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【文学フリマ挑戦】#17 記事整理、ようやく話が始まった気がした。|MMPP Publishing

▶ 1つ前のお話はこちら

「過去記事にも価値があります」

相談相手はそう言った。

私は画面を眺める。

数字は動いていない。誰かが読んだ形跡もない。

「ですから、整理してるんです」
「整理?」

「全話に【ラベル】を付けてみました」

「読者ファーストです。気になるものだけ切り取ってもらえるように」

「それで読まれるんか?」
「分かりません」

私は腕を組んだ。

「価値って何や?」
「積み上げた記録です」

「読まれてへんやん」
「それでも残るものがあります」

 私は椅子にもたれた。

 正しい、きっと正しい。
 でも、どこか違う。

「なあ」
「はい」

「読まれない資産は、私にはゴミとの差がわからへん」

 沈黙。

 少し言い過ぎたかと思った。

 相談相手は反論しなかった。
 代わりに、考えているようだった。

 長い沈黙のあと、ようやく口を開く。

「なるほど」

「ん?」

「あなたは資産を守りたいんじゃないんですね」

 私は思わず顔を上げた。

「試したいんですね」
「そうや」

「失敗するかもしれませんよ」
「別にええ」

「レーベルが消えるかもしれません」
「また作る」

「記事が全部なくなるかもしれません」
「また書く」

 相談相手は少し黙った。

 それから小さくうなずく。

「分かりました」

 私は待つ。

「では」

 相談相手が言った。

「次は、どの記事を変えますか?」

 私は少し笑った。

 ようやく話が始まった気がした。


▶ #18 一番読まれていた記事を、ピン留めから外した話
# 16 どうしようか問題

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