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LIVE HOUSE fr404|第4回「半年後」

十七時十九分。
階段を降りる。
ドアを開ける。

「お疲れさまです」

「お疲れさまです」

ゆーりんが受付にいた。
紙コップを並べている。

「今日早いですね」

「早く来ました」

「何時までです?」

「二十時半くらいには出たいです」

「何かあります?」

「電車」

スマートフォンを見せる。

二十時五十分。

「これ逃すと面倒なんで」

「大塚さんに言いました?」

「まだ」

大塚が奥から出てくる。
ゆーりんが言う。

「今日、二十時半前に出てもいいですか」

「何時?」

「二十時五十分の電車乗りたいです」

「じゃあ二十時二十分くらいで上がっていいよ」

「ありがとうございます」

「明日早いの?」

「六時半からです」

「早」

「なので帰ります」

ゆーりんのスマートフォンが震えた。
画面を見る。
《MAXPiece》

その下に、
《越後湯沢 次のスタジオ、十九時入りで》
と出ている。

「MAXPiece?」

「バンドです」

「そうなんですね」

ゆーりんは通知を開く。
《了解》
送信する。
画面を伏せる。

「明日の六時半もそっちですか」

「それは仕事です」

「別なんですね」

「別です」

ゆーりんは紙コップへ戻る。

十七時三十三分。
予約表を確認する。

今日の名前。
人数。
追加分。
一つずつ見る。
ゆーりんが財布を開く。

「現金ない」

「コンビニ行きます?」

「あとでいいです。電子で何とかします」

宮内がドリンク側から言う。

「ご飯買うならここ現金しかないとこ多いですよ」

「じゃあ帰り駅で買います」

ゆーりんは財布をバッグへ戻す。
大塚が予定表を持ってくる。

「柴崎、今日これ追加」

名前が二つ。

「二名ですか」

「片方二名。片方一名」

書き足す。

「ゆーりん、ドリンク入れる?」

「はい」

宮内が冷蔵庫を見る。

「水はあります」

「氷?」

「大丈夫です」

ゆーりんが紙コップの束を持って奥へ行く。
私は受付に残る。

十七時五十二分。
出演者が入る。

ケース。
バッグ。

「お疲れさまです」

「お疲れさまです」

「今日、楽屋どっちですか」

「奥の右です」

通っていく。
その後ろからもう一人。

「物販、どこ置けばいいですか」

大塚を見る。

「今日は壁側」

「壁側でお願いします」

机を一つ寄せる。
通路を空ける。

十八時七分。
スマートフォンを見る。
仕事のグループに通知はない。

カレンダー。
明日。
《仕事》
時間はまだ入っていない。
閉じる。

十八時二十分。
ゆーりんが受付へ来る。

「今、何人くらいです?」

予約表を見る。

「予約はこれで全部です」

「当日来ます?」

「分かんないです」

「ですよね」

大塚が言う。

「来たら入れる」

「はい」

ゆーりんはドリンク側へ戻る。

十八時半。
開場。
最初の客。
名前。
料金。
ドリンクチケット。

次。
一人。

次。
二人。

次。
予約表にない。
スマートフォンを出す。
グループの予約写真。

名前がある。
紙へ足す。
料金。
チケット。

十八時五十二分。
客が切れる。
受付のチケットを足す。
レジを見る。
予約表。
入口。

宮内がドリンク側から言う。

「紙コップもう一束お願いします」

「はい」

箱から出す。
持っていく。
ゆーりんが氷を足している。

「そこ置いてください」

「はい」

受付へ戻る。

十九時七分。
遅れて客が一人来る。

名前。
予約。
料金。
チケット。

十九時二十二分。
転換。
ゆーりんが受付へ来る。

「今何時です?」

「十九時二十二分」

「まだ大丈夫」

「二十時二十分でしたっけ」

「そのくらい」

ゆーりんがスマートフォンを見る。

カレンダー。
今日。
《fr404》

別の日。
《MAXPiece リハ》

その下に、
《仕事》

いくつか予定が並んでいる。

通知が一つ。
《MAXPiece》
本文は開かない。
スマートフォンをポケットへ戻す。

次の組が始まる。

十九時四十分。
客が二人来る。

一人目。
予約。

二人目。
当日。

料金。
チケット。
ゆーりんはドリンク側。
宮内が空いたコップをまとめる。
私は受付。

大塚は客席側。

二十時二分。
客が一人受付へ戻る。

「一回外出ます」

半券を渡す。

「戻る時これお願いします」

「はい」

客が階段を上がる。

二十時十九分。
ゆーりんがバッグを受付横へ持ってくる。

「そろそろ出ます」

時計を見る。

「今出ても大丈夫ですか」

客席を見る。
大塚を見る。
大塚が手を上げる。

「大丈夫」

「お疲れさまでした」

「お疲れさまです」

宮内が奥から言う。

「お疲れさまです」

大塚も、

「お疲れ」

と返す。

ゆーりんが上着を着る。
スマートフォンを確認する。

階段を上がる。

二十時二十三分。
ドアが閉まる。
すぐに開いた。
男が一人入ってくる。

「当日いけますか」

「大丈夫です」

料金を受け取る。
ドリンクチケットを渡す。
男が客席へ入る。
受付へ戻る。
レジ。
予約表。
チケット。

紙コップの箱を奥へ戻す。

二十時四十一分。
宮内が受付へ来る。

「ゆーりん間に合いますかね」

「あと九分くらいです」

「近いから大丈夫じゃないですか」

客が来る。
会話が止まる。
名前。
料金。
チケット。

二十一時過ぎ。
スマートフォンが震えた。
グループ。
ゆーりん。
《電車間に合いました》
《よかったです》
返す。

その下に別の通知。
自分の仕事のグループ。
《明日9:30集合に変更です》
カレンダーを開く。

明日。
《仕事》
9:30。
保存。
アラームを開く。

7:00を7:30へ変える。
スマートフォンを置く。

二十一時十七分。
客が一人来る。
予約。
料金。
チケット。

二十一時三十六分。
大塚が受付へ来る。

「あと来てない?」

予約表を見る。

「一人です」

「多分来ない」

「そのままですか」

「そのままで」

「はい」

宮内が水を補充する。

「明日七時半ですか」

「九時半集合になりました」

「じゃあ七時半?」

「そのくらいです」

「私ならもっと寝ます」

「間に合わないです」

宮内が笑う。
客席から音がする。
会話はそこで終わる。

二十一時五十四分。
終演。
客が出る。

「ありがとうございました」

入口。
レジ。
予約表。
ドリンクチケット。
宮内がコップを集める。
私はゴミ袋を替える。

大塚が数字を見る。

「合ってる」

「はい」

予約表を外す。
今日の紙を受付の下へ入れる。

二十二時十八分。
冷蔵庫を見る。
水。
コーラ。
烏龍茶。
残りを数える。

宮内へ伝える。

「水は大丈夫です」

「コーラは?」

「六本くらいです」

「次足せば大丈夫ですね」

「はい」

二十二時三十五分。
店を出る。
駅前のコンビニへ入る。
飲み物とパンを取る。
会計。
店を出る。

スマートフォンが震える。
仕事のグループ。
《資料は各自持参でお願いします》
確認する。
改札を通った。

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