片足トレーニングと両足トレーニング、筋肉が育つのはどっち? 最新メタ分析の答え!
筋トレをしていると「スクワットやデッドリフトのような両足で行う種目」と「ブルガリアンスクワットやランジのような片足で行う種目」、どちらをやるべきか悩んだことはありませんか?
一般的には、両足で行うトレーニングが“基本”とされ、片足トレーニングは補助的な位置づけでした。リハビリや左右差の調整のために取り入れられることが多く、「本格的な筋肥大や筋力アップなら両足」という考えが強かったのです。
しかし近年では、「片足トレーニングの方がより効果的かもしれない」という声も出てきました。特にスポーツ選手の間では、動作の多くが片足で行われるため、その有効性が注目されています。
では実際に、筋肉を大きくする効果や筋力を高める効果において、片足と両足では違いがあるのでしょうか?その疑問に答えるべく、世界中の研究をまとめた最新のシステマティックレビューとメタ分析が行われました。
◆ 研究の内容:世界中の研究を徹底チェック!
研究者たちは、PubMed、Scopus、Web of Scienceといった主要なデータベースから関連する論文を徹底的に検索。その結果、703本の研究が見つかりましたが、厳しい条件を満たしたのはわずか9本。その9本をもとに分析が行われました。
参加者は成人を対象とし、慢性的な病気やケガを持つ人は除外。比較されたのは以下の2つです。
片足(片腕)で行う筋トレ
両足(両腕)で行う筋トレ
評価項目としては、筋肉の厚さや断面積、筋肉量の変化などの「筋肥大」と、最大挙上重量(1〜5RM)などの「動的筋力」が設定されました。
◆ 結果①:筋肉の成長(筋肥大)に違いはある?
最も気になる筋肉の成長についての結果は、「片足でも両足でもほぼ同じ」でした。
統計的に見ても両者に有意な差はなく、片足トレーニングでも両足トレーニングでも筋肥大の効果は変わらない、というのが結論です。
例えば、大腿四頭筋の厚さを測った研究でも両群ともに筋肉の成長が確認され、二重エネルギーX線吸収測定法を用いた研究でも同様の結果が出ています。
つまり「筋肉を大きくしたい」という目的なら、片足でも両足でも効果は変わらないのです。
◆ 結果②:筋力アップはどうなる?
筋力については「トレーニングの特異性」という法則が明確に表れました。
両足トレーニングを行った人は、両足での筋力(バーベルスクワットなど)が大きく伸びる
片足トレーニングを行った人は、片足での筋力(片足スクワットやランジなど)が大きく伸びる
つまり、どんな種目で鍛えたかによって、その動きでの筋力が向上するのです。
これは非常にシンプルですが重要な結果です。スクワットで高重量を扱いたいなら両足スクワットを。競技動作の安定性や片足の強さを伸ばしたいなら片足種目を選ぶべき、ということになります。
◆ 結果③:研究の限界
今回のメタ分析にも限界があります。
筋肥大を直接測定した研究が少ないため、データの蓄積が十分ではない
トレーニング内容(重量設定や回数、期間など)が研究ごとに異なっている
バイアスのリスクは中程度と評価されている
そのため、今回の結論は「現時点での最善の答え」ですが、今後さらに高品質な研究が増えれば、新しい発見がある可能性があります。
◆ まとめ:今日から実践できるポイント
今回のメタ分析から導かれるポイントは次の3つです。
筋肉の大きさに関しては片足でも両足でも差はない
→ どちらを選んでも筋肥大の効果はしっかり得られる。筋力アップは特異性に従う
→ 両足を鍛えれば両足が強くなり、片足を鍛えれば片足が強くなる。目的に応じて使い分けるのが最適解
→ 筋肥大目的ならどちらでも良い。競技動作や個人の課題(左右差やバランス)に合わせて種目を選ぶのが賢い。
◆ おわりに:正解は「どちらもアリ」
今回の研究は、「片足と両足、どちらが優れているのか?」という長年の疑問に一つの答えを与えました。筋肉を大きくするだけなら、どちらを選んでも効果は同じ。ただし筋力については“やった通りに強くなる”というルールに従います。
結局のところ「片足と両足、どちらが正しいか」ではなく、「目的に応じてどう使い分けるか」が重要なのです。スクワットもブルガリアンスクワットも、それぞれに価値があります。あなたの目標に合わせて組み合わせることで、効率的に成果を出すことができるでしょう。
◆ 参考文献
Kassiano W, et al. Comparison of Muscle Growth and Dynamic Strength Adaptations Induced by Unilateral and Bilateral Resistance Training: A Systematic Review and Meta-analysis. Sports Med. 2025 Apr;55(4):923-936.
