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スピッツ歌詞考察(第112回)ハートが帰らない


【基本情報】

【基本情報】
ハートが帰らない
作詞:草野正宗 作曲:草野正宗 編曲:スピッツ&石田小吉
4分13秒

<リリース日>
2000年7月26日(9thオリジナルアルバム「ハヤブサ」「8823」)

<収録アルバム>
ハヤブサ(2000年7月26日リリース 9thオリジナルアルバム)
8823(2000年7月26日リリース 9thオリジナルアルバムのアナログ盤)

<タイアップ>
フジテレビ系ドラマ 木曜劇場『silent』劇中使用歌(2022年)

<備考>
五島良子とのデュエット曲。

【MUSIC VIDEO】

【歌詞】

歌詞は下記のサイトでご確認いただけます

【考察】

君の微笑み 取り戻せたらもう何もいらないと
都合良すぎる 筋書き浮かべながら また眠るよ

“君”の微笑みが見たい。
“君”が“俺”のところに戻ってきてくれさえすれば、もう他には何もいらない。
そんな都合良すぎる筋書きを思い浮かべながら、またウトウトと眠るよ。

いきがるだけで 中途半端な俺をチクチクした
両手広げて アドリブで歌いだしそうな 春だった

“君”のその微笑みが、まだ半人前のくせにいきがってる“俺”のハートを刺激した。
テンションが上がり、両手を広げながら即興ソングでも歌い出しそうになった。
それはまさに、春が忍び寄ってくる心地だった。

あれから ハートが帰らない
飛び出た ハートが帰らない

あれから“俺”のハートは、完全に“君”に奪われてしまった。
“俺”の胸から飛び出たハートが帰ってこない。

優しい人よ 霧が晴れたら二人でジュースでも
都合良すぎる 筋書き浮かべながら また眠るよ
また眠るよ ああ もう少しだけ

優しい“君”よ、気分が晴れたら二人で一緒にジュースでも飲みませんか?
そんな都合良すぎる筋書きを思い浮かべながら、またウトウトと眠るよ。
悩み疲れた、今日もまた。
ああ、もう少しだけ眠るよ。

登場人物は、“俺”と“君”です。
“俺”は“君”の微笑みを取り戻したいと思っていますが、二人の関係性と、二人の間に何があったのかがハッキリとしません。
わかっているのは、“君”の微笑みを見て以来、“俺”のハートは完全に“君”に奪われたということです。
“君”のことを考えると心臓がバクバクして、飛び出したハートが戻ってこないような感覚で、ずっとソワソワとして落ち着きません。

では、二人の関係性で考えられるケースを挙げていきましょう。

①二人は付き合っていて、“俺”が“君”の機嫌を損ねてしまった
ケンカをして“君”が不機嫌になってしまい、機嫌を直してくれることを望んでいるシチュエーションです。
“俺”のことを許して、再び笑顔を見せてくれるかどうかは“君”が決めることなので、いくら“俺”が考えたところで「都合良すぎる筋書き」にすぎません。
また、機嫌を損ねるようなことをした自覚があるので、“君”の微笑みを取り戻すこと自体が「都合よすぎる筋書き」であることを重々理解しているのでしょう。
「霧が晴れたら」は、「気分が晴れたら」「スッキリしたら」「モヤモヤが晴れたら」「吹っ切れたら」「気持ちの整理がついたら」等の意味で、このケースでは仲直りに対してのことです。
また「二人でジュースでも」は、「ぼちぼちやり直しませんか?」と言っているような印象を受けます。
つまり“俺”は、仲直りのシナリオを考えながらも、悩み疲れて眠りに就くことしか出来ずにいる状態です。

②二人は別れていて、“俺”が“君”とやり直したいと考えている
「取り戻せたら」を「よりを戻す」の意味で考察した場合のシチュエーションです。
“俺”は今でも“君”にハートを奪われたままなので、未練タラタラで復縁を望んでいます。
「“君”の微笑み」は「いつもそばにあったもの」の喩えで、それを「取り戻せたら」なので、彼女として戻ってきてくれることを願っています。
ここでの「霧が晴れたら」も①と同じ意味ですが、こちらのほうが可能性は低そうです。
まずは二人でジュースでも飲みながら、久しぶりに話がしたいと考えていますが、あくまで“俺”の一方的な願望なので「都合よすぎる筋書き」だと言っています。

③友人関係だが、“俺”が“君”に恋心を抱いている
“俺”と“君”は友達以上恋人未満の関係で、お互いに悩みを相談するような間柄です。
そして“俺”は、楽しく会話をしているうちに“君”の笑顔に魅力を感じて、いつの間にかハートを奪われました。
しかし“君”はこの頃、何やら浮かない表情をしています。
仕事・恋・体調・家庭・その他のどれが原因かはわかりませんが、“君”が微笑むところを目にしません。
ここでの「霧が晴れたら」は、“君”の悩みごとに対してのことです。
本当なら“俺”が“君”の悩み事をすべて解決してあげたいところですが、恋人でも医者でも親族でもない“俺”には何もできず、「“君”の微笑み取り戻せたらもう何もいらない」と考えていること自体が「都合よすぎる筋書き」にすぎません。
悩み疲れて眠りに就くことしか出来ない状態に歯がゆさを感じています。

④“俺”の一方的な片思い
「二人でジュースでも」飲みましょうということですら「都合良すぎる筋書き」だという自覚があるので、二人はまだデートもしたことがないような関係です。
ヘタしたら、“君”が“俺”のことをまだ認識していない可能性も考えられます。
一例として、マクドナルドに客として来た“俺”は、店員の“君”からスマイルをもらい恋に落ちました。
しかし“君”はバイトを辞めてしまったのか、それ以来、姿を見かけなくなってしまいました。
ここでの「霧が晴れたら」は、「不安が解消したら」「胸をなでおろしたら」等の意味で、つまり“君”が今どこにいるのかがわかったらという“俺”の心境になります。
“君”からまた0円のスマイルをもらいたい“俺”は、いつか“君”とバリューセットのジュースを一緒に飲みながらデートがしたいと願っています。
なかなか気持ち悪いですね。

“俺”のハートを奪った“君”の笑顔をもう一度見たい。
そして、君のそばにいたい。
このままずっと。
願うのはそれだけ。
むずかしいかな?
というわけですね。

“君”は何してる?
笑顔が見たいぞと振りかぶってわがまま空に投げた“俺”の、「生」(=「愛」?)がテーマの曲でした。
ん?

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