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成瀬 日本語・英語・翻訳講座英語編(15)英語の音(4)音の変化

(↑のつづき)

「英語においては、同じ語でも状況によって音が変わる」

という事実は、日本人にとっては、じつに驚くべきことである。

音が変わっても、英語ネイティブはその単語をその単語として認識できるのであるから、まさに驚異である。

しかし考えてみれば、これもパターン認識能力の一種なのである。

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これから説明するリダクションやアシミレーションは、比喩的にいえば、日本語における崩し文字にあたるものである。

今は崩し文字を読む習慣がなくなったために崩し文字に対する「慣れ」もなくなったが、少なくとも明治期までの日本人は、崩し字がすらすらと読めた。

これと同じことが、英語の音の世界で起こっている。

崩し文字で「し」や「く」が限りなくタテボウに近づいていくように、英語のVowelは限りなくə(シュワー)に近づいていく。

そして最終的には、消えてなくなってしまうのである。

Consonantも、非公式な会話になればなるほど、どんどんと「ゆるく」なって、まわりと同化したり、あるいはなくなったりする。これがアシミレーションであり、リダクションである。

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具体的なかたちの例をAmerican Accent Trainingからみてみよう。

Can you do it?               [k’niu do(w)’t]
Give it to me.              [g’v(t)’ me]
It can wait.                                                    [‘tc’n wait]
This is for you.                                              [th’s’z fr you]
Which one is better?                                     [which w’n’z bedder]
One of them is broken.                                  [w’n’v’z brok’n]
How was it?                                                   [hæow’z’t]
What time is it?                                              [w’t tye m’zit]

左がスペリング、右が実際の発音を発音記号を使わずにビジュアル化したものである。

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例文をみると、いろいろな英語の音の変化がわかる。

なかでも目立つのは、Vowelのリダクションである。

たとえば、
This is for you.
[th’s’z fr you]
だと、4つのvowelのうち3つがリダクトしてyouしか残っていない

One of them is broken.
[w’n’v’z brok’n]
などもそうである。

英語ネイティブにとって、
This is for you.とOne of them is broken.は、
「ディスイズフォアユー」と「ワンオブゼムイズブロークン」ではない。[th’s’z fr you]と[w’n’v’z brok’n]なのである。

同じOne of them is broken.というビジュアルイメージから、
日本人は「ワンオブゼムイズブロークン」「というサウンドをイメージするが、
英語ネイティブは[w’n’v’z brok’n]というサウンドをイメージするわけだ。

ワンオブゼムイズブロークン(日本人)
      ↑
One of them is broken
      ↓ 
w’n’v’z brok’n(英語ネイティブ)

このビジュアルからサウンドへの「方向性」の違いが私たち日本人を悩ますわけである。

(つづきは↓)

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