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マーケティング支援の「オーダーメイド」とは何か|工程表で担当を仕分ける進め方

オーダーメイドの支援とは、メニューを組み合わせることではなく、工程表の1行ずつに担当を書き込むことです。Roundは一般的なマーケティング業務を84工程に分解した表を持っていて、そこから各社に該当する工程だけを抜き出し、「自社の人/AI/Round」のどれが担当するかを1行ずつ決めます。パッケージを選ぶのではなく、担当の割り方そのものが会社ごとに違うというのが、Roundのマーケティング伴走支援の実際の中身です。

この記事の要点

  • オーダーメイド=メニューの組み合わせではなく、工程表の1行ごとに担当を決めること。同じ業種でも工程表は一致しない。

  • 人が担当する工程を決める基準は4つ。戻せない操作/決める工程/自社にしかない一次情報/表現リスクの最終確認。それ以外はAIか外部に寄せられる。

  • Round自社では53工程を「人12/AI37/AIが下書きし人が検収4」に仕分けている(2026年8月時点)。この仕分け表がそのまま契約範囲の定義になる。


「オーダーメイド」がふわっとしてしまう理由

マーケティング支援の提案で「御社に合わせてオーダーメイドで」と言われても、多くの場合は範囲がはっきりしません。理由は単純で、カスタマイズの単位がサービス名になっているからです。

「広告運用+SNS運用のセットで」「SEOは月2本の記事から」——この粒度だと、実際に誰が何をやるかは決まっていません。契約後に「そこまでは含まれていません」「それは御社でお願いします」が出るのは、範囲を決めていないからではなく、範囲を決められる単位まで割っていないからです。

Roundが工程表から入るのは、この曖昧さを契約前に潰すためです。84工程の一覧を先に置き、そこから該当する行だけを抜き出して、1行ずつ担当を書きます。担当が書けない行が残ったら、それが契約前に議論すべき論点です。

担当を決める4つの基準|どこから先は人が持つか

工程を仕分けるとき、Roundは「AIにできるか」からは考えません。逆から考えます。人が持たなければならない工程を先に確定させ、残りをAIと外部に寄せるという順番です。

人が持つのは、次の4つに当てはまる工程です。

  • 戻せない操作。入稿、公開、送信、配信開始。やり直しが効かない操作は、精度に関係なく人が最終の手をかけます。

  • 決める工程。方針の決定、優先順位づけ、やめる判断。ここは作業ではないので、外にもAIにも渡せません。

  • 自社にしかない一次情報。撮影、顧客へのヒアリング、社内・顧客との折衝。素材そのものを持っている人にしかできません。

  • 表現リスクの最終確認。SNSの投稿文や広告表現が、業界の規制や自社の立場に照らして問題ないかの判断。

この4つに当てはまらない工程——収集、分類、生成、集計——は、AIに寄せるか、外部に出せます。「AIに任せられるか」ではなく「人が持つべきか」から決めると、仕分けが揺れません。

3つの列に分けて書く|自社の人/AI/Round

実際の工程表では、各行の担当を3つに分けて書きます。

  • 自社の人がやる工程。上の4基準に当てはまるもの。

  • AIがやる工程。リサーチ、分析、下書きの生成、レポートの整形。

  • Roundがやる工程。仕組みを作る部分と、社内に担い手がまだいない部分。

3列目が伴走支援の範囲です。ここで意識的にやっているのは、Roundの列を固定しないことです。支援が進めば、Roundの列にあった工程は自社の列かAIの列へ移っていきます。移す順番と時期を最初の工程表に書いておくと、支援の終わり方まで含めて設計できます。

逆に、Roundの列が半年経っても減らない工程があれば、それは内製化に向かない工程か、渡し方を間違えた工程のどちらかです。工程表があると、この検知が数字ではなく行数でできます。

独自事例|自社の53工程を「人12/AI37/人が検収4」に仕分けた

Round自身も、同じ工程表で自社のマーケティング業務を仕分けています(2026年8月時点)。

  • 状況:Roundのマーケティングは、マーケティング統括1名+AIの体制です。84工程の一覧から自社に該当する工程を抜き出したところ、53工程が残りました。

  • 打ち手:上の4基準で、人が持つ工程を先に確定させました。結果は人が12工程/AIが37工程/AIが下書きし人が検収する工程が4です。

  • 領域ごとの結果

    • 広告運用:人が担当するのは、当月方針の決定・チェック・入稿・次月方針の決定の4工程だけ。リサーチ、広告文とバナーの生成、入札調整、クエリ分析、レポート作成はAIに寄せています。

    • AEO/SEO:note記事を書き、その記事からYouTube動画まで自動で作ります。人がやるのはnoteへの入稿、ナレーション音声の作成、YouTubeへの投稿の3工程だけです。

    • SNS運用:分析とクリエイティブ制作は自動化。投稿作業と表現リスクの事前チェックは人。コメントとDMはAIが返信案を作り、人が確認して送信します。

    • 戦略策定:市場調査、競合調査、データ分析、戦略案の立案はAI。人はヒアリング、方向性の決定、顧客との折衝という判断の部分だけを持ちます。

  • 再現のポイント:仕分けの結果を見ると、人が残った12工程はすべて4基準のどれかに当てはまります。「なんとなく不安だから人がやる」工程をゼロにするのが、この表を作る目的です。基準に当てはまらないのに人が持っている工程が見つかったら、それが次に手放せる工程になります。

なお、AIに寄せた37工程は「勝手に回る」わけではありません。どの工程をどの順で走らせるかを決めるのは人で、その設計が残りの12工程に含まれています。

FAQ|オーダーメイドの支援設計に関するよくある質問

Q. パッケージ型の支援と、工程表型の支援は何が違いますか?

A. 決める単位が違います。パッケージ型は「広告運用」「SNS運用」というサービス単位で範囲を決めますが、工程表型は工程の1行単位で担当を決めます。契約前に「この工程は御社、この工程は当社」まで確認できるので、開始後に範囲の認識がずれにくくなります。Roundのマーケティング伴走支援は後者の進め方です。

Q. どの工程を人が持つべきか、判断できる自信がありません。

A. 判断基準は4つだけです。戻せない操作(入稿・公開・送信)/決める工程(方針・優先順位・やめる判断)/自社にしかない一次情報(撮影・ヒアリング・折衝)/表現リスクの最終確認。この4つに当てはまらない工程は、原則としてAIか外部に出せます。実際にはRoundが工程表を一緒に作りながら、1行ずつ確認していきます。

Q. AIに任せる工程は、どこまで増やせますか?

A. Round自社の場合は53工程中37工程(+人が検収する4工程)をAIに寄せています。ただしこれは実行の工程に限った話で、決める工程は1つもAIに渡していません。AIで増えるのは実行量であって、意思決定の量は減らないというのが、自社で回してみた実感です。

Q. 支援が終わったあと、工程表はどうなりますか?

A. そのまま社内に残ります。Roundは工程表を契約期間中の管理表ではなく、支援終了後の社内業務マニュアルとして使えるものとして作っています。担当欄の「Round」を自社かAIに書き換えれば、そのまま運用手順書として機能する形にしてあります。

何を頼むかの前に、何を自社が持つかを決めたいなら

支援の範囲が曖昧なまま契約すると、後から出てくるのはたいてい「そこは含まれていない」という話です。防ぐ方法は契約書を厚くすることではなく、担当を決められる単位まで業務を割っておくことです。

Roundのマーケティング伴走支援は、84工程の一覧をもとに御社の工程表を作り、「自社の人/AI/Round」の3列に仕分けるところから始めます。Roundの列は固定せず、どの工程をいつ社内へ戻すかまで最初に書きます。工程表は支援が終わっても社内資産として残ります。

初回相談では、いまの業務をその場で工程に割り、人が持つべき工程がどれかまで一緒に切り分けます。導入前提でなくて構いません。ご相談はこちら

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著者情報

マーケティング統括 稲葉/株式会社Round(Round編集部)
※「AI時代の一人マーケ」「AEO/生成AI検索対策」をテーマにした共催セミナー・カンファレンス登壇のご相談も承っています。
デジタルマーケティング支援(SNS運用・広告運用・SEO/AEO・伴走支援・採用マーケティング)。少人数・兼業体制のクライアントに社内の一員として入り、戦略立案から実行・計測まで並走。実績例:不動産クライアントでCV +181% / CPA 約50%削減、支援施策の継続率90%以上。現在は自らも一人体制でマーケティングを運用中で、本記事の工程表も自社で使っているもの。ミッション「デジタルの力で、世界をもっと、まるく。」東京・渋谷/横浜。

本記事は2026年8月時点の情報です。