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同じ支持率調査なのに、なぜ数字が違うの?――質問の「順番」が、答えを変えてしまう理由

新聞社やテレビ局が発表する、内閣支持率。

同じような時期に調査しているのに、

「あれ?」

と思うことがあります。

A社では30%台。

B社では40%台。

聞いていることは、

どちらも「内閣を支持しますか?」という、よく似た質問です。

なのに、なぜ数字がこんなに違うのでしょう?

もちろん、

「どちらが正しいのか」

を決めたいわけではありません。

今回、考えてみたいのは、

同じような質問でも、答えが変わるのはなぜなのか?

ということです。

そして、この疑問を追いかけていくと、

世論調査の話だったはずが、

会議。

1on1。

社員アンケート。

顧客ヒアリング。

採用面接。

取材。

私たちが仕事で「人に何かを聞く場面」に、そのままつながっていきます。

この記事で持ち帰っていただきたいのは、

支持率の読み方ではありません。

「何を聞くか」だけでは足りない。
「何を、どの順番で聞くか」までが、問いの設計である。

という仕事のヒントです。


気になったのは、「質問の中身」ではありませんでした

このことを考えるきっかけのひとつになったのが、

世論調査を比較した動画でした。

そこでは、皇室制度をめぐる質問について、

ANNと朝日新聞の調査で回答傾向に違いがあったことが紹介されていました。

そこで注目されていたのが、

質問の「順番」

です。

メモでは、

先に受けた質問が、その後の回答に影響する現象を、

「質問順序効果」

と説明しています。

ここで、ひとつ疑問が浮かびます。

人は、本当に、

目の前の一問だけに答えているのでしょうか?


同じ質問でも、「その前」が違う

たとえば、

最後に、

「あなたは、この政権を支持しますか?」

と聞くとします。

その前に、

「物価高への対応をどう評価しますか?」

「社会保障政策をどう評価しますか?」

「外交政策をどう評価しますか?」

と聞かれていた場合。

一方で、

その前に、

「景気対策をどう評価しますか?」

「賃上げの動きをどう評価しますか?」

「災害対応をどう評価しますか?」

と聞かれていた場合。

最後の質問は、

同じです。

でも、答える瞬間に、

頭の中に浮かんでいることまで同じでしょうか。

人は、

一問一問を真っ白な状態で受け取っているとは限りません。

その前に、

何を聞かれ、

何を思い出し、

何について考えたのか。

その流れの中で、

次の質問を受け取っています。


ここで、「順番」に懐中電灯を当ててみる

私たちはアンケートを見ると、

まず、

「何を聞いているのか?」

を見ます。

でも、

もう少しだけ視点をずらしてみます。

その質問の前に、何を聞いているのか?

です。

質問には、

答えを集める働きだけではありません。

相手の注意を、

ある方向へ向ける働きもあります。

たとえば、

「今回、何が問題でしたか?」

と聞けば、

人は「問題」を探します。

「今回、何がうまくいきましたか?」

と聞けば、

人は「成功したこと」を探します。

「誰に責任がありますか?」

と聞けば、

人を見る。

「どうすれば再発を防げますか?」

と聞けば、

仕組みを見る。

同じ出来事を前にしていても、

問いによって、

見る場所が変わります。

私は、

問いは懐中電灯のようなもの

だと考えています。

暗い部屋の中で、

右を照らせば、

右側が見える。

左を照らせば、

左側が見える。

問いも同じです。

どこへ問いを向けるかによって、見える景色が変わります。


では、「問いの順番」は何を変えるのでしょう?

問いが懐中電灯なら、

質問の順番とは、

懐中電灯を、どの順番で動かしていくか

ということです。

最初に、

どこを見るのか。

次に、

どこを見るのか。

最後に、

どこを見るのか。

その順番によって、

相手の頭の中につくられる景色も変わります。

これは、

世論調査だけの話ではありません。


たとえば、職場の会議

こんな順番で質問したとします。

「今回の失敗の原因は何ですか?」

「誰に責任がありますか?」

「では、今後どうしますか?」

最後の質問だけを見れば、

前向きです。

でも、その前に、

「失敗」

「責任」

について考え続けています。

結果として、

「今後どうするか」も、

失敗や責任の文脈の中で考えやすくなります。

では、

こんな順番ならどうでしょう。

「まず、何が起きたのでしょう?」

「その背景には、何があったのでしょう?」

「次に変えるべき仕組みは何でしょう?」

こちらは、

「誰が悪いか」

ではなく、

「何が起き、どう改善するか」

へ思考が進んでいきます。

一問一問だけを見れば、

どれも質問です。

でも、

質問の並べ方によって、会議そのものの景色が変わる。

のです。


1on1でも起きています

上司が部下に、

「最近、残業が増えているね」

「プロジェクトも遅れているね」

と話してから、

「何か困っていることはある?」

と聞く。

一方、

「最近、新しい案件が増えたね」

「仕事量、多すぎない?」

と話してから、

「何か困っていることはある?」

と聞く。

最後の質問は、

まったく同じです。

でも、

前者なら、

「自分の仕事の進め方が悪いのかもしれない」

と考えるかもしれません。

後者なら、

「仕事量そのものに問題があるのかもしれない」

と考えるかもしれません。

つまり、

上司は最後の質問を投げる前から、

相手がどこを見るかに影響を与えている可能性がある。

わけです。


「良い質問」を並べれば、それで良いのでしょうか?

顧客アンケート。

社員満足度調査。

1on1。

採用面接。

営業ヒアリング。

ユーザーインタビュー。

取材。

会議。

企画レビュー。

仕事では、

人に何かを聞く場面がたくさんあります。

そのとき私たちは、

「どんな質問をすればいいだろう?」

と考えます。

もちろん、

良い質問をつくることは大切です。

でも、

良い質問を10個つくれば、良いヒアリングになるとは限りません。

その10個を、

どの順番で聞くのか。

最初に、

何について考えてもらうのか。

次に、

どこへ注意を向けてもらうのか。

最後に、

何について判断してもらうのか。

そこまで考えて、

はじめて「問いの設計」になります。


支持率の「数字」だけを見ない

最初の話に戻ります。

同じような時期に行われた支持率調査でも、

新聞社やテレビ局によって、

数字が違うことがあります。

もちろん、

その違いには、

調査対象。

調査方法。

回答者の構成。

質問文。

さまざまな要因があります。

質問の順番だけで、

数字の違いを説明することはできません。

でも、

だからこそ、

数字だけを見るのではなく、

「どんな流れの中で、その質問が聞かれたのか?」

まで見る。

そんな視点を持つと、

ニュースの見え方が少し変わります。

「支持率○%だった」

で終わらせることもできます。

でも、

「あれ? なぜ調査によって違うんだろう?」

と立ち止まる。

そこに問いを立てる。

今回は、

「質問の順番」

という場所に懐中電灯を当ててみた。

すると、

世論調査の数字の奥から、

「問いは、一問ではなく流れで設計する」

という、

仕事でも使える学びが見えてきました。


世の中の出来事を、「へえ」で終わらせない

今回の出発点は、

ニュースを見ていて浮かんだ、

とても小さな疑問でした。

同じような支持率調査なのに、なぜ数字が違うんだろう?

そこから、

「なぜ?」

と問いを立てる。

見る場所を決める。

必要な情報を拾う。

それが何を意味するのか考える。

そして、

自分たちの仕事にも使える学びへ変えていく。

今回、持ち帰ったのは、

「何を聞くか」だけではなく、
「何を、どの順番で聞くか」までが、問いの設計である。

ということでした。

ニュースは、

知って終わることもできます。

でも、

毎日のニュースを、

仕事を考えるための教材

にすることもできます。

このnoteでは、

ニュースや身近な出来事から、

「なぜ?」

を見つけ、

会議、企画、文章、プレゼン、マネジメント、広報などで使える、

仕事のヒントへ変換していきます。

だから、

ここをフォローしていただくことで、

ニュースを見るたびに、

「これ、自分の仕事にも使えるかもしれない」

という視点が、

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そんな場所にしたいと思っています。

世の中の出来事を、「へえ」で終わらせたくない。
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そう思っていただけたら、

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「どの順番で伝えるか」

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