只見線二都紀行〜③只見線、立ち往生編
会津若松駅(福島県会津若松市)と小出駅(新潟県魚沼市)を結ぶ只見線に乗った話と、起点の会津若松市と終点の魚沼市周辺をうろついた話をする只見線二都紀行の第3回目。今回は早朝に会津若松を出発する只見線に乗ったら、終点小出の一駅前で立ち往生してしまった話。
難所・六十里越え区間に突入
只見を出ると、次の駅である大白川(新潟県)までは20.8km、時間にして約30分かかる。六十里越という県境の峠である。1里は約4キロだから、240kmあるという計算になる・・・が、実際は6里(24km)ほどで、この峠を越えるにはその10倍くらいの苦難があるということで、六十里越と名付けられたという(諸説あります)。なお、両駅間にはかつては途中に田子倉という駅があった。
峠までは登りで、ゆっくりゆっくりと上がっていくが、峠を越えると軽やかに流れるように下り坂を下っていく。

(新潟県側)
米どころ・魚沼産コシヒカリのふるさとを走る
新潟県側に入ると魚沼市の市域。魚沼産コシヒカリで有名なだけに、それまでの山深い渓谷風景に代わって、田園風景が増えてくる。

元より寒い地域なのだろう
新潟県側最初の駅・大白川駅あたりは山菜の名産地。今年は春が一気に来てしまった関係で、山菜も一気に成長してしまい、収穫が間に合わず、結果として収穫量が少なかったとのこと。山菜は中山間地域の貴重な現金収入と聞く。
旧・入広瀬村の中心駅である入広瀬、旧・守門村の中心駅である越後須原と、地元の人数人の乗車がある。また、天気がいいせいか、沿線で鉄道写真を撮る人たちもチラホラ。只見線の特徴は、いわゆる撮り鉄と呼ばれる鉄道写真ファンもさることながら、地元の農家の人や住民など、地域住民がアマチュアカメラマンとなって、日頃から撮影をする姿が多いことだ。

あと一駅の薮神駅で、突然の停車
緑の田園風景のなか、終点に向かって走る1両編成の只見線。只見線最後の駅・薮神駅を出発して、動き始めた次の瞬間、ガクン、という音とともに再停車した。誰か乗り遅れたのか、それとも線路上に異常があったのか?

ワンマンなので車掌はいない。運転士が客席にやってきて地声でこう話す。
「この先、上越線が停電のため不通になっている関係で終点小出駅に入線することができません。」
復旧の見通しが立たないということで、乗客の行き先を一人一人尋ねていく。東京に戻る人、今日中に盛岡まで行かなければならない夫婦、長岡に行く地元の人、折り返しいま来た只見線で会津若松に戻る人・・・20人ほどの乗客だが、この後の行程はさまざまだ。運転士は、その一人一人の事情を確認して、指令に連絡をしてくれているようだった。
やがて、六日町駅にあるバス会社に手配した大型バスがこちらに向かっているとの説明があった。到着には1時間ほどかかり、薮神駅に接続する道は狭いので、並行する国道にある駐車場に来たら、そこまで運転士が誘導してくれるという。
私は、とりあえず浦佐駅まで行ければ、周辺で昼食を食べて観光をし、夕方には小出の市街地で行われる会合に出られればいい。最悪でも夕方前に小出駅に着けば何とかなるので、あと一駅(約4km弱)を歩くことも考えたが、折しも炎天下、素直に代行バスが到着するのを待つことにした。

さて、このあとの運命はいかに…
(次回につづく)
