左腕の先に右手がついた日。AI画像を直すときに必要だったこと
この記事では、AI画像の違和感を見つけたときに、どこを残し、どこを直し、どう言葉にすれば修正が進むのかを、実際の失敗画像をもとに整理します。
今日の「雷翼鳥の契約者」のUP分が記事の掲載300話に到達したようです。ずいぶん書いたな… 少し感慨深いです。
こんばんは、Rojerです。
昨日UPした『書かれたとおりになるもの』第13章ですが、挿絵の修正に少し難儀したので、記録として残しておきたいと思います。
AIで画像を作っていると、「だいたい合っているのに、そこだけは絶対におかしいだろう」という一枚が、ときどき出てくるんですよね。

修正前。腕と手のつながりに注目してください。
この画像、おかしくありません?
非常に怖かったので、AIにこうお願いしました。
腕に対して指の向きがおかしいから、修正してほしい。
しかし、出てきた画像は「全く同じ画像」でした。
いやいや、怖いんですよ。
怪異を扱った小説の挿絵なので、画像そのものが怖いのは構いません。けれども、意図していないところで人間の身体が怪異になってしまうのは困ります。
そこで、もう少し詳しく指示を出し直しました。
腕がどちら側から伸びていて、手のひらがどちらを向き、指がどの方向へ曲がるのか。単に「おかしい」と伝えるのではなく、身体のつながりを一つずつ言葉にして、四回目でようやくこちらが希望する画像になりました。

といいつつ、彼女は両手利きです(笑)
修正後。腕から手首、指先まで自然につながりました。
やっぱり、左腕の先に右手のような手首がついている画像って、怖いものです。
まぁ、小説の内容より先に、読者が「この手、どうなっているんだ?」と考え始めたら、せっかくの場面が頭に入らなくなってしまいますからね。
「おかしい」だけでは、AIに伝わらない
ここで私が分かったのは、人間が見れば一瞬で分かる違和感も、AIが同じように理解しているとは限らないということです。
私たちは画像を見た瞬間に、「腕の向きと手が合っていない」と感じます。しかしAIにとっては、どの部分を残して、どこを作り直し、何を正解とすればよいのかが曖昧なままなのかもしれません。
もし、あなたもAI画像を修正するときに同じ画像ばかり返されることがあるなら、「おかしい」「自然にして」「ちゃんと直して」だけではなく、次の四つに分けて伝えると整理しやすくなります。
残したいもの:人物、表情、服装、背景、画風など
間違っている場所:左腕、右手首、指の向きなど
正しい状態:左腕から左手が自然につながり、手のひらは内側を向く
優先順位:人物を均等に見せることより、人体として正しい構造を優先する
修正の指示が長ければ長いほど良い、ということではありません。
何を残し、何を捨て、どの条件だけは絶対に守ってほしいのか。そこを分けて伝えることの方が大切なのだと思います。
手だけならこちら
今度は、車が車になっていなかった
そして今日の画像にも、おかしなところがありました。

修正前。センターピラーと、運転席に座る圭吾の位置に違和感があります。
車の造形がおかしいのと、圭吾の座っている位置が運転席から離れすぎているのが分かったため、修正をお願いしました。
そのときに出した指示が、こちらです。
画像ですけど、車の造形がおかしいので再作成してほしい。車のセンターピラーがないのと、圭吾の座っている位置がハンドルから離れすぎていておかしい。登場人物を均等に見せたいのかもしれないが、車にセンターピラーを入れること、圭吾を運転席に座らせること、運転席と後部座席の窓ガラスを全部開いた状態で描くことを行ってください。
AIからは、次のような返事がありました。
承知しました。今回は人物だけを入れ替えるのではなく、車体構造から再設計します。
日本仕様の右ハンドル・4ドア車として、前後ドアの間に太さのあるセンターピラー(Bピラー)を入れる
圭吾を右側の運転席へ座らせ、ハンドルの正面に身体を合わせる
運転席と後部座席を含む左右4枚のサイドウインドーを完全に下げる
ピラーで人物の一部が隠れても、車として正しい構造を優先する
という条件で構図から作り直します。画像生成スキルを使い、完成後はピラー、座席位置、窓の開閉状態を確認します。
返事だけを読むと、完璧なんですよ。
こちらの指示を理解し、何を直すのかまで整理してくれている。あとは画像が出てくるのを待つだけだと思っていました。
ところが、それから数十分経っても画像が作成されず……。
待ちきれなくなって、
どのくらい時間がかかるのかな?
と質問したら、ようやく返答があり、その後5分39秒で画像が出てきました。

修正後。車体構造と座席位置を優先して、構図から作り直した画像です。
部分修正で済むのか、構図から作り直すのか
手や指のように、限られた部分だけがおかしい場合は、その箇所を指定した修正で直ることがあります。
しかし今回の車のように、ピラー、窓、座席、ハンドル、人物の位置関係がまとめて崩れている場合は、一か所だけを直そうとすると、別の場所に無理が出やすくなります。
そんなときは、「修正してください」ではなく、「この条件を残して、構図から再作成してください」と頼んだ方がよさそうです。
私は今回、人物を均等に見せることよりも、車として正しい構造を優先してほしいと伝えました。AIは見栄えの良い構図を作ろうとして、現実の構造を曲げてしまうことがあるからです。
あなたが画像を確認するときも、きれいか、迫力があるかだけではなく、次の順番で見ると違和感を見つけやすくなります。
人体:腕、手、指、足、視線は自然につながっているか
物の構造:車、建物、家具、道具が現実に成り立っているか
位置関係:人物は座席に座っているか、手は物に触れているか、視線の先に対象があるか
画像全体をぼんやり眺めていると、雰囲気の良さに引っ張られて、細かな間違いを見落とします。
人体、物、位置関係と分けて確認すれば、「何となく変だ」で終わらず、修正する場所を具体的に伝えられるようになります。
この「人体・物の構造・位置関係」という見方を、もう少し実際に使える形にしたものを、別記事にまとめました。
この記事では失敗の流れを書きましたが、実際に自分の画像を直そうとすると、
「手がおかしい」は、どこまで分解して伝えるのか。
「車や建物がおかしい」は、部分修正でいいのか、構図から作り直すのか。
「人物と物の位置関係」は、AIにどう説明すれば伝わりやすいのか。
このあたりで、また手が止まりやすいと思います。
そこで、人体・物・位置関係ごとに、違和感を見る順番と修正指示のテンプレートを整理しました。
AI画像を見て「なんか変なんだけど、どう直せばいいのか分からない」と感じている方は、こちらを参考にしてください。
▶ AI画像の違和感を直す指示テンプレート集|人体・物・位置関係をどう見て、どうAIに伝えるか
生成が止まったとき、待ち続ける前にできること
なんだか最近、AIの様子がおかしいんですよね。
8月の千葉県豪雨で停電になった後から、少しおかしいのです。やっぱり停電って、PCに悪いことなんでしょうね。
ただ、ここは分けて考えた方がよさそうです。
突然の停電がPCや保存中のデータへ悪影響を与えることはありますが、AIの画像生成そのものは、基本的に自分のPCではなく外部のサーバー側で処理されています。そのため、画像が何十分も出てこない原因が、停電でPCがおかしくなったからだとは限りません。
通信が一時的に切れた、ブラウザの画面表示が止まった、画像生成側が混み合っている、処理の開始がうまく伝わっていない。そんな可能性もあります。
数分待っても何の変化もない場合は、ずっと同じ画面を眺めるより、処理中かどうかを尋ねる、一度中止して改めて依頼する、新しい会話で元画像と条件を渡し直す、と切り分けた方が早いこともあります。
なお、停電後にPC自体の動作が不安定になったのなら、未保存データが消えていないか、ストレージに異常がないか、OSの更新や再起動が必要ではないかは、別に確認した方が安心です。
AIが遅い問題と、PCの調子が悪い問題を一緒にしてしまうと、原因がどちらにあるのか分からなくなってしまいますからね。
AI画像は、生成したあとが本番なのかもしれない
AIへ細かく指示を出したからといって、一回で希望どおりの画像が完成するとは限りません。
けれども、失敗した画像は無駄ではないんですよね。「腕の向きがおかしい」「車の構造が成立していない」と気づいたことで、次は何を確認し、どう伝えればよいのかが分かります。
生成する。
違和感を探す。
残すものと直すものを分ける。
部分修正で無理なら、構図から作り直す。
この繰り返しで、ようやく小説の場面を支えてくれる一枚になります。
AIが画像を作ってくれるようになっても、最後に「これで読者を物語の中へ連れていけるだろうか」と判断するのは、やっぱり人間なんだと思います。
もし、あなたがAI画像の違和感をうまく説明できずに困ったら、まずは「人体」「物の構造」「位置関係」の三つに分けて眺めてみてください。
そして、残すもの、直す場所、正しい状態、優先順位を言葉にする。それだけでも、AIとの修正作業は少し進めやすくなるはずです。
私も今後、画像を作るときには、雰囲気だけに感心せず、手や指、車のピラーまで、じっくり確認していこうと思います。
小説より怖い画像が、偶然できあがらないように(笑)。
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