を待つのは、弱いチームを応援する身にとっては哀しくもあるけど、やっぱり楽しみ。
夢のまた夢かもしれないけど、「優勝」の2文字が見え隠れしていて、実現すればいいのに。
雪溶けの上で
黄色い鈴の音が
密やかに響く
長かった低迷期を抜けることをイメージして、希望の鈴の音が密やかに鳴り響いている。
ただ春を待つのは哀しくも楽しく
強がりで ワガママな
あなたにも届いたなら
プロ野球の開幕を待つのは、弱いチームを応援する身にとっては哀しくもあるけど、やっぱり楽しみ。
「今年こそ優勝だ!」というのは強がりでワガママな願いだけど、実現すればいいのに。
ただ春を ただ春を
いつまでも待ち続けて
遠い明日につながってる心
貞治王、優勝を。
いつまでも待ち続けている。
いつか優勝する日まで、希望を捨てずにいる。
草野マサムネ氏が当時大ファンであった、福岡ダイエーホークスのことを歌っているという考察です。
ホークスは1988年に南海が身売りしたため、1989年より草野マサムネ氏の出身地である福岡に移転しました。
しかしこの曲が作られた1997年までは、9年連続(南海時代から数えると1978年から20年連続)のBクラスで、ホークスファンとしては「ただ春を待つ」しかない冬の時代でした。
そんな中、1995年からホークスの監督に就任したのが“世界のホームラン王”こと王貞治です。
球界No.1の大物を監督に迎え、そろそろ優勝してくれるんじゃないかと期待している様子です。
そして「ただ春を」は、実は「貞治王」とかけているのではないでしょうか。
「ただはるを~」と「さだはるおう~」
なんてね。
というわけで、プロ野球の開幕を待ちわびつつも、福岡ダイエーホークスが冬の時代から抜け出すことを願う曲でした。
ちなみにこの曲がリリースされた1998年のシーズン以降、王監督のもと10年連続Aクラス入り、1999年には26年ぶりの優勝と35年ぶりの日本一、2000年にはリーグ2連覇、2003年には再び日本一を果たし、常勝球団となっていきます。
もしこの考察が本当なら、ものすごい予言ですね。
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