椅子に座った途端、未来に飛んでいた。│手放した2週間 #3
「弾けてみる」と決めて飛び込んだ2週間。
銀座のギャラリーで、手放した人たちの表情を見てから2日後。私は長野行きの特急列車に乗っていました。
「手放す2週間」シリーズ、第三話です!
→第一話、第二話はこちら
長野・木曽に、「寝覚めの床(ねざめのとこ)」という場所があります。
浦島太郎が玉手箱を開けたと伝わる場所で……と書くと、なんだかのどかに聞こえるんですが、実際に行ってみると、巨大な岩がごろごろと重なり合う、なかなかの険しさで^^;

えーるさんが主宰する「木曽っていいとこ体感ツアー&味方学inねざめの床&百草パフェ」に参加するために来ていました。
一歩踏み出すたびに、こんなことだけ考えていました。
どこに体重をかける?
この岩、濡れてない?
次の一歩はどこ?
普段、命の危険のないアスファルトばかり歩いている私には、これが精一杯で。だって一歩滑ったら、岩と岩の間にサンドイッチになるんですから!

そのとき頭の中にあったのは、「いま」だけでした。
気になっていたこと、心配していたこと——ぜんぶ、消えていました。
◇◇◇
岩場を降りた後、えーるさんの「味方学ワークショップ」が始まりました。

大切な人の人生の味方でいるための場。守秘義務あり。初対面の方もいたけれど、なんだか最初から安心できる空気で。えーるさんが作る場って、不思議とそういう温度があるんです。
ペアのワークで「話したいことは何ですか」と聞かれた瞬間。
するっと出てきたのは、高2の娘のことでした。
研修先から帰ってくる。大きな行事の後は、いつも生活が乱れがち。どうなるのか。
そこでフィードバックが来ました。
「まだ起きていないことを心配してますね」
……えっ。
私、軽くのけぞりました。
さっきまで岩場では、ぜんぶ忘れていたのに。
椅子に座った途端、頭は「まだ来ていない未来」へ、するりと飛んでいました。
脳疲労で頭の中がいつもいっぱいだった、あの頃の私が、そのままそこにいました。
「未来を心配する力、強いな私……(内省×着想×未来志向)^^;」
でもひとしきり考えた結果、お腹の底から言葉が出てきました。
「娘は大きな体験をして帰ってくる。体験前の娘とは、違っている。だから今は、その体験に委ねていていい」
体験に委ねる、という言葉は、自然と浮かんだものでした。
「私をつくる100人対話」を重ねてきて、リアルで会って話すことが想像をはるかに超えたパワーをもたらすと、体で知っていたから。10代の娘はその何倍もの体験をしている。私の手を離れている。心配は、いらない。
気づいた瞬間に、ふっと、肩の荷が軽くなりました。
◇◇◇
ところで。
ツアーの締めくくりは「百草パフェ」だったんです。
木曽の名産・百草(ひゃくそう)を使った、気になるパフェ……なんですが、私、食べられませんでした。
次の目的地・静岡で断食をする予定があって、その準備食期間中だったから。えーるさんは返金くださいましたが、残念!
でもリベンジとして、百草入りのトローチとのど飴を買い込みました。

「弾けてみる」と決めて飛び込んだ旅で、私が最初に手放したのは、まだ来ていない未来への心配でした。
非日常の場所が、普段気づけない自分をふっと表に出してくれる。
頭で想像しても、体で知ることはできない——1本目に書いたこと、木曽でもう一度、体で確かめていました。
私たちはつい、「まだ来ていない未来」を心配して、いまを生きそこねます。 心配する力が強い人ほど、その重さに気づかないまま、頭をいっぱいにしている。
でも、ほんの少し「今」に戻れる場所があれば——その心配は、手放していいものだったと気づける。
あなたには、「今」だけになれる場所がありますか?
日常から少し離れたとき、何かが手放せた——そんな体験、ありますか?
手放す旅の続きは、静岡・伊豆高原にある「やすらぎの里」で断食をした話です!
▶木のお盆の朝ごはんで、脳内台風が止まった話
◇◇◇
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