日本語は「等拍リズム」、英語は「強勢拍リズム」(1)
(↑のつづきです)
日本語発音と英語発音には、次の3つの本質的な違いがあります。
日本語は「開音節」、英語は「閉音節」
日本語は「高低アクセント」、英語は「強弱アクセント」
日本語は「等拍リズム」、英語は「強勢拍リズム」
ここまでは、このうちの1と2、
日本語は「開音節」、英語は「閉音節」
日本語は「高低アクセント」、英語は「強弱アクセント」
を解説してきました。
ここからは、このうちの最後である、
日本語は「等拍リズム」、英語は「強勢拍リズム」
について、解説します。
なお、英語では「等拍」はMora-timed Beat/Equal-timed Beat、「強勢拍」はStress-timed Beatといいます。
☆☆☆
日本語のリズムが等拍リズムであるということについては、説明の必要はないでしょう。
たとえば、俳句の拍(音節)構造を「タ」を1拍(音節)、▢を空拍として表現すると、
「タタタタタ▢タタタタタタタ▢タタタタタ▢」
となり、この「タ」と▢が、すべて同じ長さと強さで発音されます。
このように、拍(音節)の長さがつねに同じであることは、私たち日本人にとってはあまりにも自然なことなので、これが「当たり前」と無意識のうちに思いがちですが、じつはそうではありません。
日本語のような等拍言語は、世界的には非常に少数派です。日本語の「当たり前」は、世界の「当たり前」ではないのです。
☆☆☆
いっぽう英語は、典型的な「強勢拍リズム」言語です。
「強勢拍リズム」とは、強く発音される部分、つまり強勢拍(Stress-timed Beat)が一定の間隔で現れるリズムのことです。
そして、ここからが、とても大事なのですが、
一定の間隔で現れる強勢拍(強音節)のあいだ(すきま)には、弱い音がいくつ入ってもよい
のです。
例を挙げてみましょう。”American Accent Trainings” (Ann Cook, Barron's)という本に載っているものです。

このなかの、dogs (/dɑːɡz/, /dɒɡz/)とbones (/boʊnz/, /bəʊnz/)が、強勢拍(強音節)であり、そのほかはすべて非強勢拍(弱音節)です。
そして、
一定の間隔で発音される2つの強勢拍音節(dogsとbones)のあいだでは、"eat the" から"couldn't've eaten"にいたるまで、さまざまなタイプの弱音節群が、「同じ時間の長さのなかで」展開されるのです!
これは、等拍言語である日本語を母語に持つ私たち日本人にとっては、まさに「非常識」であり、信じがたい出来事です。
(つづきは↓)
☆☆☆
☆☆☆
「ことさきく|成瀬由紀雄の日英文章・翻訳教室」では、このほかにも日本と日本人、英語・日本語・翻訳その他に関するコンテンツを数多くアップしてあります。総数は1000本を超えています。
いくつものマガジンを設定していますのでぜひチェックしてみてください。
