職業訓練校を卒業したら、「意識の低い組」が一番しぶとく生き残っていた話
職業訓練校に通っていた話を、以前少し書いたことがある。
Webについてを体系的に学べる学校だ。
少し前、その頃の同級生たちと集まる機会があった。
卒業したのは16人。
集まったのは先生を含めて11人。
「みんなどうしてる?」
そんな近況報告大会になると思っていた。
でも帰りの電車で私が考えていたのは、
「能力って、何なんだろう。」
そんなことだった。
職業訓練校に来る人って、意外とこんな感じ
まず誤解のないように言うと、私はちゃんと勉強したいことがあって入学した。
これは本当である。
ただ、それ以上に大きかった理由もある。
2か月で会社を辞めてしまい、
「もう面接という文化にしばらくは触れたくない。」
という気持ちが8割を占めていた。
心が折れていた。
半年くらい現実逃避しながらパソコンを触れる場所が欲しかった。
それが本音だった。
で、実際に入ってみると。
思っていたより、似たような人が多かった。
「身体壊したから次は非正規くらいで穏やかに生きたい。」
「失業手当もらえるから来た。」
「働きたくない。不労所得ほしい。」
安心した。
同じタイプの人類だった。
もちろん、
「絶対Webデザイナーになる!」
という、キラキラした人たちもいた。
でも体感では2割くらい。
残りはそれぞれ事情を抱えながら、なんとなくここへ流れ着いた人たちだった。
半分辞めた
しかも、入学した頃は30人近くいたクラスが、卒業する頃には半分くらいになっていた。
理由はシンプル。
課題が多すぎる。
レビュー。
提出。
レビュー。
提出。
レビュー。
毎日提出物に追われ、
「聞いてない。」
と言って去っていく人も少なくなかった。
そんな中、私と友達は
「働くよりはマシ。」
という、人生であまり誇れない理由で見事卒業した。
胸を張ることではない。
涙涙の卒業式
でも。
卒業式の日だけは、様子がおかしかった。
あれだけ
「課題やりたくない。」
「レビュー怖い。」
「今日も帰りたい。」
と毎日のように愚痴を言い合っていた人たちが、
最後はみんな泣いていた。
「この半年、本当に楽しかった。」
「みんなと勉強できた時間は財産だった。」
口々にそう言っていた。
正直、私はその光景を見ながら思っていた。
いや、みんな本当にその涙?
「卒業したらまた働かなきゃいけない」が8割くらい混ざってない?
と。
でも、あの半年がかけがえのない時間だったことだけは、本当だった。
課題は嫌だった。
レビューも嫌だった。
ポートフォリオなんて燃やしたかった。
それでも、一緒に「しんどい」を笑いながら乗り越えた仲間がいた。
だから最後は、あんなに泣けたんだと思う。
そして同窓会
そんな"意識低い組"が今どうしているのか。
それを知りたくて集まった。
ここからが、思っていたよりずっとリアルだった。
Web業界へ進んだ人は少なくない。
でも、お酒が進むにつれて、本音がぽろぽろ出てくる。
「デザインはAIがやるから。」
と言われて、入社1か月で辞めた子。
制作担当なのに、制作をほとんどさせてもらえない子。
ディレクションばかり任されて、転職を考えている子。
そして。
卒業してしばらく経っても、就職が決まらなかった子。
その中には、
私が授業中ずっと
「この人には一生勝てない。」
と思っていた人もいた。
だから、その子が苦戦していると知った時、
嬉しいなんて一ミリも思わなかった。
怖かった。
「じゃあ私は何なんだ?????????」
と思った。
私は先生を最後まで困らせていた
思い返すと、先生に何度も聞かれた。
「で、もふおみさんは何を目指してるの?」
毎回困った。
本当に分からなかったから。
Webデザイナー?
違う。
マーケター?
違う。
ディレクター?
違う。
正直、夢なんてなかった。
「なんかまたクリエイティブっぽい仕事ができたらいいな〜〜〜〜〜〜」
そのくらい。
だから就職活動でも、
デザインだけ。
制作だけ。
そんな縛りは一切なかった。
SNSでもいい。
ECでもいい。
マーケティングでもいい。
とりあえずWeb業界に入れればいい。
そもそもWebにすら絞っていない。
入口は何でもよかった。
結果
だから今。
私は少しデザインもやる。
SNSもやる。
企画もやる。
ライティングもやる。
イベントもやる。
気付けば、
「結局何屋なんですか?」
と聞かれる側になっていた。
正直、私もよく分からない。
でも。
2か月で辞めたあの会社より、
100倍楽しい。
能力じゃなかった
同窓会の帰り道、ずっと考えていた。
能力があれば報われる。
努力すれば夢は叶う。
もちろん、それは間違っていない。
でも。
未経験の就活だけは少し違う気がした。
「絶対これじゃなきゃ嫌。」
という強い夢が、
時々、自分の可能性まで狭めてしまう。
私は逆だった。
夢がなかった。
だから、なんかいい感じのとこに流れ着いた。
結果的に、その流れ着いた場所が居心地よかった。
キャリア指導の先生は最後まで
「もふおみさんは何を目指してるの?」
と聞いていた。
最後まで答えられなかった。
でも今なら思う。
あの時、答えられなくて案外よかった。
夢がなかったから、遠回りできた。
夢がなかったから、寄り道できた。
そして、その寄り道の先で、今の仕事に出会えた。
だから今はこう思う。
夢がなかったから、行き止まりがなかったんだな、と。
もふおみ
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