成瀬レクチャーシリーズ「認識・思考・言語」(6)「~が」は「スポットライト化」
(↑のつづき)
「~が」は「スポットライト化」
ここからは「山田さんには子どもがふたりいる。」という日本語文の分析に戻りましょう。
山田さんには子どもがふたりいる。
この文では「山田さんには/山田さんは」でトピックを表示したあとに続いて「子どもがいる」という表現がなされます。
ここで使われている助詞は「~が」です。
「~が」もまた、旧来の日本語教育によって理解が大きく歪められてきた表現のひとつです。
多くの日本人が「日本語の「~が」はイコール英語の主語」と思い込んでいますが、この単純すぎる理解が間違いであるのは、この「子どもがいる」の「~が」が英語の主語にはあたらないことだけでも明白です。
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ではこの「~が」は何かというと「心と言葉の日本語文法」では「スポットライト化」と名付けています。
日本語の話し手/書き手は、いま取り上げようとしているトピックを「~は」でまず表現します
(なお取り上げようとするトピッが何であるのかをその「場」の誰もがすでに知っているのであれば、言語として敢えて表現する必要などありませんから、表現はされません)。
ここでは、
「山田さんには」と取り上げるトピックを明らかにしたうえ、そのトピックに関して話し手/書き手はどのような情報にスポットライトを当てるのかが「子どもが」というかたちで表現されています。

そして、それに対する数量的な補足説明(「二人」)がなされます。

そして最後に、「いる」というコトの記述でまとめられています。

これが、日本語の世界での認識と思考と表現のあり方です。
この場合「~が」の表現は英語でいうところの「主語」になることもあれば、「目的語」になることもあれば、どちらにもならないこともあります。
ようするに、そんなことは枝葉(えだは)の話なのであって根幹(こんかん)の部分の話ではないのです。
(つづきは↓)
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