「中道改革連合」解体:公明党は次の衆院選で、何議席取れるか

支持層の意識は「右(保守)寄りの中道」へと変化していた

大方の予想通りの展開で、「中道改革連合」は解体、公明出身議員は公明党へ、立憲民主党出身議員は新党を立ち上げ、そこに所属することが決定した。
公明党と新党は基本政策の合意を前提として、衆議院で統一会派「中道」を組むことになる。

現象面のことは余りいいたくないが、何点か、思うことを。

中道惨敗の衆院選で見えたことは、第1に公明党の「路線選択」の失敗だ。「平和」「福祉」「庶民・生活者」重視の中道路線は結党時から変わっていないが、連立政権以前は、どちらかといえば「左(革新)寄りの中道」だった。
ところが、自民党と長らく連立政権を組んできたことで、(創価学会活動家の高齢化もあって)支持層は「右(保守)よりの中道」へと意識を変えた。

公明党・創価学会は支持層の意識変化がわかっていなかった。
立民との合体は「右(保守)よりの中道」意識を持った支持層には違和感が大きい。

立民がいくら「中道路線」を標榜したとしたとしても、「護憲的価値観」「リベラルな社会政策」「労組との結びつき」「自民党政権への批判勢力であること」などレフト的な思考・行動スタイルは残っている。
公明党支持層が違和感をおぼえるのも当然のことで、選挙運動にも従来のように力が入らなかった。

活動家の高齢化と減少で、スピーディーな内部浸透ができなくなった

第2に活動家の高齢化と減少が思った以上に進んでいることだ。立民との合流は選挙戦の数週間前に決まった。

以前の創価学会であれば新しい決定が組織の最前線に浸透するまで、さほど時間がかからない。
おそらく数週間もあれば一線の会員まで疑問を抱かせることなく、「中道」の名前と合流の意味が浸透していたはずだ。

ところが、そうはいかなかった。
高齢者が多いと名前を浸透させるだけで手一杯。ましてや「合流の意味」を深掘りできるはずがない。
ある意味で、選挙運動は固定化しており、既存の流れ・パターンに沿った活動なら問題ないが、そのパターンから外れると理解に時間がかかり、すばやく動けなくなる。

必然的に内部を固めるのに手一杯で、外部への声がけを本格的に展開できなかった。

フレンド票だけでなく、会員票も相当数流出したか

第3に、その結果、いわゆるフレンド票だけでなく、会員票も相当数流出したのではないかと思われる。
あまりいいたくはないが、立民と組んだことで、今まで、たいした疑問を持たずに選挙活動を行っていた活動家でさえも、「選挙活動をする意味」「公明党を応援する意味」を、もう一度、自身に問い直すことになった。

熱心な活動家にさえも丁寧な説明が必要な場面だったが、もちろん創価学会・公明党は「対話による説明」など必要とは思っていない。
従前どおり号令をかければ、いっせいに動くと思っていた節がある。

説明が必要なときに説明しないと、必然的にモチベーションは下がる。
一番の懸念は「活動家の心」が決定的に離れたのではないかということだ。
だとしたら、獲得票数は想像以上に少なかったかもしれない。
そう思う理由のひとつは選挙終盤、創価学会首脳が、いわゆる重点区に入ったが、かつての終盤の爆発力はなく、功を奏さなかったからだ。

比例で公明党が何票、獲得したのかわからないが、比例の得票数は、ただでさえ

2021年衆院選:711万4282票
2024年衆院選:596万4415票
2025年参院選:521万569票

と、わずか4年で約190万票、26.7%減っている。
公明党自身も2025年参院選後、2022年参院選から約97万票、2024年衆院選から約75万票減ったと総括した。

この減少傾向と今回特有の上記の理由を合わせると、比例の公明党出身議員の得票数は、よくて400万票台前半、ひょっとすると300万票台に落ち込んだ可能性がある(立民の基礎票を、どの程度と読めばいいのかわからぬが、仮に800万票だとすると公明党の獲得票数は200万票台だった可能性もないではない)。

次期衆院選の獲得議席の予測(比例を400万票台前半と見て)

次回の衆院選は公明党として戦うことになるので、多少の票は戻るとしても引き続き減少傾向にあることは間違いないから、比例の得票数を400万票台前半と考える。

当選者数は
比例が13~14議席、
選挙区が兵庫2区、兵庫8区、広島3区(+東京29区、北海道10区)の3~5議席で、
合計16~19議席となりそうだ。

もし比例350万票程度だとすると
比例が11~12議席
選挙区が兵庫2区、兵庫8区、広島3区の3議席
合計14~15議席となる。
こちらのほうが可能性は高いか。

2024年衆院選での公明党は小選挙区8+比例20=28議席だったから、半減することになるが、かろうじて全国政党としての体裁は保てる(仮に200万票台だったときは全国政党の維持が難しくなる)。

ニーズを吸い上げ、ニーズに応えられる体制をつくる

党改革や支持層の拡大策は次の衆院選には間に合わない。
次の衆院選の結果は、あらかじめ受け入れたうえで、今こそ「公明党第2の創業」をスタートさせることだ。

「第2の創業」という言葉を使ったのは2025年参院選の比例得票数520万余票は公明党結成直後に行われた昭和40年参院選の獲得票数に近似しているからだ。
池田先生は次のようにおっしゃられている。

七月四日、公明党結党直後の、初の参院選を迎え、ここに四度(よたび)、政治史上に輝く、全国区九名、地方区二名当選という大勝利を博したのである。全国区の得票数、実に五百万を越え、内外の驚異の的となった。(『巻頭言・講義集』第四巻、創価学会、62ページ)

文章から勝利の歓喜と勢いが伝わってくる(このところ味わったことがない)。
上昇傾向にあるときの500万と退潮傾向にあるときの500万は持っている意味はぜんぜん違うが、だからこそ「第2の創業」にふさわしい「とき」ではあるまいか。

何から始めるか。
ニーズを吸い上げることだ。マーケティング的にいえば、ニーズに応えられないから党勢が退潮しているわけで、ニーズを吸い上げ、ニーズに応えられる体制を構築する必要がある。
まずは主たる支持層である会員の皆さんの要望・意見に徹底的に耳を傾けたい。

高齢者が多いということは、さまざまなスキル・技能をもった会員が現役を退き、腕を発揮する機会を失っている可能性が高い。

そうした会員(もちろん非会員も)を結集し、技能・スキルを発揮する機会を設けていくようにすれば単に党勢拡大に役立つだけではなく、地域貢献・社会貢献の道も開かれる(地域コミュニティに参画している身としては、さまざまな背景・スキル・技能を持った人材が参加してくれると、ものすごくありがたい)。

公明党は、もともと既存の労組などには入れない未組織労働者をターゲットとしてスタートした政党だ。
非正規雇用が、こんなに増えた現在、非正規雇用や女性、社会的弱者のニーズにきちんと応えることさえできれば党勢拡大の余地は、まだまだある。

もちろんやっているとは思うが、とりあえず非正規雇用の皆さんの要望・意見に耳を傾けることから始めてはどうか(おそらく経済面の問題を中心に、さまざまな課題が浮かび上がるはず。その課題の一つひとつがニーズだ)。

一切は対話から始まると思うが、如何。

※参考にしてください。
衆議院選の結果を見て思うこと:組織の衰退が加速度を増している
公明党の「参院選総括」について思うこと:創価学会は新教学捨て、新たな弘教拡大の大波を


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