盆踊りNEO会議:後半
前回までのあらすじ
夏祭り実行委員会会長"祭田幾三"とその取り巻きの鋭い視線を浴びながら、新入りの20代"宗田空礼奈"がとんでも企画書を読み上げる。
老人に未来を担う若者が潰されるのかと思ったその時───
「で、経費なんすけどぉ。」
宗田は場の空気をもろともせず提案を続ける。
「景品ないとゲームって盛り上がらないじゃないっすかぁ。でも経費足りないんでぇ、ちょっと考えがあるんすわぁ。」
もう、宗田を止められる者はいないように思えた。
「勝手に喋らせとけ。どうせ没だ。」
そう祭田が隣の腰巾着に耳打ちした。
宗田は『【経費について】』という資料を取り出し読み出す。
【経費について】
優勝者には
・『近くのスパ(銭湯)1ヶ月フリーパス』
・『この辺りでブイブイ言わせてる爺様"大池照蔵"とゲートボールできる権利』
・『"祭田"と不倫している女性データリスト』
などなど、何か婆ちゃんお姉様が喜びそうな景品を用意。
尚、景品代(謝礼・探偵費用含む)は予算内に収まらないため調達を検討する。
「おい!」
明らかに動揺している祭田の素っ頓狂な声が轟く。
「その…なんだ…えーっと…ふ、不倫?とかいうソレは…」
「え?あぁ!女性って年代問わず、こーゆーの好きじゃないっすか。それとも『【最新版】不倫マップ-相関図付き-』の方がいいっすかぁ?」
「そ、それはちょっと…」と後方の席から小さく聞こえたが、はっと口を手で押さえ冷たい視線に晒されている。
「まぁ脱線したんで続きまーす」
どれだけの爆弾を投げたか分かっているのか、ワザとなのか。
その追求すらもさせない勢いで宗田は喋り出す。
【経費について】(続き)
景品及びゲームの準備にかかる経費の回収を図るため、更にもうひとつイベントを開催する。
その名も『ばぁちゃんダービー』。
略して"バービー"と呼ぶが、これでは各ばぁちゃんに番号を振る。
ストレートに言うと賭け事を楽しんでもらう。こちらの景品は1位当選者のみ。1位を当てた人のみ賭け金の2倍を払い戻し。
上手くサクラを入れて、金額調整をする。
「ここまでで質問あるっすかぁ?」
質問もクソも…皆がそう思い祭田を見た。
「あ、あ、あ…あのなぁ…」
動揺が抜けきらない。何せ不倫の証拠を握られているのだ。
「あ!で、これやったら予算ちょー余ると思うんで…」
「皆で温泉でもぱぁっと行きましょ?で、夜はコンパニオンでも呼んで…ねぇ?」
少し、会場の雰囲気と
祭田の眼の色が変わった。
観察メモ:
うん?なんか
雰囲気悪く ないっすか?
ダンレボん踊りのがいいすか?

貴方の大切な時間を
報告書に使ってくれて、あざーっす。
宗田空礼那
▼夏っすねー
▼夏っすわー
