成瀬レクチャーシリーズ「認識・思考・言語」(6)日本語は日本語、英語は英語
(↑のつづき)
以上が、「~は」のはたらきですが、どうしたか、わかりましたか?
あたまがこんがらがった、という人もいるかもしせんね。
でも、これが日本語の世界なんです。
英語の世界とは根本からして異なっているのです。
まったく同じ文法概念を設定することさえも難しいのです。
英語は英語、日本語は日本語。
そのあいだには決して越えられない壁があります。
そのことを、皆さんにはまずわかっていただきたいと思います。

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このような日本語の世界と英語の世界との根本的な違いは、すでにはるか以前から研究が進んでいました。
ここに述べた「~は」のことについても、三上章という偉大な研究者が1950年代にはすでに解明して世間に発表していたことです。

しかしながら、明治維新以後の近代日本の学問世界には、欧米生まれの学問であればなんでも無批判に受け入れるという隷属的メンタリティが非常に強く存在しました。
そのため人類としての共通基盤である自然科学の領域だけではなく、それぞれの文明や文化の産物である人文系の学問でさえも、欧米による学問体系をただただ盲目的に受け入れてきました。
日本語の研究もそのひとつであり、近代欧米でつくられた枠組みに合わせた研究が主流を占めてきました。
その結果として、三上章が1950年代にすでに解明していた「~は」の特質についても、おそらくは欧米の文法研究にはマッチしないという理由から日本語文法研究界の主流とはなりませんでした。

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現在でも、ここで述べた「~は」の特質に関する非常に重要な洞察は学校では教えられていません。
そしてこうした盲目的な欧米追従姿勢こそが日本語の英語教育を大きく歪めてきました。
そのために、「”~は“は、主語をあらわす」という間違った考え方が日本人のなかに強く根付いてしまいました。
さらには、ほとんどの日本人が「日本語の「~は」はイコール英語の主語」と思い込んでいるのです。
なんだか、話がずいぶんと大きくなってきたなあ、などと思っている人もいるかもしれせんね。
でも、こうした大きな話をしないかぎり、日本の英語教育の歪みはなおらないと私は思います。
そして皆さんのような英語学習者も、このことを知らないかぎり、本当の意味での正しい英語学習はできないと私は信じています。
(つづきは↓)
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