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失恋した翌日に髪を切った。J-POPみたいなことをする日が本当に来るとは思わなかった。


※この記事は、前回書いた▼の続きです


7年くらい好きだった人に、自分から別れを告げた翌日。

私は髪を切りに行った。

……ラブソングか?

私は昔からaikoさんが大好きだ。

「失恋したら髪を切る」なんて、まさにJ-POPの主人公みたいな出来事が、自分の人生で起こるなんて思ってもみなかった。

もちろん、夏が近くて暑かったのもある。

でも、それだけじゃない。

美容室を予約したあとで、私は気づいた。

髪を切ることは、100%自分で決められることだ。


私はずっと、相手の領域ばかり見ていた

彼はどう思っているんだろう。

返信は来るだろうか。

また会えるだろうか。

全部、「相手の領域」の話だった。

私はその答えを7年間探し続けてきた。

でも、そのどれも、自分では1ミリもコントロールできない。

一方で、髪を切るかどうかは、自分で決められる。

誰の返事も待たなくていい。

誰の許可もいらない。

だから私は無意識に、

「ここからは、自分の人生を自分で動かそう」

と思ったのかもしれない。

もう、人にどう思われるかなんて、どうでもよくなっていた。


未練がなくなったから切るんじゃない

ドラマやラブソングでは、

「髪を切った=未練を断ち切った」

みたいに描かれることが多い。

でも実際は違う。

未練はある。

悲しい。

でも、それでいい。

未練がゼロになったから切るんじゃない。

「未練があるままでも、このままではいられない」

そう思ったから切るのだ。

彼に送った

「もう連絡しないね」

というLINEも同じだった。

彼を変えたかったわけじゃない。

自分の人生を前へ進めたかった。

だから私は、「訣別」というより、

「自分を取り戻すための儀式」

だったんだと思っている。


……ところで私は美容室があまり好きじゃない

ここで急に話が変わる。

私は10年くらい同じ美容師さんに切ってもらっている。

腕は本当に上手い。

でも毎回、

ちょっとした説教というか、

人生相談というか、

ありがたいアドバイスというか。

毎回結構疲れる。

相手もサービス業なのに、なんで私がこんなに気を遣ってるのか???」

と思いながら帰る日もある。

でも今さら変えるのも面倒だ。

昔一度違う美容室へ行ったら、見事に髪型が事故ったし。

だから結局、

「ちょっと疲れるけど慣れている」

を選び続けていた。


……あれ?

ここまで書いていて、急に気づいた。

これ、美容室だけじゃない。

彼にも。

美容師さんにも。

私は人生のいろんな場面で、

「なんで私ばっかり気を遣ってるんだろう」

と思っていた。


世の中の転職エージェントは、もう少し人の話を聞いてほしい

転職活動中の話。

希望とは180度違う求人ばかり紹介してくるエージェントがいた。

普通なら

「興味ありません」

で終わる話だ。

でも当時の私は、

「せっかく紹介してくれたし……」

と申し訳なくなってしまい、

入る気もない会社の面接まで受けていた。

……いや、本当に時間の無駄だった。

当時の自分を全力で止めたい。

そんなある日、その担当者に言われた。

「もふおみさんって、サービス精神が旺盛なんですね。」

さらに、

「営業向いてますよ。」

とも。

私は営業なんて絶対に向いていない。

車の免許もない。

飲み会も苦手。

場を盛り上げるのも苦手。

だから必死に「営業だけは嫌です」と説明していた。

すると担当者は、

「『嫌われる勇気』って知ってます?」

と言った。

当時は

「何を言ってるんだ、この人」

と思って終わった。

でも30代になった今なら少し分かる。

私は「嫌われる勇気」がないんじゃない。

気を遣わなくていい相手にまで、自動的に気を遣ってしまう人だった。


境界線を引くことは、冷たいことじゃない

前回の記事で、

「白黒は相手がつけてくれるものじゃなかった」

と書いた。

今回、髪を切って、

美容室へ行って、

昔の転職活動まで思い出した結果、

結局たどり着いたのは同じ場所だった。

全部、境界線の話だった。

人との間に線を引くこと。

それは冷たいことじゃない。

「ここから先は私が背負わなくていい。」

そう決めることだ。

美容師さんも。

仕事も。

恋愛も。

「昔からだから」

「せっかく紹介してくれたから」

「悪い人じゃないから」

そんな理由だけで、自分がすり減る関係を続けなくてもいい。

私はようやく、

「ねえ、私ばっかり気を遣ってない?」

と立ち止まれるようになった。

たぶんこれが、30代になってから少しずつ育ってきた"自我"なんだと思う。

7年は長かった。

遠回りもした。

無駄だった時間も、きっとある。

でも、その遠回りがあったからこそ、

私はようやく、自分と他人との境界線を覚えられた。

だから、あの日美容室で

「私ばっかり気を遣う人生」も、ほんの少しだけ切り落とせた気がしている。

もふおみ


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