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宇宙とつながる!天の浮橋に立つとは!?(大和言葉で読み解く古事記)

この記事は、大和言葉で読み解く古事記シリーズです。難解な神様の名前を大和言葉で一音一音紐解いて行くことで解説をしています。一番最初の冒頭から記事がありますので興味のある方は、是非ご覧なって下さい。

このシリーズの一番最初の記事は以下リンクよりご覧下さい。

前回のリンクは以下よりご覧下さい。

今回は、大八島の国産みが終わってからの神々の生成についておさらいをしておきます。

まず最初は、これから一大事業を起こすぞ!という役割の
オホコトオシヲ(事を興す)が誕生しました。
こうした目に見えない決意というか意識というか、そういうものもカミとして認識して表現するって、改めて凄いなあと感じます。

そして最初は、住居(スマヒ)ができました。
【住居に関連する神々】
イハツチビコ(岩)、イハスヒメ(砂)
オホトヒワケ(門戸)
アマノフキオ(屋根)
オホヤビコ(家屋)
カザモツワケノオシヲ(風など目に見えないものから守る)

次は、水の存在が明らかになりました。
【水に関連する神々】
オホワタツミ(海)
ミナト(水源)
ハヤアキヅヒコ(水の陽の作用)、ハヤアキヅヒメ(水の陰の作用)
アワナギ、アワナミ(水の溶解作用)
ツラナギ、ツラナミ(水の連結作用)
アマノミクマリ、クニノミクマリ(水の分配作用)
アマノクヒザモチ、クニノクヒザモチ(水の循環作用)

次は、風、木、山、野の存在が明らかになりました。
シナツヒコ(風)
ククノチ(木)
オホヤマツミ(山)
カヤノヒメ(ノヅチ)(野)

そして山と野に共通する以下の作用を明らかにしました。
【砂煙】  アマノサヅチ、クニノサヅチ
【霧】   アマノサギリ、クニノサギリ
【暗闇】  アマノクラド、クニノクラド
【戸惑い】 オホトマトヒコ、オホトマトヒメ

ここまでで、地球上の一定の環境が整ったわけです。

環境が整った後に出てくる神は何なのか!?
読み下し文の後に見ていきます。

既に国を生み竟えて、更に神を生みき。故、生める神の名は、大事忍男神(おほことおしをのかみ)。次に石土毘古神(いはつちびこのかみ)を生み、次に石巣比賣神(いはすひめのかみ)を生み、次に大戸日別神(おほとひわけのかみ)を生み、次に天之吹男神(あまのふきおのかみ)を生み、次に大屋毘古神(おほやびこのかみ)を生み、次に風木津別之忍男神(かざもつわけのおしをのかみ)を生み、次に海の神、名は大綿津見神(おほわたつみのかみ)を生み、次に水戸神(みなとのかみ)、名は速秋津日子神(はやあきづひこのかみ)、次に妹速秋津比賣神(はやあきづひめのかみ)を生みき。 この速秋津日子、速秋津比賣の二はしらの神、川海によりて持ち別けて、生める神の名は、沫那藝神(あわなぎ)、次に沫那美神(あわなみ)、次に頬那藝神(つらなぎ)、次に頬那美神(つらなみ)、次に天之水分神(あまのみくまり)、次に國之水分神(くにのみくまり)、次に天之久比奢母智神(あまのくひざもち)、次に国之久比奢母智神(くにのくひざもち)。次に風の神、名は、志那都比古神(しなつひこ)を生み、次に木の神、名は久久能智神(くくのち)を生み、次に山の神、名は大山津見神(おほやまつみ)を生み、次に野の神、名は鹿屋野比賣神(かやのひめ)を生みき。亦の名は野椎神(のづち)と謂う。 この大山津見神、野椎神の二はしらの神、山野によりて持ち別けて、生める神の名は、天之狹土神(あまのさづち)、次に國之狹土神(くにのさづち)、次に天之狹霧神(あまのさぎり)、次に國之狹霧神(くにのさぎり)、次に天之闇戸神(あまのくらど)、次に國之闇戸神(くにのくらど)、次に大戸惑子神(おほとまとひこ)、次に大戸惑女神(おほとまとひめ)。 次に生める神の名は、鳥之石楠船神(とりのいはくすぶね)、亦の名は、天鳥船(あまのとりふね)と謂ふ。次に大宜都比賣神(おほげつひめ)を生みき。次に火之夜藝速男神(ひのやぎはやを)を生みき。亦の名は火之炫毘古神(ひのかがびこ)と謂ひ、亦の名は火之迦具土神(ひのかぐつち)と謂ふ。この子を生みしによりて、みほと炙かえて病み臥せり。たぐりに生れる神の名は、金山毘古神、次に金山毘賣神。次に屎に成れる神の名は、波邇夜須毘古神、次に波邇夜須毘賣神。次に尿に成れる神の名は、彌都波能賣神、次に和久産巣日神。この神の子は、豊宇氣毘賣神と謂ふ。故、伊邪那美神は、火の神を生みしによりて、遂に神避りましき。 凡べて伊邪那岐、伊邪那美の二はしらの神、共に生める島、一十四島神、三十五神。

次に生める神の名は、鳥之石楠船神(とりのいはくすぶね)、亦の名は、天鳥船(あまのとりふね)と謂ふ。

船(フネ)と名の付く神様が誕生しました。
大八島という国土が整った後に、大事業を興す神が誕生し、そして、住居、水、風、木、山、野という環境が整いました。
その後ですので、食べ物を確保すること、船を用いて海や川や湖に出て魚を採取するという大きな役割があると思います。

ただそれだけではなく、大和言葉で紐解いて感じていくともっと深い意味があるように思うのです。
それを見ていきましょう!

ト 閉止
リ 変化活動(生命、強さ)
ノ 接続
イ 生命、活動、強さ
ワ 円満、充足
ク 結合
ス 先鋭、突出、占有
ブ 振動、上から下る
ネ 根元(にかえる)

トリは、鶏(トリ)と書いて神の使いと言われていたりしますので目に見えない本質であるカミとのつながりをイメージする物なのかと感じます。生命的な変化活動が止まった一点(トリ)がカミの世界と接続している雰囲気、それをトリノと表現したのかなあ、なんて感じます。

イワクスは、満たされている命が組み組まれて結合し統べられている様子

フネ 振動しながら根元に帰っていく。波で上下に揺れながら水平線に消えていく様子なのでしょうね。

またの名が、アマノトリフネということで、アマノという宇宙的なという名がついているので宇宙(アマ)との行き来をすることができる船と捉えることができるのではないかと感じています。
宇宙(アマノ)という目に見えない世界との行き来するためのものが、トリノイワクスブネ(アマノトリフネ)だと。
これは、「天の浮橋」に立つための重要なアイテムだと思うのです。

少し、説明が必要ですね。
「天の浮橋」とは、イザナキノミコトとイザナミノミコトが修理固成を行うときに立っていた場所です。これは、大事業を行う時には、立ち位置が大切であるということだと解釈できます。

ハシですので、外に出ていって二つのものをつなぎ統一するものが大和言葉のハシです。
では、何と何をつなぐのかといえば、天と地、すなわち目に見えない大宇宙(アマノ)の働きである根源と今自分自身がコトを起こそうとしている現実の目の前のことです。

合気道の修行をしているのですが、合気道では、浮橋に立つことが重要であるとの教えがあります。
目の前の人に技をかけるためには一定の術理によって目の前の人の身体を操作する技法が必要となります。一方で、自分自身の身体を整え、自分から大いなる気の流れを作り出し、目には見えない根源的な力を身体に通す伝導体とならなければなりません。
この両方を実現するためには、天の浮橋に立つ必要があります。
目の前の現実世界での術理だけを鍛えても技は痛いだけだったり力まかせになってしまったりと上手くいきません。かといって、術理をおろそかにして気の流れだけを追い求めて技をかけようとしてもこれも上手くいきません。
両方のバランスがとれた天の浮橋に立つことが大事なのです。
これを瞑想状態に入るといいます。スポーツの世界だとゾーンに入るといった表現になります。
自分の意思で自分の身体を操作しているのだけれども半分は自分の意思ではない大いなる力、宇宙の根源なる力によって動かされているといった感覚です。

このように事を起こすには、トリノイワクスブネ(アマノトリフネ)によって現世(目に見える目の前の世界)とあの世(目に見えない宇宙の根源的力)を結び、意識と身体をバランスのとれたところに置かなければいけませんよと示唆してくれていると思うのです。
(長くなったけど、伝わったかあな汗)
これは、めちゃくちゃ凄いことを教えてくれているなあとビックリします。

大八島という国土ができた後に、住居、水、風、木、山、野といった環境を整えて、その直後に、目の前の環境が全て整ったけれども現世だけでは大きな仕事はできないですよ。宇宙的な大いなる力とつながる必要がありますよと教えてくれているのです。

天の浮橋に立つには、瞑想状態(ゾーン)に入る必要があるのですが、どうしたら入れるのか、それは日々修行の道を歩むしかないですね💦
現在の僕がこれがコツかなと感じていることは、
祈り
禊祓い
丹田呼吸(ハラまでの深い呼吸)
気の流れに乗る
何かにとらわれない(評価や見返りを求めない)
心の底から楽しんで行う
本気でやりたいと思っている事を行う
という感じです。

次に大宜都比賣神(おほげつひめ)を生みき。

オ 偉大、重要
ホ (緩やかな)出現、秀でる
ゲ 表面(に起こる事)
ツ 付着、つながり続く
ヒ 氣の力、エネルギー
メ 可愛らしいもの(への愛)

天の浮橋に立たないとコトは起こせませんよということを教えてくれた後に登場する神様が五穀の神と言われる「オホゲツヒメ」というのがすごいですね。
食物を育てる農業というコトを成し遂げるためには、目の前のことだけでなく目に見えない祈りなどを行うなど「天の浮橋」に立つ努力が必要だというコトを示唆しているんだと感じます。
だから、田植えをする5月とか収穫の時期である9月に五穀豊穣を祈ったり感謝したりする祭りを行うことが風習として現代社会まで続いてきているのかなあなんて思います。

今回は、ここまで。

住居や水、風、木、山、野という環境が整い、魚を獲る船ができて、コトを起こすには天の鳥船に乗って浮橋に立たないとダメですよという教えがあり、そして五穀が誕生しました。
環境と食物とが誕生した後には、どんな神様が登場するのでしょうか!?
次回も是非、楽しみにして下さい。

最後までお読みくださりありがとうございます。

続きの記事は以下のリンクよりご覧下さい。

【参考文献】
古事記 倉野憲司校注 岩波文庫
縄文のコトダマ 林英臣著 博進堂
やまとことば伝説 林英臣著 博進堂
大和言葉の世界観 河戸博詞著

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