60代のリアル|第2幕、第63話【実録・介護の崖っぷち】朝8時の異常事態、満員電車で乗り越えたトラブルから区役所の窓口へ
前回までのあらすじ
9月8日(火)
この日は、VBAを駆使して行う発送先の差し替え作業や、10月発送分の「完全手作り」となる請求書のチェックに加え、翌日に休暇を控え今日中に必ず発送しなければならない「約100枚の督促状」という大きな山が立ちはだかっていました。
電子公印の導入が叶わず、かつて元主任が見せてくれたハンコ押しの神業を思い出しながら地道に作業を進め、手元にまとめた督促状を抱えてエレベーターホールへ走ったのは、最終回収時刻が目前に迫る15時45分。
改修を終えたばかりの老朽化エレベーターでの焦るような待ち時間、地下駐車場へ続くスロープ脇にある知る人ぞ知る埋め込みポスト――。
投函口のすぐ手前まで郵便物で溢れかえる中、ギリギリのところで滑り込ませた瞬間、私はようやく大きな安堵のため息をつくのでした。
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朝8時、ホームの混雑と小さな賭け
9月9日(水)
昨日の仕事の怒涛のラッシュを無事に乗り越え、この日は事前に申請していた休暇でした。
朝8時、母の公的手続きのために区役所へ向かおうと家を出ました。
しかし、地下鉄の駅に到着すると、ホームには溢れんばかりの人、人、人――。いつもとは明らかに違う異様な光景が広がっていました。
「一体、何があったんだろう……?」
駅のアナウンスが流れているものの、駅員さんに迂回ルートを尋ねる人、職場に電話をしている人、諦めて改札へと引き返す人、反対側の動いている電車に切り替える人たちの話し声やざわめきにかき消され、何を言っているのか聞き取れません。
ただ一つ分かったのは、「電車が大幅に遅延している」ということだけでした。
とはいえ、この日は特に時間を決めていたわけでも、予約を入れていたわけでもありません。
「1〜2本は見送ろう」と心に決め、混雑するホームで静かに待つことにしました。
2本見送った後、滑り込んできた電車になんとか乗車できたものの、車内はすし詰め状態の超満員でした。乗り込んだドアと反対側のドア付近まで押し込まれてしまい、「これ、降りる駅でちゃんと外に出られるだろうか……」と一瞬不安がよぎります。
幸いにも目的地の駅は乗り換え路線が多く、降りる人も大勢いたため、人の波に押されるようにして無事にホームへ降り立つことができました。
地下直結の窓口と、あたたかい案内
その駅は区役所と地下で直結しているため、地上へ出ることなくそのままスムーズに館内へと向かいました。
この日役所を訪れた目的は、母のマイナンバーカードの更新手続きと、世帯分離について話を聞くことの2つです。
まずは総合受付の方へ向かい、その旨を伝えました。すると、受付の方はとても親切な笑顔でこう案内してくれました。
「ご案内する窓口がそれぞれ異なりますので、まずはマイナンバーカード更新の番号札をお取りになってお待ちくださいね。そちらの手続きが終了しましたら、次の窓口をご案内いたします」
電車での混雑と混乱で少し強張っていた気持ちが、受付の方の丁寧でスムーズな対応にふっと和らぐのを感じました。
🌿次回予告
地下鉄の遅延トラブルを乗り越え、無事に区役所の窓口へ到着したものの、頭をよぎるのは「世帯分離」という大きな選択です。
介護負担を軽減するための正当な手続きとはいえ、実際にどんなデメリットや煩雑さが待っているのでしょうか?……。
果たして、今の自分にとって何が本当の「正解」なのでしょうか?
次回、「役所の窓口で向き合ったリアルな手続きの記録」。
次回もどうぞお楽しみに!
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