管理会社を変えたい。変える前に確認しておくべきこと。
「今の管理会社に不満がある。変えたい。」
そういったご相談をいただくことがあります。
管理会社を変えること自体は可能です。ただ、変える前に確認しておかないと、引き継ぎの段階で思わぬ問題が出てくることがあります。
実際に管理変更を受けた側の立場から、「これは先に確認しておいてほしかった」と思うことを正直に書きます。
特約にクリーニング費用の金額が入っているか
管理変更のご相談を受けて契約書を見せてもらうと、意外と多いのがこれです。
「ハウスクリーニング費用は借主負担とする」と書いてあるけれど、金額が入っていない。エアコンクリーニングも同様に金額がない。
金額が明示されていない特約は、退去時にトラブルになるリスクがあります。借主から「金額を聞いていない。高すぎる」と言われたとき、オーナーが不利な立場になりかねません。
管理会社を変える前に、今の契約書の特約を確認してください。金額が入っていなければ、新しい管理会社に引き継ぐ際に「次の更新時に特約を整備し直したほうがいい」と相談できます。
貸出前の写真はあるか
管理変更を受けたとき、「貸出前の写真はありますか?」と聞くと、「ありません」と返ってくることが多いです。
貸出前の写真がないと、退去時に入居者との間で「この傷は最初からあった」「いや、なかった」というやりとりになります。証拠がなければ、オーナーが泣き寝入りするしかないケースも出てきます。
今の管理会社に貸出前の写真があるかどうか、確認しておいてください。もしなければ、次の入居者が退去した後の空室時に、新しい管理会社と一緒に室内の状態を撮影して記録を残しておくことが大切です。
念のため賃貸借契約の解約条件を確認する
入居者との賃貸借契約の内容は、管理会社を変えてもそのまま引き継がれます。新しい管理会社に変えたからといって、入居者の契約内容が自動的に変わるわけではありません。
ここで注意したいのが、管理会社によって契約書の解約条件がバラバラだということです。
解約予告期間が2ヶ月前の会社もあれば、30日前の会社もある。解約精算が実日数計算の場合もあれば、30日固定の場合もある。
これらの条件は新しい管理会社に引き継がれますので、引き継ぎ前に把握しておいてください。新しい管理会社にとっても、この情報がないと適切な対応ができません。
管理委託契約の解約は簡単ではないケースがある
管理会社を変えたいと思ったとき、一番大きなハードルがここです。
管理委託契約の解約は、3ヶ月前〜6ヶ月前の予告が必要な会社が多いです。「来月から変えたい」と思っても、すぐには変えられません。
さらに注意が必要なのが、転貸型(サブリース型)の管理契約の場合です。転貸型では管理会社が借主の立場になるため、借地借家法の保護を受ける可能性があります。そのため、オーナー側からの解約自体が認められないケースがあります。
これを逆手に取って、解約を申し出たオーナーに対して莫大な違約金を請求してくる管理会社もあります。
管理会社を変えようと思ったら、まず今の管理委託契約書を確認してください。契約の形態が代理方式なのか転貸方式なのか、解約条件はどうなっているか。ここを確認しないまま新しい管理会社に相談しても、話が前に進みません。
保証会社と火災保険が引き継げるか
ここは見落としがちですが、非常に重要です。
管理会社を変えると、保証会社や火災保険がそのまま引き継げないケースがあります。
保証会社は管理会社との提携関係で契約しているため、管理会社が変わると保証契約が継続できないことがあります。その場合、新しい管理会社の提携する保証会社に切り替える必要がありますが、入居者に改めて審査を受けてもらう手間が発生します。
火災保険も同様です。管理会社経由で契約している場合、管理変更に伴い保険の切り替えが必要になることがあります。
保証会社の保証が途切れる期間が発生すると、その間の家賃滞納リスクはオーナーが直接負うことになります。管理会社を変える前に、「今の保証会社と火災保険は引き継げるか」を新旧両方の管理会社に確認してください。
管理変更は「今の契約を知ること」から始まる
管理会社を変えたい気持ちはわかります。ただ、変える前にまずやるべきことは、今の管理の中身を正確に把握することです。
管理委託契約の形態(代理方式か転貸方式か)と解約条件はどうなっているか。
賃貸借契約の特約に何が書いてあるか。金額は明示されているか。
賃貸借契約の解約予告期間と精算方法はどうなっているか。
貸出前の写真や修繕履歴は残っているか。
保証会社と火災保険は引き継げるか。
これらを把握したうえで新しい管理会社に相談すれば、引き継ぎがスムーズに進みます。逆に把握しないまま変えてしまうと、新しい管理会社も対応に困ることになります。
まとめ
管理会社を変えること自体は可能です。ただし、変える前に以下を確認してください。
契約書の特約にクリーニング費用の金額が明示されているか。
貸出前の写真が管理会社に保管されているか。
賃貸借契約の解約条件(予告期間・精算方法)を把握しているか。
管理委託契約の形態と解約条件を確認しているか。転貸型は特に注意。
保証会社と火災保険がそのまま引き継げるかを確認したか。
管理変更は「今より良くしたい」という前向きな判断です。だからこそ、準備をしっかりして、スムーズに次のスタートを切ってください。
管理会社を選ぶときに確認すべきポイントは、こちらにまとめています。
