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Chapter7. 微小発酵体理論:その反響②

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斯くして事実があらゆる文脈で検証、確認された。微小発酵体はあらゆる生体組織のあらゆる細胞に始原から終焉の全期間に渡り存在する有形発酵体であり、バクテリア進化が可能な存在である。だがこの先住民的な存在様式の認識ではなく、ロビンの仮説で云う「自然発生の産物」や、Bacterium punctum、Monas crepusculum、Coccus、Micrococcus、点状発酵体、果ては分裂菌綱の胞子の名目で外来生物だと認識されるに至った。

即ち、私が固持する自律的解剖学元素の認識ではなく、ロビンの自然発生説と外来の侵入説が採用されたのだ!だがその場合、動物体の外部への閉鎖性や、腐敗しない内部培地のドグマの行方とは何か?

推察するに、微小発酵体が必須の解剖学元素と受容されることはなく、ドグマが放棄の一途を辿ることになる!実際、コルニル Cornil氏は、パスツール氏が微小発酵体を黙認する3ヶ月前の1886年2月に以下の通りに述べている。

パスツール氏は、組織や血液などの内部培地には、尿と同様、外来の侵入微生物を除いて存在しないと十分に実証しており、この傑出した同僚の実験結果は各国で確認済みである M. Pasteur a surabondamment démontré que nos tissus et milieux internes, comme le sang, ne renfermaient pas de micro-organismes, pas plus que l’urine, à moins qu’on en ait introduit venant du dehors, et les expériences de notre illustre collégue ont été vériflées en tous pays.

“Sur les promaïnes, les leucomaïnes et la théorie microbienne,”
Bull. De l’Acad. De Med, vol. ser.2, no. 15, pp. 239–261, Feb. 1886, ; p. 259

その後も私が提示する事実を悉く否定するコルニル氏は、微小発酵体の寄生体説を信じる人々の見解を認め、声高に訴える。

ネンキ氏とジャコサ氏両名は、microzyma(微小発酵体)なる言葉をmicrococcusの同義語と認識している MM. Nencki et Giacosa; mais ces derniers font du mot microzyma le synonyme de micrococcusこの同義性が認められた暁に分裂菌綱の属に過ぎぬとなれば、microzymaなる用語は廃れる筈であり、ベシャン氏の教義全体が雲散霧消することだろう et si l’on admettait avec eux cette synonymie, si le microzyma devenait simplement un des genres des schizomycétes, le mot microzyma devrait disparaître et toute la doctrine de M. Béchamps’ évanouirait

“Sur les ptomaïnes et la théorie microbienne,”
Bull. De l’Acad. De Med, vol. ser. 2, no. 15, pp. 651–656, Apr. 1886,; p.654

だがそれは何より困難である!当のパスツール氏が変質した血液に微小生物の存在を実験的に確認するや、より一層、微小発酵体という忌々しい用語を排除する必要性に駆られた氏は、ドイツに赴いてネンキ氏に助力を求めた。(コルニル氏曰く)ネンキ氏の返答は以下の通りである。

私の見解では、ベシャンの微小発酵体はmicrococcusかバクテリアの胞子のいずれかであり、分裂菌綱の胞子だという貴君の主張は完全に正しい。

このネンキ氏の返答はコルニル氏によって医学アカデミーへと伝えられた。

コルニル氏が束の間の安堵感を覚えようと、応じたネンキ氏が10年以上前に遡る自身の解釈を撤回できなかった以上、それは真の安堵ではない。実際問題、これは同義性や解釈の問題ではなく、パスツール氏の発表の2年後に氏自身が反駁した原理と事実の問題である。この原理と事実をネンキ氏は否定したのだろうか?争点はここにある。

争点である原理とは、私が1865年にデュマに宛てた書簡に記した通りである。

白亜と牛乳には既成生命体が存在する La craie et le lait contiennent des êtres vivants déjà développés,其々で観察されたこの事実は、非凝固量のクレオソートが凝乳化を抑制せず、また、外的援助もなく白亜が砂糖や澱粉をアルコール、酢酸、酒石酸、酪酸へ変化させるその抑制にもならぬ事実からも明らかである fait qui, observé par lui-même, est prouvé par cet autre fait, que la créosote, employée à dose non coagulante, n'empêche pas le lait de se cailler plus tard, ni la craie de transformer, sans secours étranger, le sucre et la fécule en alcool, acide acétique, acide tartrique et acide butyrique.

A. Bechamp,
“LETTRE DE M. BÉCHAMP A M. DUMAS,”
Ann. de Chimie, vol. 6, pp. 248–251, Sep. 1865, ;p. 251

翌年1866年、この"既成生命体”に私は微小発酵体と命名し、その命名で以てこれが有形発酵体である事実を強調した。この白亜と牛乳の連関が私の意図的なものだと分かるだろう。

実験に基づく原理、即ち、クレオソートは空気接触の制限された近成分の変質は阻害するが、発酵過程にある天然の有機物の変質に対する抑制効果はないという事実は論争を呼び、微小発酵体の実在、並びにそのバクテリア進化の能力は否定された。だがネンキ氏はこれら原理と事実の両方を認めた上、ビルロートとティーゲルの実験結果はその裏付けに過ぎないと断言した。

後に微小発酵体がBacterium punctumやMonas crepusculum、(歴史的にアニマルキュラと称された)分裂菌綱の胞子だと続け様に誤称されようと然したる問題ではない。これら多種多様な呼称は彼等が疑心暗鬼に陥った証明に過ぎないとだけ指摘しておく。だが本章の末尾では、微小発酵体の命名が最適な選択であり、是迄の説明通り、比類なき未知の分類系統に属す解剖学元素かつ生命体だと理解するだろう。

同時に、動物経済の外部に晒されたあらゆる組織と同様、血液は血管外では発酵現象により自然変質する組織だという原理は、パスツール氏の自白やコルニル氏の懇請によるネンキ氏の証言の双方から確実に支持される。

だがこの原理の認識を以てしても、組織たる血液という真理の正当性は不足だと言わねばならない。追加の一手が必要である。


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