とあるムラクラのひとりごと〜礼の書:型にとらわれない思いやり
「礼」と聞くと、型や作法を思い浮かべる人も多いだろう。
今の時代、それらが形式的に感じられる場面も少なくない。
だが、八犬伝で「礼」の珠を持つ犬川荘助が示したのは、誰にでも、たとえ敵に対しても節度と敬意を忘れない、凛とした心のあり方だった。
それは、他者との関係性から にじみ出るものであり、相手をきちんと見つめようとする姿勢、そのものだ。
自分は、それこそが「礼」の本質ではないかと考えている。
そう、推しのリアルアキバボーイズ(RAB)のムラトミさん(ムラさん)が、人と向き合う飾らない姿に、その本質が重なるように思えるのだ。
名呼びで伝わること
ムラさんは、自分を応援してくれる人の名前を、できるだけ覚えようとしてくれる。
一度きりの出会いであっても、名前で呼ぼうとする姿を、何度となく見てきた。
中でも印象に残っているのが、「バトルムライアル」という副題のついた個人イベントでの演出だ。
観客が舞台に上がる際、自分の名前を書いた段ボール製のネームプレートを首から下げることになっていた。
それはムラさんの手作りで、全員が次々に「死んでいく」演出の一環ではあったが、その過程で彼は、その人の名前を口にする。
さりげない仕掛けに見えて、きっと彼なりの工夫なのだろう。
無意識のうちにでも、目の前の人の存在を、きちんと覚えておこうとする意思がそこにある。
その声によって名を呼ばれたとき、誰もがきっと、その想いを受け取ることになるのだ。
自然体がにじませるもの
様々なイベントでムラさんを直接見たり、言葉を交わす機会があるが、彼はいつも自然体だ。
決してかしこまらず、むしろ静かに、「気にかけているよ」と伝えてくれているように感じる。
たとえば、以前参加した個人イベントや音楽イベントでのこと。
参加者が開場を待って列に並んでいると、ムラさんは控え室からふらりと姿を現し、ひとりひとりに軽く声をかけたり、手を振ったりしていた。
おそらく用事があって外に出てきたのだろう。
それでも、目の前の保護者(RABのファン名称)やムラクラ(ムラさんのファン名称)たちに感謝を伝える姿勢が、ごく自然に伝わってくる。
商業的なイベントであれば、運営が慎重になる場面かもしれない。
それでも彼にとっては、当たり前のことのようだった。
また、別の機会で、初対面にもかかわらず、推しであることが伝わった自分に、彼は満面の笑みで「ありがとう」と両手で手を握り返してくれた。
驚きと同時に、その真摯な気持ちがこちらに届き、言葉を失った。
ムラさんの人との距離感には、独特の温度がある。
ただ近づくのではなく、形式でも計算でも、単なる対応でもなく、彼なりのやり方で、相手にちゃんと関わろうとしてくれる。
きっと、それが彼なりの人との向き合い方なのだろう。
フォローに込める想い
ムラさんは、思ったことを素直に口にするタイプの人だ。
イベントのトークでも、動画の中でも、その場で感じたままの言葉がスッと出てくるように見える。
ときにはユニークでストレートな表現が飛び出すこともあるが、不思議と嫌な感じにならない。
それは、ふっと添えられる一言が、印象的だからだろうか。
「ごめん、言いすぎた」と照れ笑いしながら目を伏せるときもあれば、「もちろん本気じゃないから〜」と明るく補足を加えることもある。
言葉そのものだけでなく、所作や話しぶりの中に、相手を思う気持ちがにじんでいるのだ。
その表現がときに不器用に映ることもあるが、そこに込められたやさしさは、こちらの心にまっすぐ届く。
それもまた、ムラさんなりの「礼」のかたちであり、今も心に残る言葉がいくつもある理由なのだと思う。
ムラクラとしての礼
ムラさんを推すようになってから、名前を呼んでもらえたこと、noteの記事を読んでもらえていたことなど、思いがけない喜びに何度も出会ってきた。
そのたびに、「特別に見てもらえたのかもしれない」と、少し誇らしい気持ちがよぎったこともある。
けれど、それはきっと、自分だけの感情ではない。
多くのムラクラが、それぞれの場面で、小さなやりとりを心の支えにしてきたはずだ。
ムラさんが、一人ひとりを丁寧に見つめているからこそ、生まれるものだと思う。
ただそれだけに、noteに推し活記事を書くたび、迷いも生まれる。
どこまで踏み込んでいいのか。
この出来事を言葉にして、本当に大丈夫なのか。
知らず知らずのうちに、ムラさんやその周囲の人に負担をかけてしまわないか。
自分が届けたいのは、理想でも、「こうあってほしい」という願望でもない。
ムラさんが大切にしているものを、自分なりにそっと支えられたら、それでいい。
ときに言葉で、ときに行動で。
ささやかでも、あたたかく背中を押せるような存在でいたい。
それが、自分にとっての「礼」であり、ムラクラとしてのあり方でもあるのだ。
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