無職だ! 一輪車だ!! 人生は前のめりだ!!!|一輪車レポ
▍よし、無職になったから一輪車やるか。
やりたいことをやろうと思って一番に最初に頭に浮かんだのが一輪車だった。
昔、近所に一輪車に乗れる子がいたが、私は乗れなかった。
きっと私の人生にも一輪車を習得する分岐点があったんだろうが、そのルートを通ってこなかった。
なら、今だな。
ということで、一輪車に挑戦することにした。
▍ありがとう、国営昭和記念公園。
まず、一輪車をどう用意するかという問題が発生。
試しに通販サイトを調べてみたところ、10,000円はするではないか。
そもそも乗れるかもわからない、継続するかもわからない物にそんな大金はかけられない。こちとら無職である。
ならばレンタルだということで探してみたところ、国営昭和記念公園の立川口サイクルセンターで一輪車を貸し出していることがわかった。
関東はデカいな。探せば何でもあるもんだ。ありがたい。
▍一輪車の先輩を誘う。
未経験の競技に一人でチャレンジする勇気がなかったので、幼少期に一輪車を履修済みだという先輩を誘った。
なんでもこの先輩は、近所に一輪車と英語ができる謎のおばさんがいたそうで、その人に叩き込まれたそうだ。
一輪車と英語ができるおばさん、意味不明すぎて将来的に私もなりたい。
▍いざ、レンタル!
休日とあり、サイクルセンターの前には列ができていた。
自転車倉庫をチラッと覗くと、もうかなりガラガラ。
(まずい…。これは一輪車も厳しいか…?)
不安に思いつつスタッフさんに「一輪車はまだありますかね…?」と尋ねたところ、倉庫に通された。

選び放題じゃねえか。
なんで一輪車人気ねえんだよ。おかしいだろ。やれよみんな。
▍できそうに見えてできないな、これ。
公園には一輪車用の練習コースがある。
手すりのある一方通行のレーンで、初心者でも安心だ。
さっそく乗ってみる。
当たり前だけど全然自転車と違うなこれ。手すりを離せない。
まず姿勢が良くないとだめだ。前後どころか、左右の安定も難しい。
え、みんなこれをやってのけてるの??
はい、私この一件でわかりました。自転車ってね、甘えですわ。
二輪に頼ってる時点で覚悟がないよね。シャバい乗りモンだよ。
一輪車はね、「私がこの車輪を動かす。この上で生きるんだ」という気概がないとできないんですよ。
まあ今後も全然自転車乗るけど。
たまにできそうな瞬間はあるけど、上手くコツが掴めない。そんな時間が続いた。
「うああああ!!!!」と言いながら最悪顔から落ちて死ぬ覚悟で走り抜けたときは結構上手くいったが。
▍子どもは煽り運転しない。
一輪車コースには、ほとんど子どもしかいなかった。みんなお上手。
私がちんたら走っていると後ろの子どもたちに迷惑をかけてしまうので、先に行ってもらうようにしていた。
が、必ずと言っていいほど子どもたちが譲ってくる。
私(横によける)
子「どうぞ」
私「あ、いや、先どうぞ。私、下手なので」
子「お先どうぞ」
私「あ、いいんです。私、遅いので先行ってください」
このムーブを4回くらいやった。
自分の能力不足を子どもに自己申告するのは新鮮な情けなさで、かなり面白かった。
みんなすごくいい子だった。煽り運転とか絶対しない。
大人はこの子たちを見習った方がいい。
英検に引き続き、子どもの社会性がいかに優れているかを知った。
▍いいですか皆さん、人生は前傾姿勢です。
私は一向に上達しなかったが、ものの30分もしないうちに先輩が勘を取り戻した。
昔取った杵柄とはよく言ったものだ。さすが経験者。
そして「姿勢はちょっと前傾気味がいいかも!」とアドバイスをくれた。
確かに、後傾だとそのまま頭を打つだけだが、前のめりなら後ろに反ってバランスをとる余地がある。
にしても、「前傾が大事」……?
どこかで聞いたことがある。前傾の重要性には身に覚えがあった。
そうだ、フォークリフトの免許をとったときだ。あのときも後傾より前傾が良いと痛感した。
もしかして、何事も前傾が大事なんじゃないのか?
全力全開で突っ走ったら誰かに出会えたり、学んだり、楽しめるけど、ビビって行動しなかったら何も手に入らない。
一輪車は、それを教えてくれているのでは?
昔Perfumeが「恋は前傾姿勢」という曲を出していたが、声を大にして言いたい。
────恋だけじゃない、人生は前傾姿勢なのだと。
そんな一輪車哲学を繰り広げていたら日が暮れてきた。
レンタル前には、「満足して時間が余ったら公園散歩したらいいよね~」なんて話していたが、きっちり3時間やった。
なんならリミット1分前に返却し、ギリギリすぎてスタッフさんに笑われた。
▍大人の一輪車の代償
楽しかったが、筋肉痛が酷い。一週間くらい全身が痛かった。
一輪車は全身運動だと知った、2025年春。
聞けば先輩はこの2日後、あまりの痛さに有給をとったらしい。
本当に申し訳ない。
▍まとめ|大人たちよ、一輪車で出勤せよ。
結局、1日では一輪車習得とはならなかった。でも楽しかった。
乗りこなせる人はすごいなと思ったし、思いがけず人生観まで変わった。
人生前のめりで楽しんでいこう。
自転車は「役に立つもの」だけど、一輪車は「遊び」のイメージがある。
効率に傾く世界はつまらない。
私は一輪車で出勤する大人を見てみたい。
一輪車を前後に揺らしてバランス取りながら信号待ちしてる人が見たい。
遊びが日常に溶け込んでいる世界は、面白いと思うから。
