『私という病』第33話|波動の土を耕す者
2025.10.12
――鏡の内側で起きていたこと――
かつて世界には、「仕組み」があった。
人はそれを「社会」と呼び、
与えられた前提として受け取っていた。
通貨、教育、資本、国境、会社。
疑う理由はなかった。
疑わないほうが、生きやすかったからだ。
だが、それらは幻想だった。
「そう見えるように」設計された構造に過ぎない。
操る者と、操られる者。
気づかぬまま、
人は自分のエネルギーを差し出していた。
声がした。
「あなたに問います。
世界のゴールは、どこにありましたか」
立っていたのは、
誰とも断定できない存在だった。
芸術家にも、労働者にも、
革命家にも、奴隷にも見えた。
「人が生きる目的は、何でしたか」
答えられなかった。
認識を、他人に預けてきたからだ。
その存在は、足元の土を指した。
「私は、この世界に子を残したくなかった。
だが、だからこそ土を耕す。
美しさが、根を張れる場所をつくるために」
耕された土は、
貨幣でも言語でも測れない光を放っていた。
「制度は幻想だ。
幻想なら、認識で消せる」
その日から、
私は自分の認識に責任を持つことにした。
世界が腐っているのか、
希望に満ちているのか。
それを決めているのは、
常に自分の内側だった。
土から芽が出た。
それは植物ではなかった。
常識に縛られず、
恐れず、
共存しながら創造する人だった。
世界が変わったのではない。
認識が変わったのだ。
だから、今、伝えたい。
鎖を壊すのは、武器じゃない。
思想でもない。
「あなたの認識」だ。
世界を耕せ。
あなた自身という土から。
「良い地に蒔かれたものとは、
み言葉を聞いて悟る人のことである。」
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