暗くて、つらくて・・・カッコいい!ヴィヴァルディの「夏」
FM八女「きらきらミュージックBOX ~クラシック音楽の水曜日~」で放送した内容を、読み物として再構成した記事【260826_1】です。
放送日:2026年8月26日
放送内容記事は通常3回に分けて公開します。
今週の放送記事
1/3:暗くて辛くてカッコいい、ヴィヴァルディの『夏』
※この記事です。
2/3:レインボーのハードロックで『山の魔王の宮殿にて』【ディスカバー・ザ・クラシックス】
3/3:『山の魔王』ビッグバンドジャズで!
まだ、夏よね
僕らが子どもの頃は、8月いっぱいが夏休みだったはずです。今ごろは、たまった宿題との最終決戦を迎えていた頃でしょうか。
今はもう学校が始まっているようです。夏休み終わっても暑いからまだ夏。
先週は「後期ロマン派から古典へ戻ろう」と言いながら、プロコフィエフの『古典交響曲』で20世紀まで進んでしまいました。
すると、怒りのバロック音楽リクエストが。
今回は、リクエストをいただいたヴィヴァルディの『四季』より『夏』と、その前にバッハの『ドッペルコンチェルト』を聴きました。
二人で語り合う、バッハの「ドッペル」
J.S.バッハ
『2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調』BWV1043
通称「ドッペル」。二本の独奏ヴァイオリンが追いかけ、重なり、離れながら、対等に語り合う音楽です。
こうした協奏曲形式を発達させたのが、少し年上のヴィヴァルディ。
バッハはヴィヴァルディの協奏曲を研究し、そこへ複数の旋律を同時に組み合わせる、自分ならではの方法を加えました。
ヴィヴァルディから学んだ協奏曲を、バッハが自分の言葉で語り直したような作品です。
なお、この曲は10月10日18:30、久留米市石橋文化ホールで開催される久留米室内管弦楽団の演奏会でも取り上げられます。ぜひ会場で、生『ドッペル』お楽しみください。
ヴィヴァルディさん、夏・・・嫌い?
ヴィヴァルディの『四季』より『夏』
(A.ヴィヴァルディ ヴァイオリン協奏曲集『和声と創意への試み』作品8より 協奏曲第2番)
この『夏』は、爽やかなサマーホリデーではありません。
猛烈な日差しで人も家畜も弱り、風が争い、羊飼いはおびえて泣く。休もうとしても雷が怖く、蚊や蝿まで飛び回り、最後には本格的な嵐が襲ってきます。
冷房も冷蔵庫もなかった18世紀初頭のヨーロッパ。夏は、僕たちが想像する以上に厳しく、恐ろしい季節だったのでしょう。
協奏曲を発達させたヴィヴァルディと、それを自分の音楽へ発展させたバッハ。
今回は、二人のつながりとともに、暗くて辛くてカッコいいヴィヴァルディの『夏』を聴きました。
次回の記事
次回は、番組まんなかのお楽しみコーナー「ディスカバー・ザ・クラシックス」で紹介した、グリーグの『ペール・ギュント』より『山の魔王の宮殿にて』を取り上げます。
※公開後にリンクを追加します。
