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都井岬から鵜戸神宮へ!野生の馬と灯台と御朱印巡りの旅【串間・日南】

三泊四日でゆく九州旅行の二日目だ。
二日目となるこの日は大分県佐伯市を出発して宮崎方面へと向かい、宮崎県の南端にある都井岬を目指した。
まずは一番遠い位置にある場所まで行き、そこから徐々に戻ってくるのが私の旅のスタイルだ。

そういうわけで、この日は宮崎県を北から南まで一気に縦断してみた。

南端の岬が都井岬

初日の記事はこちら。
⬇️


朝になりホテルから佐伯市街地を望む。
小高い山からクレーンが見えているが、これは山の向こうに佐伯重工の造船所があるためだ。
ここに来るまで佐伯のことは何も知らなかったが、造船業が盛んな地域だと知った。

ちなみに佐伯という地名の読み方は「さえき」ではなく「さいき」なのだが、頭で分かっていても「さえき」と読んでしまいたくなる。
そもそも元々は「さえき」と読んでいたのが訛って「さいき」と読まれていたのを正式な読み方にしてしまったという経緯らしい。
口語の訛りなどは所詮訛りに過ぎないのに、それを「正式な読み方」にするのもどうかと思うが。

外観がまるで風俗店のようなカラオケ店
217🫶

東九州道・日南東郷IC

東九州道をひたすら南下し、ついに終点である日南東郷ICへ到着した。
時刻はちょうど午前11時だった。
佐伯市を出発したのは午前8時20分ごろだったので、休憩を加味すると走行時間は大体2時間30分程度だ。
思ったよりも早く思えるが、安心するのはまだ早い。
目指す都井岬は、最寄りである日南東郷ICから一般道で1時間弱走る必要があるのだ

日南東郷以南の東九州道の延伸計画は既に事業中だが、この区間は都井岬の近くを通らない
そのため、たとえ高速道路が完成していようとも、都井岬へ向かう場合の短縮効果は限定的だったりする。

国土交通省宮崎河川国道事務所の公式サイトから拝借
(出典画像のリンク先は下記のとおり)
都井岬とはこんな場所にある

高速道路は整備されていないが、この区間の一般道は交通量も信号も少ない快走路であるため、距離の割には流れは早かった。
むしろこの区間のドライブは非常に楽しかった。
その理由は、この都井岬までの国道448号は非常に眺望が良い絶景ドライブコースだからだ。

断崖絶壁のような区間もあるほか、都井岬へ至るまでの間に水中観光船のりばや野生の猿が住む幸島などの観光名所も点在しており、見どころも大変多かった。

こうした事は実際に走ってみないと体感しがたいものであるため、是非一度足を運んでみることをすすめたい。


祇園神社(日南市)

広渡大橋
(国道220号)

日南東郷ICから海岸沿いを走る国道220号へ出ると広渡川の河口部がとても美しかったので、脇道へ逸れて車をとめてみることにした。
水がとても澄んでいて大変美しい。

車線幅が広めで停車しやすかった
私たちの夏だ〜

景色のよい道路の内陸側には神社もあった。
この神社、珍しいことに洞窟の中に作られているのだ。
元々は龍神信仰を集めた自然の洞窟だったが、後にさらに奥に人工洞窟が掘削されて本殿が建てられたのだという。

かなり気になる神社ではあったが、残念ながら駐車場が満車で参拝することは叶わなかった。
駐車可能台数は3台か4台分くらいしかないため、ここを訪れる際は注意が必要だ。


都井岬

二日目の最初の目的地である都井岬へとやってきた。
宮崎県の最南端に位置するこの岬は、我が国で唯一野生の馬が生息している
御崎馬と呼ばれるこの馬は国の天然記念物として指定されており、柵で囲われた都井岬の域内で放牧されているのだ。
感染症予防のための処置や頭数管理などは行うが、給餌などの飼育行為は行なわず周年放牧されており、基本的に人の手を借りず半野生状態で生きている。
元々はこの地域を支配していた高鍋藩秋月家により軍用馬を育てるために藩営牧場として開設されたのが始まりだという。

Toll Gate

先述のとおり都井岬は馬が逃げ出さないように柵で囲われているため、一般車の出入口は一箇所に限られている。
岬内へ入る際はこの駒止めの門と呼ばれるゲートを通り、野生馬保護協力金として車種に応じた金額を徴収される。
要するに料金所だ。
なお金額は四輪車は500円、二輪車は200円と大したものではない。

ここから先は速度制限が時速30キロとなっている。
速度制限の理由は、言うまでもなく馬の存在だ。
道路の内外問わずそこら中に馬がおり、我が物顔で道路を横断している。
実際にいきなり茂みから姿を表して道路へ出てきたこともあった。
ここは馬の住処であり、人間に優先権はない

駒止からしばらく走ると、海を望む眺望の良い場所に観光交流館パカラパカという観光案内所のような施設があったので入ってみた。

道路向かいにはグランピング施設もある

駐車マスが2台分空いているが、実はこれには理由がある。
左端の写真の途切れた部分には馬糞が落ちていたのだ。
汚い話だが、都井岬というのは全域で馬が放牧されているため、道路や駐車場も含めてそこら中に馬糞が落ちている
そこら中にと言ったが、実際はある程度まとまった形で道路の端にまとめられていたりするため、おそらく牧場のスタッフさんが集積してくれているのだろう。
このような場所なので、馬糞を踏みたくなかったら歩きスマホなどは控えたほうがいいだろう

頭数は意外と少ない
時間の都合もあり神社に行くのは見送った
最近、全国そこかしこでポケモンを見ている気がする…
売店
都井岬灯台を擬人化したキャラクター
昔、能登の道の駅狼煙でも見たことがある
馬が出やすいポイントを示してくれていてありがたい
景色は最高

屋外に出ていると、いつの間にか馬が近くまで来ていた。
半野生の馬だが、必要以上に近寄ったり、後ろに立たなければ危ない目に遭うことはないだろう。

どの馬も大体ずっと草を食べていた

パカラパカよりもさらに高所に位置する都井岬灯台までやってきた。
下の写真は灯台の駐車場からパカラパカのある場所を撮影したものだ。
写真ではかなり距離があるように見えるが、実際は車で5分程度とさほど離れているわけではない。

対岸にうっすら見えているのは大隅半島
灯台への上り坂。右側に売店が少しある。
灯台正面。門の横にあるヤシの木に南国感を感じる。
門をくぐり右手にある建物で場料を支払う
都井岬灯台だよ、めぐちゃん

灯台そのものはあまり高くはない。
しかし、灯台入口へと向かう階段の手前から見てみると、実際の高さ以上に大きく感じられる。
これは高所ゆえに二段階となっている二つの階段の存在が、単なる斜面と異なり視覚的に高さや奥行きを強調する結果となっているのではないだろうか。

らせん階段を使い灯台を登る
予想どおりの絶景だ
日南方面(北)
エンジェルホワイト🫶

灯台を出て駒止め方面へと戻りながら、馬がたくさん見られそうな場所を探す。

さっそくいた
21番

足の付け根あたりに番号が付されているのが分かる。
これで馬を管理しているのだろう。

馬を観ながら走行していると、突如茂みから馬が出てきた。
車が走っていようがお構いなしだ。
距離を取ってハザードランプを点けて停車して馬がどこかへ行くのを待つ。
馬は自分から車に追突してこないが、後続車にカマを掘られる恐れがある。馬よりも怖いかもしれない

このように馬が道路上にいることで停車しなければならない状況もあるので、馬の飛び出しによる接触事故だけでなく車両同士の事故にも十分注意した方がいい。

人間のことなどアウトオブ眼中なのだろう
崖側に二頭

馬に往来を妨害されながらも歩を進めると、馬が多く集まっている場所の近くに広めの駐車場を見つけたので車をとめて近付いてみた。
道路を挟んで山側の斜面にはもっと多くの馬がおり木もないため、しばらく周辺を歩いて馬を見て回ることにしたのだ。

ただし、この時期に都井岬を歩いて回るのであれば入念に暑さ対策をしておいた方がいい。
この日も尋常ではない酷暑に見舞われており、屋外に数分いるだけでうんざりするほどの過酷な暑さだった。
特にここの暑さが厳しいのは、馬が多くいる丘陵地帯には木を含めた遮蔽物が一切ないためだ。
その景色の良さと引き換えに全身を直射日光で焼かれるトレードオフなので、場合によっては日傘の使用も検討していいかもしれない。

後ろに立ってはいけない。しぬ。
丘陵地には道路よりも多くの馬がいた
まだ若そうな馬
水飲み場の近くに集まる馬たち

2mか3mくらいまでなら近づいても良さそうだ。
人間のことなど見向きもせず意にも介さないという感じだった。
お馬さんのパーソナルスペースを侵害しない限り攻撃されるおそれはないだろう。

近くにはかわいらしい子が姿を見せた。
春駒と呼ばれる春頃に生まれた仔馬だろう。
母馬の横にぴったりと体を寄せて離れない姿はとても愛らしい。
しかし、子育て中の母馬の警戒心は非常に高く、近付くと攻撃されるおそれがある。
そのため、安全のために他の馬よりも距離を取っておいたほうがいいだろう。

これは偶然撮影した写真だが、明らかに近くにいたヒューマンに顔を向けていた。
母馬の警戒心の強さがよく分かる。
道路に立っているおじさんは原付に乗って岬内を巡回しているスタッフさんのようで、親子の馬に近付くヒューマンたちに何か注意をしていた。
おそらく近づき過ぎていたのだろう。

近くにいた若いネーチャンをガン見するお母さん

道の駅なんごう

都井岬を出発して再び来た道を北上する。
途中に道の駅なんごうがあったので、立ち寄って休憩していくことにした。
走りやすいドライブコースにある眺望の良い道の駅だ。

宮崎県、あちこちにヤシの木がある
大小の島も点在している。奥に見えるのは大島。

島の横を船が航行している様子が見える。
次の目的は、この水中観光船に乗船することだ

各地で見かける推しの子のパネル。昨年も長崎のグラバー園でみた覚えがある。
宮崎推しらしい

推しの子だけではなく、ご当地キャラのパネルも展示されていた。
左は道の駅のキャラクターだが、サラリーマンゴーという何のひねりもないネーミングセンスはさすがに安直すぎないか。
一方、右のキャラクターはにちなんぢゃという日南市の公式キャラクターなのだが、調べてみると公式の解説文が面白かったので引用させてもらおう。

おいしそうなものが大好きでついつい食べ過ぎてしまい、ちょっぴりメタボ。
楽しい遊びやお祭りばかり過ごしているので、難しいことは小脇に抱えている老中のカツオさんが考えている。

ウェブサイト「ゆるバース」より(下記のリンク先)

政務を重臣に放り投げ、自分は美味しいものを食べて遊んでばかりいるだらしない殿様だった
モデルになった殿様でもいるのだろうか。徳川○斉かな。

殿様に抱えられているカツオは日南市の特産品だ。
カツオさんは老中らしいが、これは江戸幕府で実務を司った最高職のことではなく家老という意味だろう。
各藩の家老職も老中と呼んでいた地域があったらしい。
そもそも日南市は全域が江戸時代に飫肥おび藩伊東家の所領だった場所なので、この殿様のモチーフは飫肥藩主だと考えるのが自然だ。

飫肥おび藩において家老職を老中と呼んでいたかどうかは寡聞にして知らないが、これが仮に江戸幕府の老中だとすると殿様は徳川将軍になってしまうし、何より江戸幕府の老中をカツオで例える意味は皆無なので、間違いなく飫肥おび藩の家老だろう。

ちなみに日南市の市域はかつての飫肥藩領とほぼ一致している。
かつての飫肥おび藩領であって現在日南市に属さない地域は、宮崎市と合併した旧宮崎郡清武町のみだという。

取ってつけたような書き方になってしまうが、私は「にちなんぢゃ」の事をだらしないキャラクターだと思ってはいるが否定的には捉えていない
真面目なキャラクターなど巷間に溢れかえっていることを思えば、むしろこれくらい人間味が溢れている方が個性があって良いと思う。
だらしなくてもいいじゃないの。
にんげんだもの

マンゴーソフトクリーム

朝食バイキングで食べ過ぎたため昼食が食べられなかったので、昼食代わりに軽くソフトクリームを頂く。


水中観光船マリンビューワーにちなん

次のお目当ては日南市南郷町にある水中観光船だ。
水中観光船というのは、船底に窓付きの船室を有し海中の様子を見ることが可能な観光船のことをいう。
宮崎へ行く一ヶ月前に能登半島でも全く同じ形態の水中観光船に乗船していたため、期せずして二ヶ月連続での乗船となった。

能登半島を旅行したときの記事は、こちらを参照してほしい。
⬇️

実は当初この観光船への乗船は予定しておらず、当日に現地で決めたものだった
観光船乗り場は都井岬へ行く途中の国道448号に面しているため、走行中に偶然発見してその存在を知ったのだ。

実は発見した時点で私は乗る気マンマンだったのだが、船の出航時刻を確認しなければ今日の予定にねじ込めるかどうかを判断することも出来ない。
そのため乗り場の中へ入ってみると、スタッフの方から「この日は大変海が綺麗なので海中の様子も綺麗に観られる」ことを教えてもらった。
つまり、どえらい運が良かったのだ。

これは天佑だと確信した私はさっそく出航時刻を確認して乗船できそうな時刻を検討し、紆余曲折あって都井岬から戻ってくる際に間に合えば乗船することにしていた。
幸い間に合わせることが出来たので、予定通り乗船することにした。

これが水中観光船だ。
能登で乗船したイカす丸と大体同じ形をしている。
こんな特殊用途の船は数が少ないだろうから、姉妹船なのかもしれない。

6月に乗船した九十九湾(鳳珠郡能登町)の水中観光船「イカす丸」

水中観光船と言っているが、特定のポイントへ船が到着するまでは後部デッキから通常の遊覧船と同じように海上を遊覧することになる。
海中を見られるポイントでは船底の船室へと移動することになるが、これらのタイミングについてはスタッフが全て案内するので心配はいらない。

時間があれば参拝したかった日之御崎神社が見える
外浦港(右に遊覧船乗り場が見える)
栄松造船所

港の反対側には小さな造船所があった。
この遊覧船もここで整備されているという。
ちなみにこの造船所の裏手には、日本軍の特攻兵器である回天(※)の格納庫跡が今も残っているそうだ。

※人間が乗り込み誘導する魚雷の固有名称。いわゆる人間魚雷。

分かりにくいが、真ん中に見える建物が先ほど訪れた道の駅なんごうだ。

コンクリートで造成された防波堤の上には多くの岩が置かれていた。
陸地から離れているため落石の可能性はなく、人為的に置かれていることは明白だった。
遊覧船のスタッフによれば、この岩が置かれている理由は周辺の景色と調和させることを企図して置かれたものだという。

防波堤を過ぎて外浦港を出ると左手に穴が空いた奇岩が見えてくる。
この海蝕洞がある小さな島は腕島といい、サザエさんのオープニングでも流れたことがあるという。

黒島
大島(日向大島)
飛鳥Ⅱ

かなりぼんやりしているが、遠方に大型のクルーズ船の姿が見える。
これは外浦港よりも北方にある油津港だ。
宮崎県は大型クルーズ船の寄港に力を入れており、そのために港湾整備をしてきたらしい。

飛鳥Ⅱ(横浜港大さん橋にて)

話が大きく逸れてしまったので、遊覧船の話に戻ろう。
海中を見られるポイントに達したため、スタッフの案内により船底にある船室へと移動した。

船室には通路を挟んで二人掛けの椅子と一人掛けの椅子が設けられていた。
しかし、御覧のとおり一人掛けの椅子は成人男性にはかなり小さめだ。

海面から海中に頻繁に粉が落ちてきていた。
停船するとスタッフが船上から餌をばら撒いているようで、魚が寄ってくるようにしてくれているのだろう。

この日は海も透き通っていて見やすい日だったようで、まるで水槽の魚を見るかのように鮮明に魚を見ることが出来て非常に感動した
能登半島の九十九湾に行った際も同じことをしたが、折悪しく海が濁っておりあまり綺麗に見られなかったこともあり、リベンジしたような気持ちになっていたのかもしれない。

そして意外だったのは熱帯魚が見られたことだ。
日本近海で泳いでいる魚といえば鯛やボラなどのように黒っぽい色をした魚ばかりかと思っていたので、こんな派手な魚が見られるとは思いもしていなかった。
熱帯魚が見られることもウリの一つなのだろう。

ピンボケしているが躍動感は感じられるのではないか

水中で天然アクアリウムを堪能したあとは再びデッキへと上がり、次は空の生き物を見ることになった。
先ほどまで海中の魚に餌やりをしていたであろうスタッフのおじさんは、今度は船の上からトンビに向かって餌を投げ始めていた。
船と並走して飛び続けるトンビの群れは圧巻で、非常に迫力があった。

トンビたちはしっかりと餌付けされている上に頭がいいようで、スタッフのおじさんが出すハンドサインをきちんと理解しているのだとスタッフのおじさん自身が説明してくれた。

餌をやり始めた時は分からなかったが、最後におじさんが餌をやり終えた時に両手の指を使って「✖️」のサインをしたところ、それを見た瞬間に並走していたトンビたちは船に追随するのをやめて島の方へと戻っていったのを覚えている。

賢いってはっきりわかんだね

外浦港へと戻ってくると、白くスマートな形状をした船が4隻停泊していた。
カツオの一本釣り漁船だ。
漁船にしてはかなりカッコいい形状をしているため、まさか漁船とは思わなかった。
南郷町商工会によれば、このカツオ一本釣り漁船は漁船の中で一番かっこいいとか言われているそうで、漁船のカッコよさをウリにしているのが面白い。

たしかにカッコいい

吹き抜け

南郷での遊覧船の次は、商業施設マニアの希望で日南市街地にあるサピア日南ショッピングセンターへ向かった。
商業施設の詳細についてはマニアに任せるが、ここのゲームコーナーにワニワニパニックは無かったという情報だけは書いておこう。

サピアのエレベーターからは河川と古風な木造船が見える。
実はこの河川は堀川運河といい、江戸時代に飫肥藩主の命により開削された人工河川だ。


鵜戸うど神宮

お次は本日最後のメインである鵜戸神宮へと向かった。
この時期は最寄りの駐車場へと向かう海沿いの道路(市道鵜戸参宮線)が災害により通行止になっていたため最も遠い駐車場しか利用できず、駐車場へと入るのにも時間がかかってしまった。
なお、この市道は同年8月4日に片側交互通行で仮復旧している。

普段は観光バス向けの駐車場らしい。
いきなり階段を登る

別当べっとうとは神社を管理する仏僧のことをいう。
神仏習合が当たり前だった江戸時代以前の神社では、境内に設置された仏寺の支配下に置かれることがあった。
このように神社を支配した寺のことを神宮寺もしくは別当寺という。
宮司は別当よりも下の立場に置かれていたのだ。

江戸時代以前は鵜戸神宮にも仁王護国寺という名の別当寺が存在しており、両部神道の一大道場として「西の高野」と言われるほど隆盛を極めたというが、現在ではそのような痕跡は微塵もない。
神仏判然令により別当寺が廃寺となると、ありとあらゆる仏教建築は破却されてしまった。
このあたりの流れは同じく別当寺を有した九州の宇佐神宮などと同じだ。

階段をしばらく登っていくと歩行者用のトンネルが見えてくる。
鵜戸崎隧道だ。
幅員の広さから考えて、当初は車道として計画されたものだろう。

西側坑門。扁額が植物に覆われ判読できない。
東側坑門では扁額を確認することが出来た。
昭和40年11月竣工

鵜戸神宮の正面まであと少しというところで、古風な石段が現れた。
これは鵜戸山八丁坂という古来からの石段の参道だ。
現在は石段を昇り降りせずとも海側に駐車場が設けられているため、メインの参道ではなくなっている。

左が鵜戸神宮への入口、右には海側に面した第一駐車場及び第二駐車場がある。
朱に彩られた美しい楼門
参道
玉橋

橋から見える景色も絶景だ。
鵜戸神宮の社殿は階段を下り左手にある。

これが鵜戸神宮の社殿だ。
海蝕洞内部に建立された珍しい神社であり、宮崎を訪れたなら必ず寄っておきたい指折りの絶景パワースポットといっても過言ではないだろう。

この社殿は正徳元(1711)年に建てられたもので、宮崎県指定有形文化財となっている。

朱に彩られた社殿には随所に絵や極彩色の彫刻が施され、大変きらびやかな外観をしている。
私はこういうド派手な神社が大好きなのだ
海蝕洞内にあるという特殊性も相まって大変興奮していた。

極彩色の彫刻も大変美しい
拝殿左側面
境内社 皇子神社
撫でると願い事が叶うらしい
九柱神社

参拝を終えて海へと目を向ける。
日向灘に面した鵜戸神宮周辺の海岸は奇岩がひしめく一帯となっており、波の力で削られた独特な形状の岩場が広がっている。

多くある奇岩の中に枡形の穴が空けられ、周囲をしめ縄で囲われた岩がある。
この岩は亀岩と呼ばれ、穴の中に向かって運玉と呼ばれる素焼きの粘土玉を投げ入れて運試しをする事が出来るようになっていた。

かつては賽銭を投げ入れていたが、昭和29年頃から現在の形式に変更となったという。
変更の経緯に係る詳細は鵜戸神宮のウェブサイトに詳しいが、簡単に言えば昔は小学生の危険を冒した賽銭泥棒が常態化しており、これを予防すると同時に子供たちの更生及び安全を企図したものだったらしい。

賽銭泥棒など言うまでもなく罰当たりで許されざることだが、何よりこんな危険な場所によじ登ってまで小銭をかき集める行為がリスクリターンに見合っているとは到底思えない
しかし、時代は戦後すぐの豊かとは言えない時代のことであることを踏まえると、豊かになった現代の尺度で当時の子供たちの判断基準を推し量ることは出来ない点は否めない。

運玉の経緯はこのあたりにしておこう。
せっかくなので私も運玉を投げてみることにした。
運玉は海蝕洞内で無人販売されており、価格は5個で200円だ。
玉を投げるときは男性は左手で、女性は右手で投げることになっており、窪みの中に入れられれば願い事が叶うという。

玉入れの類はあまり得意ではない私だが、1個だけ見事窪みに入れられることが出来た
願い事はきっと叶うに違いない。

運玉
お守りや御朱印の売り場の右端に無人販売所はある
無人販売所

閉門時間までに間に合わせようと急いでおり、まともに見ることが出来ていなかった参道に帰りは目を向けてみると、両脇にうさぎの置物が大量に置かれていることに気がついた。
神社において石灯籠が奉納されるのは定番だが、ここではうさぎの置物も石灯籠と同じくらい定番のようだ。
その理由は鵜戸神宮の神使がうさぎとされていることに由来するそうで、一節には鵜戸神宮の「鵜」という字が「兎」に通ずることによるのだとか。

大量の石灯籠とうさぎ

ルートイングランティアあおしま太陽閣

鵜戸神宮を出発して30分ほど走り本日の宿へ到着した。
宿泊先はいつものルートインではなくルートイングランティアという名のついたホテルで、ビジネス用途も強めな通常のルートインよりも観光客向けのホテルとして展開しているブランドのようだ。
ホテルのある場所は「鬼の洗濯岩」という奇岩地域が広がっていることで有名な青島地区だが、残念ながら今回の旅では時間がないため見ることは出来なかった。

和室は寝転がることが出来るのが魅力

宿泊費は二人でたったの9300円という破格の料金だった。
この日は夏休みの序盤、三連休の初日という日程であるにもかかわらず、これほどの安さは大変ありがたかった。

ただし、布団やマットレスなどを自分で敷くタイプのセルフサービスであり、このあたりは安さ相応だったとも言える。
ルートインに宿泊して自ら布団を敷いたのは初めてだ。

一人あたりの宿泊料金よりも高い夕食

夕食はホテルにある有料のバイキングレストランでいただいた。
一人5000円というかなり強気な価格設定だったが、同行してくれた友人の47都道府県での宿泊達成を祝してここで食べることにしたのだった。

食べすぎちゃったよ、さやかチャン…(懺悔)

これで二日目の行程はすべて終了だ。
翌日の三日目は、宮崎県でも屈指の人気観光地である高千穂へと向かった。
想定外の連続に戸惑った三日目は次の記事で書くとしよう。

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