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#049 「だから何?」で止まる前に。

情報は揃っている。整理もできている。それでも、「だから何?」で止まってしまうことがあります。

さらに調べればいいのか。分析を深めればいいのか。
それとも、別のところに立ち返る必要があるのか。

今回は、「だから何?」で止まってしまう理由について考えてみました。


同じ情報でも、問いが変われば見えるものが変わる

たとえば、ある事業で「EC経由の売上比率が60%になった」という情報があったとします。

「売上をさらに伸ばすには、どこに余地があるのか」を明らかにしたいのであれば、残り40%の中に、まだECへ移行できる領域があるのかが気になります。

「営業生産性を高めるには、何を変えるべきか」という問いを持っていれば、人が担っている業務のうち、どこまでをデジタルへ移せるのかを見たくなる。

一方、「顧客体験を良くするには、どんな接点が必要なのか」を考えているなら、EC比率をさらに高めることよりも、デジタルと人の接点をどこで組み合わせるべきかが重要になるかもしれません。

見ている情報は、どれも同じ「60%」です。
それでも、そこから読み取ろうとするものは変わる。

違いを生んでいるのは、情報そのものではありません。

何を明らかにしようとして、その情報を見ているのか。

そこが違っています。


情報の中に、示唆が埋まっているわけではない

数字や事実を目の前にすると、そこには何らかの「答え」が隠れていて、分析を深めれば見つけられるような感覚を持つことがあります。

もちろん、情報を増やし、比較し、構造化することで初めて見えるものはあります。情報の量や質は、考えるための重要な土台になります。

ただ、仕事で必要になる「だから何が言えるのか」という示唆が、情報だけから自動的に出てくるわけではありません。

たとえば、「市場が前年比5%成長した」という情報があったとします。

新規参入の可能性を検討しているなら、市場の魅力度を考える材料になる。

一方、自社の売上が3%しか伸びていない状況で競争力を確認したいのであれば、市場が5%成長しているという事実は、自社が相対的にシェアを失っている可能性を考える材料になります。

さらに、市場が伸びているにもかかわらず利益が出ていない事業について、収益性の問題を明らかにしたいのであれば、「市場ではなく、自社固有の構造に原因があるのではないか」という別の方向を見ることになる。

情報が変わったわけではありません。

情報と問いがつながることで、その情報が持つ意味が変わる。


「だから何?」で止まったとき

資料をレビューするとき、「So What?」「だから何?」という問いはよく使われます。

情報を並べただけで終わらせず、そこから何が言えるのかを考えるうえでは、とても有効な問いです。

ただ、「だから何?」だけを繰り返しても、うまく答えられないことがあります。

そんなとき、「まだ情報が足りない」と考えて、調査対象を増やしたり、データを細かくしたり、別の切り口でも分析したりする。

それによって前へ進めることも、もちろんあります。

でも、情報は十分にあるのに「だから何?」に答えられないのであれば、問題は別のところにあるかもしれません。

何を明らかにしたいのかが、まだ曖昧なのではないか。

だから何?の読み解き


そんなときは、分析をさらに先へ進めるより、一度問いまで戻ってみる。

「何が分かった?」と確認したあと、すぐに「だから何?」へ進まず、

「そもそも、何を明らかにしたかった?」

と問い直してみます。

問いが見え直すと、同じ情報の中でも見るべき場所が変わります。

重要ではないと思っていた数字が急に意味を持つこともあれば、逆に、時間をかけて分析していた情報が、いま考えていることには必要なかったと気づくこともある。

考えるというのは、いつも情報を足しながら先へ進むことではありません。

問いまで戻ることで、初めて先へ進めることもある。


「何が分かった?」の、その先へ

ここまでを整理すると、「だから何?」へ進む前には、もう一つ確認しておきたいことがあります。

何が分かったのか。

そして、

何を明らかにするために、それを見ているのか。

この二つがつながって、初めて「だから何が言えるのか」を考えられる。


WHAT|何が分かった?
 ×
FOR WHAT|何を明らかにしたい?
 ↓
SO WHAT|その問いにとって、何が言える?

WHAT × FOR WHAT → SO WHAT

「So What?」を、単に結論を要求する言葉として使うのではなく、

「いま明らかにしたいことにとって、この情報は何を意味する?」

と捉え直してみる。

そうすると、「だから何?」は答えを急かす問いではなく、情報と問いをつなぐための問いになります。


「だから何?」の前に

情報を集め、整理し、構造を捉える。

それだけでも、複雑だったものはずいぶん見やすくなります。

けれど、仕事ではその先が必要になります。

「何が分かったのか」だけではなく、

「それは、いま明らかにしたいことにとって何を意味するのか」

まで考える。

「だから何?」に答えられなくなったとき、情報を増やすことだけが次の一手ではありません。

一度、「何にとって?」へ戻ってみる。

情報を増やしても、「だから何?」に答えられないことはあります。

そんなとき、足りないのは情報ではなく、問いの解像度かもしれません。

「何が分かった?」から「だから何?」へ進む前に、
「何を明らかにしたかった?」へ戻ってみる。


その問いが定まったとき、同じ情報から見えるものが変わり始めます。

「だから何?」の因数分解

あなたの「問い」も、聞かせてください。

仕事や組織、AI、これからのこと。
まだ言葉になっていない違和感でも構いません。


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