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第2話:FF1の世界を攻略すること自体に戸惑った。

前回、30歳にして初めて『ファイナルファンタジー』を始めた。

ドラクエ派だった僕は、FF1の魔法システムに困惑し、モンク という謎の職業に疑問を抱きながら、なんとか最序盤を突破した。

そのあたりの話は、前回の記事で書いたので、気になる方はこちらからどうぞ。⤵︎ ︎

そして僕は、ようやく気づく。

ここからが本番だった。



最序盤を終えたら、いきなり放り出された


最初の目的をなんとか達成する。

「よし、次は何をすればいいんだ?」

ゲームを進めていれば、当然次の目的地を教えてもらえると思っていた。

ところが。

「だいたいこっちの方角」

くらいの情報をもらって、あとは自分で行くことになった。

……え?

そんな感じ?


「次はあっち」だけでは分からない


今のゲームなら、

「次の目的地はこちらです」

とマップに表示されたりする。

なんなら目的地まで矢印が出る。

親切なゲームなら、

「この道を進めばイベントが発生します」

くらい教えてくれる。

でもFF1は違った。

「北の方に〜」
「西の〜」
「東にある〜」

え、方角だけ?

あとは自分で考える。

30歳、攻略情報なし。

右も左も分からない。

それでも、とりあえず歩いてみる。

すると敵が出てくる。

戦ってみる。


敵に殺されて、行ける場所を判断する


そして、

死ぬ。

「なるほど。ここはまだ行っちゃダメなんだな」

最初はそう思った。

じゃあ別の方向へ行ってみよう。

歩く。

敵が出てくる。

戦う。

死ぬ。

「……ここも違うか。」

また別の方向へ。

敵が出る。

強い。

逃げる。

なんとか逃げる。

そして、

「この辺なら行けるのか。」

と少しずつ分かってくる。


「行けない場所」がゲームオーバーで分かる


これが、なかなか新鮮だった。

このゲーム、

「ここから先はまだ行かないでください」

とは言ってくれない。

自分で行ってみる。

敵と戦う。

勝てない。

死ぬ。

そこで初めて、

「まだ早かったんだ」

と分かる。

つまり、

敵の強さが案内板みたいなものだった。

もちろん、最初はそんなこと分からない。

だから僕は何度も死んだ。

「こっちかな?」

死亡。

「じゃあ、こっち?」

死亡。

「……違うのか。」

そんなことを繰り返しながら、少しずつ世界を覚えていった。


モブだと思っていた人たち


そして、もう一つ困ったことがあった。

町にいる人たち。

いわゆるNPC。

僕は基本的に、

「町の人=情報をくれる人」

くらいに思っていた。

話しかけて、

「へぇ〜」

と思ったら次へ。

名前なんて、ほとんど気にしていなかった。

だって、最初に会ったときは、

「この人、後で重要になる人です」

なんて教えてくれないから。


名前付きキャラ、覚えてません


ところが、ゲームを進めていると、

「あの人物を探せ」

みたいなことが出てくる。

そこで僕は、

「……誰?」

となる。

名前を聞いても分からない。

どこで会ったのかも分からない。

どこの町にいたのかも分からない。

そもそも、その人物を重要人物だと思っていなかった。

結果。

探す。

ひたすら探す。


「この人じゃない……」


町に戻る。

一人ずつ話しかける。

「違う。」

次の人。

「違う。」

その隣。

「違う。」

別の町へ行く。

また話しかける。

「違う。」

そして思う。

「最初からちゃんと覚えておけばよかった……。」

でも、無理だ。

僕は未来を知らない。

最初に話しかけたとき、

「この人、後で必要になるから覚えておこう」

なんて判断できるわけがない。


30歳、NPCを舐めていた。


ここでようやく、

町の人にもちゃんと意味があるんだな。

と理解した。

主人公たちだけを見ていればいいわけじゃない。

何気なく話しかけた人。

一度しか会っていない人。

名前すら覚えていなかった人。

そういうキャラクターが、後になって重要になってくる。

ゲームの世界にいる人たちが、

ただの背景ではなかった。


FF1を攻略するということ


ここまで遊んで、少しずつ分かってきた。

FF1って、

「次はここへ行ってください」

というゲームではない。

自分で世界を探して、覚えて、判断していくゲームなんだ。

どこへ行けばいいのか。

どこから先が危険なのか。

誰の話を聞けばいいのか。

誰を覚えておかなければならないのか。

それをゲーム側が全部教えてくれるわけではない。

だからこそ、

攻略しているというより、世界のルールを自分で発見している感覚がある。


そして、僕は少しずつ慣れていった。


最初は、

「なんでこんなに不親切なんだ」

と思っていた。

でも、何度も死んで、

「あ、この辺はまだ早いな」

と分かるようになる。

町の人にも、

「この人、何か重要なこと言ってないかな?」

と少し注意して話しかけるようになる。

最初は何も分からなかった世界が、

少しずつ自分の中で繋がっていく。


30歳、初めてのFF。

まだまだ分からないことだらけ。

それでも、

「自分で進めている」

という感覚は、ちょっと面白かった。

そして気づけば僕は、

何度も死にながら、

知らない町を歩き回り、

名前も覚えていない人を探し、

少しずつFF1の世界を理解し始めていた。

……とはいえ。

この時の僕はまだ知らない。

クリアした僕が、

「次はFF2をやってみよう」

と思うことになるとは。

――第3話へ続く。


前回の記事はこちらから⤵

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