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筋トレの収縮スタイルで効果は変わる? 最新メタアナリシスが出した答え!


 筋トレの動作をよく観察すると、実は大きく3つの種類があります。

・コンセントリック収縮:筋肉を縮めながら力を出す
(例:ベンチプレスでバーベルを押し上げる動作)

・エキセントリック収縮:筋肉を伸ばされながら力を出す
(例:ベンチプレスでバーベルを下ろす動作)

・アイソメトリック収縮:筋肉の長さを変えずに力を出す
(例:スクワットでしゃがんだ姿勢を静止して耐える動作)

 どの収縮様式も筋力アップに役立ちますが、「どの動作で筋トレを行えば最も効率よく強くなれるのか?」という点については、これまで研究ごとに結論が分かれていました。

 そんな中、2025年に報告された最新のシステマティックレビューとメタ分析がこの疑問に答えを出しました。それが「エキセントリック動作のみ」と「コンセントリック動作のみ」の筋トレを比較した研究です。

 今回はこの研究結果をわかりやすく整理し、「結局どうすれば良いのか?」まで解説していきます。






◆ どうやって調べたの?27本の研究を徹底チェック


 この研究では、信頼性の高い条件を満たした27本の研究が対象となりました。ポイントは以下の通りです。

  • 参加者は健康な成人(18〜64歳)

  • 「エキセントリックのみ」または「コンセントリックのみ」でトレーニングを実施

  • トレーニングとテストは、動作速度を一定に保つ「アイソキネティックダイナモメーター」で実施

  • ランダム化比較試験(RCT)のみを採用

 解析の対象となったデータは162件の効果量。これほど多くの研究結果を統合したことで、個別研究のばらつきを超えた全体的な傾向を明らかにできました。



◆ 結果①:伸ばす動作が最強!エキセントリックで筋力27%アップ


 最初に注目したのはエキセントリック筋力です。結果は明確でした。

  • エキセントリックのみのトレーニング:平均 27% 向上

  • コンセントリックのみのトレーニング:平均 10% 向上

 効果量は Hedges’ g = 1.51、統計的にも有意差あり(p < 0.001)。

 つまり、筋肉が伸ばされながら力を出す動作を中心に鍛えると、その能力は飛躍的に伸びるということです。

 さらに解析では「トレーニング期間が長いほど、エキセントリックの優位性は大きくなる」ことも示されました。短期だけでなく、長く続ければ続けるほど差が広がるのです。

エキセントリックとコンセントリックの筋力向上率の比較
(Spudić D, 2025より引用)



◆ 結果②:縮める動作は同じ?どちらの方法でも効果は一緒


 では「縮めながら力を出すコンセントリック筋力」はどうでしょうか?

  • エキセントリックのみ:13%向上

  • コンセントリックのみ:14%向上

 効果量は Hedges’ g = –0.10、差はなし(p = 0.726)でした。

 つまり、コンセントリック動作については、どちらのトレーニングをしても同じくらい効果があるということです。

 ただし、サブ解析では「エキセントリックを速い動作速度で行った場合、コンセントリックの遅い動作テストには効果が出にくい」ことも分かっています(Hedges’ g = –0.99; p = 0.010)。つまり動作速度の違いによっては効果の転移が限定的になる可能性があります。



◆ 結果③:止める動作はどう?こちらも差は見られず


 次に、筋肉を動かさずに力を発揮する「アイソメトリック筋力」を見てみましょう。

  • エキセントリックのみ:平均18%向上

  • コンセントリックのみ:平均17%向上

 こちらも効果量は Hedges’ g = –0.04、差はありませんでした(p = 0.923)。



◆ 研究で見えた3つの真実


 今回の大規模解析から導かれたポイントを整理します。

  1. エキセントリック筋力は、エキセントリック動作で鍛えるのが最も効果的(27% vs 10%)。

  2. コンセントリック筋力とアイソメトリック筋力については、どちらのトレーニングをしても同等の効果。

  3. エキセントリック動作は「長期間行うほど差が広がる」特性を持つ。

 これにより、「エキセントリックトレーニングは万能ではないが、特定の強みを持つ」ということが明らかになりました。



◆ 実際のトレーニングでどう活かす?


 この研究の対象は特殊な機械(アイソキネティックダイナモメーター)を使ったトレーニングでした。しかし、日常の筋トレでもエキセントリック動作を意識することは十分に可能です。

・スクワット:しゃがむ局面を3〜5秒かけてゆっくり下ろす

・ベンチプレス:バーベルを胸に下ろすときにコントロールして負荷を感じる

・懸垂:体を持ち上げられなくなっても、ゆっくり下ろすだけで刺激を入れられる

 こうした工夫で「伸ばされながら力を出す」動作を強調すれば、エキセントリックの効果を活かせます。

 また、研究結果から「続けるほど効果が大きくなる」と示されているため、短期的な挑戦ではなく、中長期的に取り入れることがポイントです。



◆ 結論:下ろす動作を制する者が筋力を制す


 今回の最新メタアナリシスが示したのは、次の結論です。

  • エキセントリック筋トレは、エキセントリック筋力を大幅に高める最強の方法。

  • ただし、コンセントリック筋力やアイソメトリック筋力については、コンセントリックトレーニングと大差ない。

  • 動作速度やトレーニング期間が結果に影響するため、実施方法に工夫が必要。

 筋トレは「持ち上げる」局面に目が行きがちですが、実は「下ろす」「耐える」局面こそが筋力アップの大きなカギになるのです。

 もしあなたが筋トレで一歩先を行きたいなら、次回のトレーニングで「ゆっくり下ろす動作」をぜひ意識してみてください。それが強い筋力をつくる第一歩になるかもしれません。



◆ 参考文献


Spudić D, et al. Eccentric-Only Versus Concentric-Only Isokinetic Strength Training Effects on Maximal Voluntary Eccentric, Concentric and Isometric Contraction Strength: A Systematic Review and Meta-analysis. Sports Med Open. 2025 Aug 21;11(1):95.



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