[ 迎え火オペラ ]:毎週ショートショートnote
ー 家族をつなげる、ひとつのケーキ ー
コチラのお題に参加しました。
ネタ被りしそうなので、早めに投稿😁
でも、被りそうで意外と被らない毎ショーの不思議。

[ 迎え火オペラ ]
「オペラ食べるか?」
家に帰り、2階にいると思われる高校生の娘に声をかけた。
エアコンがリビングにも効いていて気持ちがいい。
娘とは、すっかり会話も無くなったが、声だけはかけるようにしている。
リビングのテーブルに、通勤カバンとケーキの箱を置く。
中から、オペラをひとつ取り、リビングの隣にある和室に入る。
仏壇の前に、オペラを置き手を合わせる。
「今年も、お前が好きなオペラを買ってきたよ」
妻が亡くなってから、ずっとこの時期にオペラを供えている。
2階から娘が降りて来たようだ。
振り返ると、娘は無言のまま食器棚から、ケーキ皿とフォークを2セットとりだし、テーブルの上に置き、自分の分のオペラを皿に乗せた。
「ありがとう」
オレも自分の席につき、前に置かれた皿にオペラを乗せた。
「さ、食べよ」
そう言うと、無言で娘はオペラを口にした。
オレも、ひとくち食べて「いつ食べても、ここのオペラはうまいなぁ」と言ったが、どうやら空気としてどこかへ流れたらしい。
その後、しばらく無言のままオペラを食べていると、
「迎え火」
久しぶりに聞いた娘の声だった。
「えっ?」と、間抜けな声を出すしかなかったオレに、娘は続ける。
「お盆の迎え火、ウチは、いつもオペラだね」
「あぁ、そうだな。お母さん、好きだったからな」
「最高のフィナーレらしいよ」
「えっ?」
目を伏せたまま、娘は続けた。
「オペラのお菓子言葉」
妻から聞いてそのことは知っていたが、そっか、娘も知っていたか。
娘は、少し笑いながら、
「送り火にしたほうがいいじゃね?」
オレは「あー、確かに……ハハハ」と、軽く笑ったあと、
「ま、せっかくだから、お迎えを豪華にしたいと思ってな、高いんだぞー」
「お母さん、喜んでるかな」
「喜んでるさ、もう、とびっきりな笑顔でな」
自然とふたりは、仏壇を見た。
喜んでオペラを食べる妻の顔が浮かんでいた。
そして、残りのオペラを静かに食べた。
おしまい。
↓前回参加したお話はこちら
↓にっこりみかんの物語マガジンはこちら
おまけのみかん🍊
オペラが出てくる私が好きな小説はこちら
お菓子がたまらなく作りたくなるお話です。
季節は違うけど……
↑↑とっても楽しい、迎え火オペラになっています😊
好きな音楽に乗せて、楽しもうぜ〜♪
↓↓の動画を思い出したので、貼っておきます。
いいなと思ったら応援しよう!
サポートしてくださると、ありがたいですー😊♪